前述のように、トラブル自体の直接の原因を解明し、対策を打ちましたよね。次は部下が起こしてしまった原因の背景を究明します。 何が間違っていたのでしょうか?「 本人の何に起因するのか」が、叱るかどうかのボーダーラインです。
叱る必要があるとき
=気持ちに問題がある場合。
例:気の緩みからミスを招いた場合、 仕事というものを軽視している場合、周囲に対する甘えがある場合。
この場合、結果として以下のようなことが起きていることでしょう。
・ 正当な理由がなく遅刻
・ 連絡・確認を忘れた
・ 先延ばし癖により問合せへの対応が遅れた
・ 自分ですべき処理を人に任せたことによる手配ミスの発生
こうした行動に現れるメンタルの問題は、本人が意識していない場合が多いので、上司の出番となります。 本人が気づいていても、強いきっかけがなければ直りにくいものです。周囲の被害が拡大する前に正してやる必要があります。ガツンと注意すべきでしょう。
叱ってはいけないとき
=仕事の順番や方法が間違っている場合。
これに当てはまる部下はこのような状況に陥っている可能性が高いです。
・仕事を抱えすぎていて追いつかない
・必要のない作業を行っているために終わらない
・手順が悪いためにスピードが遅い
これは本人はいたって真面目であっても、仕事の順番や方法が間違っているがゆえに起こる問題です。こういうときにミスが起きたからといって誤って叱ってしまうと、本人のモチベーションを下げてしまいます。やる気がある部下からやる気を失わせるなど言語道断。ここでのあなたの仕事は、彼(彼女)の仕事の絡んだ糸をほぐして、効率化を促すこと。あるいはポイントのズレを直して、正確な仕事をさせることです。
部下をまっすぐ育てるのが上司の仕事
いかがでしたでしょうか。部下を叱る正しいタイミングはトラブルを収拾した後。叱るべきかどうかの判断基準は、結果の大きさではなく、原因の性質です。部下の心を正す、やる気を削がない。それは上司の大切な仕事の一つです。
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