・向附
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マグロの刺し具合も素晴らしい。 |
お造りは、珍しい「湊焼き」の器にて登場! この器は私も初見でしたが、見るほどに味がある色合いと形で、盛り付けられた勝浦産「マグロ」の官能的な色合いをも引き立たせておりました。こういった上品かつセンスの良い美意識感覚は、泉料理長の真骨頂ですね。もちろん、見た目の良さだけではなく、すっきりとした良質な脂を魅せつけるマグロの特上っぷりに、加太の「鯛」と「モンゴウイカ」の旨味濃厚さは、一般的な京都の料亭・割烹とは一線を画すようなハイグレード感。酒もすすみます。
・岩牡蠣
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備前の大鉢がイイ味出してます。 |
前回の記事でもいただいた的矢湾畔蛸(あだこ)産の「二年物の岩牡蠣」! その大ぶりのルックスだけでも旨いことは確信できますが、その身質のとろっとろに柔らかいこと! 牡蠣独特のミルキー感と共に押し寄せる旨味の洪水と、磯の香りが口いっぱいに弾けます。前回以来、久しぶりに食しましたが、私が食べてきた限り、これを超える岩牡蠣は他に知りませんね。
・八寸
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春の八寸。 |
そして、お待ちかね。百花繚乱のごとく盛り付けられた春の八寸が、満開の八重桜を添えての登場です。内容は、今コース2度目の白子筍を使った「白子筍のちらし寿司」を始め、料理長のスペシャリテ「卵カステラ」、「いかなごのくぎ煮」、「赤貝の鉄砲和え」、「蛍烏賊と水菜」、「串(花丸胡瓜・利休麩・永源寺こんにゃく・車えび)」と、実に多種多様で彩り鮮やかな一皿。
毎回、この八寸をいただくのが楽しみの一つでもあるのですが、今回は春の旬物尽くめを満喫です。この盛り付け、この内容は料理のハイレベルさはもちろんのこと、日本料理界屈指の華やかさでしょう。まさに「食べる芸術品」。