コーチング/人材育成・組織作り

「上司の悩み」解決シリーズ 5 部下の目標意識が低いんです(2ページ目)

目標意識が高い部下、低い部下。部下もいろいろです。「目標意識の高い部下ばっかりだったらいいのに……」と思う気持ちはわかりますが、目標意識が低い部下をなんとかするのが上司の役割。そのカギは何でしょう?

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

成功体験が思い浮かばない…

まずは姿勢に注目しましょう
そこでコーチのCさんがBさんに投げた質問はこれ。

「これまでで一番うれしかった成功した体験、感動した体験は何ですか?」

この質問にBさんは少し身体を起こして、顔を上げて思い出すかのように見えましたが、またうつむいてこう言いました。

「思い出そうとしましたが、大した体験をしていませんね」

通常であれば、成功体験や感動体験に関する質問をすれば、必ずといっていいほど、表情が明るくなり、いろいろとイメージを思い出しますが、このBさんにはあまり効果がなかったようです。

でも、Cさんはめげずに問いかけ続けました。
「大きな体験でなくても、ちょっとしたことでもいいんだよ。何か思い出した体験はない?」

そう言われて、Bさんは少しずつ、高校時代の思い出、さらには営業の仕事の中での成功体験を話しはじめました。

イメージを思い描いてもらう

Bさんはだんだんと自分のうれしかった体験を話し出し、話す中でいろいろと思い出していきました。さらに、営業のコツとは何なのか、自ら語り始めました。

先ほどまでうつむいていた顔も、顔を上げていろいろとイメージを思い出している様子です。

「目標に向けてどんなことをしていきたい?」
CさんがBさんに質問すると、Bさんは目標に向けての具体的な行動計画を話し始めました。

いかがでしょう?

部下と話をしていて、部下がうつむき加減で話していた場合、その状態でいくら話をしても、前向きな話は出てきません。あなたでも、うつむいた状態で最高の状態を思い描こうとしても不可能でしょう。

まずは、部下に何かいいイメージを思い描いてもらうことです。それは過去の成功体験や感動体験などなんでも構いません。小さな体験でも構いません。

とにかく、少しでもイメージを思い出せば、そこからイメージの連鎖反応が起きてきます。うつむき加減だった姿勢がだんだんと起きてきます。

「部下の目標意識が低い」と嘆く前に、まずは部下のいいイメージを引き出していきましょう。どんな部下でも何かしらあるものです。

部下がポロリともらした一言も逃さない気持ちで、よく聴いていけば必ず何か見つかります。そして、そこからイメージを思い描いてもらうのです。ぜひやってみてください!

【関連サイト】
■「コーチングは名作と一緒――感動を呼ぶ名映画監督になろう!」
■「売れる営業マンが沈黙を守れるワケ――あなたには話が“見え”ますか」
■「飲みに行くだけでは解決できない!――部下との距離、どう縮める?」
■「上司の悩み」解決シリーズ1―「部下に意見したい」病を治す!
■「上司の悩み」解決シリーズ2―会議で意見が出ないんです……
■「上司の悩み」解決シリーズ3―シンプルな質問ができません……
■「上司の悩み」解決シリーズ4―部下が動きません……
■「部下の目標を明確にし、やる気にする」
■「コーチングの基礎を学ぶ1:聴く・傾聴」
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