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新しい一歩が踏み出せないとき(2ページ目)

「○○をやりたい! でも今のままでいいかも……」。こんな思いの狭間で葛藤し、堂々巡りの議論の末に結局は何も進まない……。そんなあなたに、現状への執着心を手放し、夢に向かって進む方法をご紹介します。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド


「今のままでいいよ」とささやく“悪魔”の声

こんな“悪魔”を飼っていませんか?

ちょっと自分の中の声に耳を澄ましてください。現状に満足しようという声はどんなことを言っていますか? 例えば、「そんなことはやめておくべきだよ。今のままでも十分いいじゃないか?」。どんな言葉が聞こえてくるでしょう?

それはどんな声をしていますか? あなたの耳元でささやく低い声、母親がガミガミと説教する声、気の抜けた甘い声かもしれません。どんな声がしているでしょう?

そして、何かがその声を出しているとしたらどんな顔をしているでしょう? どんな姿や服装をしていますか? ちょっと創造力を膨らませてみましょう。例えば、右のイラストにあるような悪魔の姿、もしくはあなたの両親や先生、上司などの姿をしているかもしれません。

まずはあなたの現状に満足しようという声を、このようにできるだけ明確にイメージすることが、脇に置くための第一歩です。

“悪魔”を手放して身軽になりましょう!


コーチングでは、このように人が自分の夢やビジョンに向かって進もうとするとき、それを妨げようとする自己制限的な思考を“サボタージュ”と呼んでいます。

サボタージュは誰にでもあります。そして、必ずしも悪いものではありません。あなたを未知の危険から守ろうとしています。大事なのはサボタージュの声にあなたが支配されないことです。ついつい、サボタージュの声ばかりを聞いて、あなたの本当の声が聞こえなくなることがよくあります。サボタージュの声と、あなたが「○○をやりたい!」といった本当の声とをしっかりと区別しましょう。

サボタージュの声を聞くのか聞かないのか? それとどう付き合っていくのか?は、あなたが決めることです。今はサボタージュを無視することが必要かもしれません。サボタージュの声を黙らせたければ、黙らせることも可能です。例えば、サボタージュに何か仕事を与えたり、旅に出したりするのもいいでしょう。

単なる遊びに思えるかもしれませんが、こうやって現状に満足しようという声を“サボタージュ”として具体的にイメージし、それに働きかけることは大きな変化をもたらします。実際に、何か重しが取れたり、身体が軽くなったりした体験をする人もいます。

あなたはどんなサボタージュを飼っていますか? そしてサボタージュを見つけたら、少しの間でもそれを手放してみましょう。身軽になったあなたに、これまでは見えなかった可能性や選択肢がきっと見えてきますよ。

【参考書籍】
■『コーチング・バイブル』(ローラ ウィットワース/フィル サンダール/ヘンリー キムジーハウス著 CTIジャパン訳 東洋経済新報社) (本記事で紹介している“サボタージュ”が“グレムリン”という名前で紹介されています)

【関連サイト】
■「あなたにとっての「お金」・「仕事」とは?」
■「「仕事だから」が口癖になっていませんか――「仕事」という名の依存症」
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