その3:未来の「夢」や「希望」を語る
オバマ氏の演説を注意して聞いていると、現状分析よりも未来の展望を語る言葉が多いことに気づかされます。これがオバマ氏のプレゼンテーションが優れている三つ目の理由です。
現状分析ばかりだと、どうしても話が理屈っぽくなりますし、気分も重くなります。けれども未来の展望については、それが明るく説得力のある言葉で語られれば語られるほど、希望や夢を抱くものです。
「オバマだったら、アメリカを変えてくれるんじゃないか。もう一度夢や希望にあふれた国にできるんじゃないか」という期待を人々に抱かせるわけです。
これは営業プレゼンでも同じ。
商品の細かい機能を分析したトークをくわしくおこなうよりも、その商品を購入するとどんなふうに仕事や生活が良くなるのか、ありありと場面を描写することで、お客さんに未来を見せてあげるのです。お客さんはワクワクして、「この商品を使えば、そんなにいいことがあるのか」と、夢や希望を持ちます。
みなさんの中には「アメリカの大統領選挙なんて、よその国の出来事だから関係ない」と思っている人もいるかもしれません。でもアメリカ大統領は、極めて高いプレゼンテーション能力を求められる職業です。候補者たちのプレゼン・トークを聞くことは、自分のプレゼンテーション能力を磨くうえでも役立ちます。
今後オバマ氏(および彼以外の候補者たち)が、人々の支持を得るためにどんなプレゼン・テクニックを駆使するか、要注目です。そしてできれば彼らから、少しでも多くのワザを盗みましょう。
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