アドバイスするなら、この3原則を守れ!とことんまで向き合ったときにキリカエが生まれる「本人に気づかせることが大事ですが、きっかけのために、アドバイスを与えることもときには必要。しかし、多くの指導者がアドバイスの与え方を間違っています。アドバイスをするなら、次の3原則が大事です」平尾さんがこう言って挙げたのが、次の3つです。1:簡略化したアドバイス=3つ言いたいことがあれば1つにする2:実行可能なアドバイス=必ず相手ができることに集中させる3:結果が出るアドバイス=状況が激変することを体験させる相手にへのタックルを怖がって突っ込んでいけない選手に対して、「怖がらず頭を下げて突っ込め!」と怒鳴っても意味がありません。それができないから困っているわけです。そうではなくて、例えば、「手で相手の足を締めろ」というようなアドバイスをしたほうが有効なのです。「このアドバイスの3原則を守ることによって、上司と部下の関係はきわめてよくなります。そして、部下は「できた」という感触を持ち、自信がつきます。当たり前と思われるかもしれませんが、なかなかできていないものです」上司であるあなたのアドバイスはいかがですか? ついつい、あれもこれもと伝えていませんか? また、相手ができないとわかっていて伝えていませんか? それによる結果がすぐにはわからないような、あいまいなアドバイスを伝えていませんか? 何かアドバイスを伝えるときに、まずはこの3原則に照らし合わせてチェックしてみてください。コーチングは相対的なもの平尾さんは現在、スポーツNPO「SCIX」の理事長として、スポーツのコミュニティ創りのほか、スポーツの中にある知的な部分、「スポーツインテリジェンス」の認知普及に努め、さらにはそれを「ソーシャルインテリジェンス」として教育やマネジメント分野への適用を図っています。2005年10月には、「『コーチングを考える』」をテーマにした連続講座をまとめた『キリカエ力は指導力-常識も理屈も吹っ飛ぶコーチング』が出版されました。三井住友銀行常務で、元ラグビー日本代表監督の宿沢広朗さん、「スクールウォーズ」「プロジェクトX」で知られている伏見工業高校ラグビー部総監督の山口良治さん、野球評論家の山田久志さんなど、平尾さんを含め6人のスポーツ関係者が、それぞれのコーチングに対する“持論”を語っています。あとがきで平尾さんは「相対性コーチング理論」という言葉を使っています。「コーチングは絶対的なものではなく、相対的なものです。相手によって異なるし、状況によっても変わる」「それぞれに違うスポーツの世界で経験と実績を積み重ねる中で、コーチングに対する独特のすばらしい持論を構築されている。これは理論ではなく、持論。だからこそ臨場感があるんです。」コーアクティブ・コーチングの基本である・「4つの礎」の一つに次のような考えがあります。「クライアントと共に、その瞬間瞬間から創り出す」(”Dance in the moment”)あなたならではの、そしてそれぞれの部下に応じたコーチングを、部下と一緒に創り出していってください!【参考書籍】■『キリカエ力は指導力-常識も理屈も吹っ飛ぶコーチング』 (平尾誠二監修 梧桐書院刊)【関連サイト】■スポーツNPO「SCIX」(Sports Community & Intelligence Complex)■株式会社ノビテク(nobtech)■「ソリューション・フォーカスアプローチに学ぶ2――部下の「できる感」を高めよう」■「選手まかせ」のチームの強さの秘密はここにある!――ジーコジャパン成長のメカニズム」■「コーチングの基本を知ろう!1――教えるコーチ・教えないコーチ」■「もしやその原因は上司のあなたかもしれません――なぜあいつはダメな部下なのか?」■「現有戦力を徹底活用した中日・落合監督に学ぶ――優勝に導いた「俺流」コーチング」【編集部おすすめの購入サイト】Amazonでコーチング関連の書籍をチェック!楽天市場でコーチング関連の書籍をチェック!前のページへ123※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。