阪神淡路大震災や東日本大震災で多くの人が大地震の恐ろしさを体験し、近いうちにまた大地震が来ると予想されている今、マンション購入において構造や耐震性を重視する人は増えています。

2014年版の「全国地震予測地図」(地震調査研究推進本部)によると、「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」は、北海道道東地方の沿岸、三陸沖から房総沖、南海トラフの太平洋側、相模トラフ沿いの地域で高くなっています(【図1】参照)。
*赤い色が濃いほど発生確率が高いことを示す。

今後30年間に震度6弱以上の地震に見舞われる確率。「全国地震動予測図」(地震調査研究推進本部:平成26年12月19日公表)

【図1】今後30年間に震度6弱以上の地震に見舞われる確率。「全国地震動予測図」(地震調査研究推進本部:平成26年12月19日公表)



今回は、マンションの耐震構造・免震構造・制振(制震)構造について、それぞれの工法のメリット・デメリット、一般知識をまとめます。 具体的な比較の前に、新耐震基準について知っておきましょう。

 

1981年以降に建てられたマンションは耐震構造になっている

1981(昭和56)年6月1日以降に確認申請を受けて建てられた建物は新耐震基準が採用されており、基本的に地震に強い耐震構造となっています。では、新耐震基準で建てられた建物の耐震性はどの程度なのか、まず確認しておきましょう。

現在の耐震基準は人命の安全は保証したいとしているが若干ヒビが入る程度の損傷は認めている

現在の耐震基準は人命の安全は保証したいとしているが若干ヒビが入る程度の損傷は認めている

■震度6~7程度(※1)の地震でも倒壊、崩壊しない(※2)
※1 関東大震災の震源に近い小田原で観測された地震に相当する。地表の加速度で400ガル程度。数百年に一度程度発生する地震。
※2 人命が損なわれるような壊れ方はしない程度を示します。


極めてまれにしか発生しない大きな地震(震度6~7程度)の時でも、建物は倒壊・崩壊せず、家の中にいる人の命は守られます。ただし、建物に大きくヒビが入ったり傾いたりする可能性はあります。

■震度5強程度(※3)の地震でも損傷を生じない(※4)
※3 地表の加速度で80ガル程度。数十年に一度発生する地震。
※4 大規模な工事を伴う修復が必要な著しい損傷が生じない程度を示します。


住んでいる間に何度か訪れる、中、小の地震(震度5強程度)に対しては、建物はほとんど影響を受けず、建物及び人命は守られます。

阪神淡路大震災で耐震性を立証

新耐震基準で建てられた建物には、本当に一定以上の耐震性があるのでしょうか。その根拠になっているものは、多くのオフィスビルやマンションが倒壊した1995年1月の阪神・淡路大震災での被害状況です。地震で倒壊した建物のほとんどが新耐震基準以前に建てられた旧耐震の建物、いわゆる既存不適格建築物(※5)でした。一方、新耐震基準を採用して建てられた建物には大きな被害は見られませんでした。

このことから、1981年以降に新耐震基準を採用して建てられている建物は、地震に強く、一定以上の耐震性があると言われるようになりました。

※5 既存不適格建築物とは建てた当時は建築基準法にかなっていたもののその後の基準法の改正で内容が現行法規に適合しなくなってしまった建築物のことをいいます。


次のページで耐震構造・免震構造・制振(制震)構造の特徴をまとめます。