「今のままでいいよ」とささやく“悪魔”の声
こんな“悪魔”を飼っていませんか? |
ちょっと自分の中の声に耳を澄ましてください。現状に満足しようという声はどんなことを言っていますか? 例えば、「そんなことはやめておくべきだよ。今のままでも十分いいじゃないか?」。どんな言葉が聞こえてくるでしょう?
それはどんな声をしていますか? あなたの耳元でささやく低い声、母親がガミガミと説教する声、気の抜けた甘い声かもしれません。どんな声がしているでしょう?
そして、何かがその声を出しているとしたらどんな顔をしているでしょう? どんな姿や服装をしていますか? ちょっと創造力を膨らませてみましょう。例えば、右のイラストにあるような悪魔の姿、もしくはあなたの両親や先生、上司などの姿をしているかもしれません。
まずはあなたの現状に満足しようという声を、このようにできるだけ明確にイメージすることが、脇に置くための第一歩です。
“悪魔”を手放して身軽になりましょう!
コーチングでは、このように人が自分の夢やビジョンに向かって進もうとするとき、それを妨げようとする自己制限的な思考を“サボタージュ”と呼んでいます。
サボタージュは誰にでもあります。そして、必ずしも悪いものではありません。あなたを未知の危険から守ろうとしています。大事なのはサボタージュの声にあなたが支配されないことです。ついつい、サボタージュの声ばかりを聞いて、あなたの本当の声が聞こえなくなることがよくあります。サボタージュの声と、あなたが「○○をやりたい!」といった本当の声とをしっかりと区別しましょう。
サボタージュの声を聞くのか聞かないのか? それとどう付き合っていくのか?は、あなたが決めることです。今はサボタージュを無視することが必要かもしれません。サボタージュの声を黙らせたければ、黙らせることも可能です。例えば、サボタージュに何か仕事を与えたり、旅に出したりするのもいいでしょう。
単なる遊びに思えるかもしれませんが、こうやって現状に満足しようという声を“サボタージュ”として具体的にイメージし、それに働きかけることは大きな変化をもたらします。実際に、何か重しが取れたり、身体が軽くなったりした体験をする人もいます。
あなたはどんなサボタージュを飼っていますか? そしてサボタージュを見つけたら、少しの間でもそれを手放してみましょう。身軽になったあなたに、これまでは見えなかった可能性や選択肢がきっと見えてきますよ。
【参考書籍】
■『コーチング・バイブル』(ローラ ウィットワース/フィル サンダール/ヘンリー キムジーハウス著 CTIジャパン訳 東洋経済新報社) (本記事で紹介している“サボタージュ”が“グレムリン”という名前で紹介されています)
【関連サイト】
■「あなたにとっての「お金」・「仕事」とは?」
■「「仕事だから」が口癖になっていませんか――「仕事」という名の依存症」