免震構造と制振(制震)構造を比較
現在の塔状建物は超高強度コンクリートを使った鉄筋コンクリート造が主流。免震構造の条件に合うものもあります
【適している建物形状】
■免震構造
・重くて硬い建物、例えば鉄筋コンクリート造のマンションなど。
・塔状比(建物高さ/幅)が4以下の建物。
■制振(制震)構造
・軽くてやわらかい建物、例えば鉄骨造のマンションなど。耐震壁がついている建物には不向き。
・塔状建物
【竣工後のメンテナンス】
■免震構造
・定期点検および臨時点検が必要
■制振(制震)構造
・点検フリー
【主な注意点】
■免震構造
・建設コストが5%程度高くなる。建物の階数が増えるとコストに占める割合が少なくなる。
・積層ゴムの部分が動くため敷地周辺に40cm~50cm程度の余裕が必要。
・軟弱地盤には向かない。
■制振(制震)構造
・制震装置をつける位置や数に十分配慮する必要がある。
以上のように、免震構造や制振(制震)構造を採用するためには、さまざまな条件があるということを念頭においておきましょう。
ゆれの少なさでは免震、制振が一歩リード
これらの新しい構造システムがどの程度の効果を発揮するのかは、発生する地震の規模や震源からの距離など様々な要因が関係するため一概に言えません。しかし、一般的な耐震構造に比べ「揺れをカットする」という効果が認められている免震・制振(制震)構造の建物は、やはり安心感が違うと思います。ただし、建物の形状や地盤の状態によっては効果をあまり発揮しない場合もあるため、一般的な耐震構造が即NGだと単純に考えない方が良いでしょう。
「免震+制振」など、様々な技術がある
地震対策がしっかりとってある住まいは自分自身の目で選ばなければなりません
今回はマンションで採用されている耐震構造、免震構造、制振(制震)構造の特徴、違い、比較を行いました。このような耐震技術の開発は進んでおり、例えば免震構造と制振構造のよい所を複合したオリジナルの工法を新築マンションに採用するケースも見られます。
どの工法が効果的かどうかは、そのマンションの建つ土地の形状や持つチカラ(地耐力)、建物形状によってケースバイケースです。耐震性を高めるためにどんなくふうをしているのか、どんな工法を採用しているのか、そういった情報をキャッチして、地震が発生しても命や財産が守られるマンションかどうかを判定し、選ぶことが大切だと言えるでしょう。
【関連サイト】
地震動予測地図(地震調査研究推進本部)
【関連記事】
地震がきたらどこに逃げると安全?
安全な中古住宅を買う!耐震性・性能チェックリスト
住宅の耐震性を決める3大要素は「建物・地盤・施工」
新しい家ほど耐震性は高い?耐震基準の変遷
女性の一人暮らし・賃貸でもできる地震対策
家具転倒防止・防災グッズは自治体補助を利用しよう
地震に弱い住宅を見分ける5つのキーワード 戸建篇
住まいの耐震性って本当に必要なの?
あなたの家の地震適応力は?
あなたのマンション、地震に耐えられる?
我が家は安全?地盤と基礎で耐震チェック
大地震に見るマンションの耐震性能
テレビ・パソコン、家電の地震対策
地震に備えた寝室とは?寝室危険度チェック
あなたの家は大丈夫?地盤調査のススメ
建物に適した地盤と基礎の関係を知ろう
資産価値と安全性なら『免震マンション』
Copyright(c)2015 住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 All rights reserved.