同じ間取りでも異なる快適性

間取りが同じ住戸でも、マンションのどの位置にあるかによって住みやすさは異なるため、分譲でも賃貸でも人気のあるところから埋まっていきます。

最下階、最上階、建物の端の住戸、中間の住戸、それぞれにおいて、日々の暮らしの快適性を左右する、音、通風、採光、プライバシー面などのメリット・デメリットを比較して、どの位置の住戸が人気が高いか総合的にアプローチしてみましょう。

同じ階の住戸ならどこがいい?

まずは「同じ階の住戸ならどの位置にある住戸がより快適か」を見てみましょう。3LDK、80m2、ファミリータイプの全く同じ間取りの住居が15戸ある小規模マンション(地上3階、外廊下形式)を例にします【図1】。一つの階には全く同じ間取りの住戸が5つ横に並んでいます。
【図1】今回モデルとして使用するファミリータイプマンションの「1階平面図 兼 配置図」(クリックして拡大)。

【図1】今回モデルとして使用するファミリータイプマンションの「1階平面図 兼 配置図」(クリックして拡大)。


【図1】は1階部分の平面図 兼 配置図です。どの住戸も同じ広さ、同じ間取りであるとします。この並びをみて、もし1階に住むとしたら101~105号室のうちどの住戸が快適だと思いますか?

通風・採光で有利な住戸は?

通風・採光条件を見てみると、住棟の端に位置する妻側(つまがわ)住戸である101号室、105号室は窓が多く取れるため、左右とも他住戸に挟まれた中住戸(102、103、104号室)より、通風・採光の条件が良くなります。【図2】参照。
【図2】妻住戸と中住戸。

【図2】妻住戸と中住戸。


また、【図1】の105号室は「南東の角部屋」となり、日当たり条件が他住戸より優れています。従って、同じフロアの中では105号室が通風・採光条件が最もよい位置にあるといえます。

 


音・プライバシー面が不利な住戸は?

次に音とプライバシーの観点で見てみましょう。一般的な外廊下型のマンションだと、外廊下側に子ども室や寝室などが配されることが多く、外廊下を歩く人の視線や音が気になるものです。

【図1】のマンションでは、メインエントランスに一番近い101号室の前の外廊下を歩く人の数が最も多くなるため、この住戸が音・プライバシー面では一番不利であると言えます。

また、105号室の前にも階段がありますが、こちらはサブ的な要素が強く、メインエントランス側の階段より利用率は低いものの、日常的に人が行き来するため、騒音・プライバシー面では他住戸に比べやや不利となります。

防犯面で不利な住戸は?

次に防犯性の観点で見てみましょう。【図1】の101号室は人通りのある前面道路に最も近い位置にあり、その分不特定多数の人がアプローチしやすく、バルコニーや住居がのぞかれやすい危険性があります。同じ1階の住戸でも、道路との位置関係で防犯性に差がでます。

エントランス・前面道路近くは要検討

以上の観点から、まったく同じ間取りでも、101号室の位置にある住戸が最も注意が必要です。メインエントランスや前面道路に近いため一見便利そうではあるものの、そこで暮らす快適性という観点からは防犯・音・プライバシー含めてやや不利な条件が揃います。もしこの位置にある住戸を検討するときは、そのようなメリット・デメリットの内容をよく吟味してください。一方、居住環境で最も恵まれているのは東南角部屋である105号室と言えます。

次のページでは階別のメリット・デメリットをまとめます。