■ 偽りの社会的証明にだまされるな
他人の行動を参考にして自分の行動が適切かどうかを判断する傾向は、ほとんどの場合はうまく機能する。一般的に、社会的証明の原理に基づいて行動をするほうが、適切な結果が得られることが多い。そのため、多くの人が行なっている行動を正しい行動だと考えることで、簡便に物事を判断することができるのだ。
しかし、社会的証明の原理にはひとつ落とし穴がある。それは、私たちが参考にする人々も、別の人々を参考にして行動を決めているかもしれない、ということである。つまり、私たちが参考にする人々は、必ずしも何らかの優れた情報に基づいて行動しているわけではないということである。
ある飲食店では、店内に空席がまだあるのに、入場制限をして店の外に行列を作らせた。すると、この行列が「社会的証明」となり、次々と人が並び始め、ついには長蛇の列となった。行列という意図的に作り出した「偽りの社会的証明」で、その店の「見せかけの価値」をでっちあげたのである。
私たちは「社会的証明」がたとえ事実でなくても、「社会的証明の原理」に従って自動的に反応してしまう。つまり、悪用できるということだ。残念ながら、それに付け込んで儲けようとする悪い人が世の中にはたくさんいる。私たちは、「偽りの社会的証明」をでっちあげて顧客を騙すようなことを、絶対にしてはならない。
■ 【連載】説得と交渉の営業心理学 |
第1回 二度目は断れない |
第2回 拒否させて譲歩する |
第3回 一面呈示と両面呈示 |
第4回 結論を言わない暗示的説得 |
第5回 手に入りにくいほど欲しくなる |
第6回 他人の真似をする社会的証明 |
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