あなたは人の話をよく聴こうとするとき、どうしますか? 耳を傾けて聴きますか? 実は耳を傾けることによって、逆に聴けていないかもしれません。なぜなら、話が「見えていない」からです。
「よーく聴く」ってなんでしょう?
最初に私の話をよーく聴いてもらえますか? 今年の夏休みの話です。よーく聴いてくださいね。それでは始めます。あなたには、部下の話が“見え”ていますか? |
「今年の夏、初めて鳥取砂丘に行ったんです。まあ、しょせん、砂浜に毛が生えた程度だろうと思って行ったんですが、行ってみてびっくりしました。道路からの階段を上ると、そこには一面の砂・砂・砂。砂浜ではなく、まさに砂漠が目の前に広がっていました。そして、前には砂丘の名の通り、砂の丘が続いています。その丘のてっぺん向かって歩き始めました。
その日は快晴。真っ青な夏の空が頭上に広がっています。照り付けられた砂は、熱くて熱くて、ビーチサンダルを履いていてもじっと立っていられないほどです。足裏が焼けそうです。『熱い・熱い』と飛び跳ねながら、丘を登っていきました。子どもたちは、『ギャァーギャァー』叫びながら、走っていきます。私は『ハァーハァー』言いながら、熱い熱い砂の上を歩いていきました。
ようやく丘の頂上にたどり着くと、そこには眼下に広がる海。たくさんの人が波打ち際で遊んでいるのが見えます。かすかに声や波の音も聞こえてきます。そして、頂上には心地よい風が吹いていて、汗をかいた顔を気持ちよくなでてくれました。さっきまでとは打って変わってとても涼しくて、思わず手を大きく広げて深呼吸していました。身体全体がまるで空や海、風と一体になっているかのようでした。」
以上ですが、私の話がよーく聴けましたか? それでは「よーく聴けた」というあなたに質問です。