世界の虹色事情は「7色」ではない!? 虹の原理や色の順番・覚え方

何色に見えますか?

虹の色は何色に見えますか?虹は夏の季語。虹の仕組み、色の順番や覚え方を知っておきましょう

雨上がりの空に美しい虹を見つけて、感動した経験はありませんか? 写真や映像ではよく目にするけれど、本物にはそう簡単にお目にかかないので、喜びもひとしおでしょう。

日本では「七色の虹」といいますが、これは世界共通ではありません。その理由を、虹の原理・仕組み、色の順番や覚え方とともにご紹介します。夏の季語である「虹」を知ると、雨もまた楽しくなります。
   

「七色の虹」は素敵な非常識!? 

「No Rain, No Rainbow」 雨が降らないと虹は出ない。雨があるからこそ虹が出る……深い意味を持つ、ハワイのことわざです

「No Rain, No Rainbow」 雨が降らないと虹は出ない。雨があるからこそ虹が出る……深い意味を持つ、ハワイのことわざです

虹の色は、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色。これは日本では常識です。しかし、世界ではそれが非常識なのをご存知でしょうか。

アメリカやイギリスでは一般的に6色と言われており、藍色を区別しないのです。ドイツではさらに橙色も区別せず5色となり、アフリカでは暖色と寒色のみ(あるいは明・暗など)で2色という部族もあります。
 

虹の原理・仕組みと色の順番

「朝虹は雨、夕虹は晴れ」 虹は太陽を背にしてできます。朝の虹は西のほうで降る雨に東から太陽があたってできるため、やがて東のほうで雨になる前兆。夕方の虹はこの逆で、雨は既に去っており晴れの前兆…という日本のことわざです

「朝虹は雨、夕虹は晴れ」 虹は太陽を背にしてできます。朝の虹は西のほうで降る雨に東から太陽があたってできるため、やがて東のほうで雨になる前兆。夕方の虹はこの逆で、雨は既に去っており晴れの前兆…という日本のことわざです

虹というのは、大気中に浮かんでいる微小な水滴の中で太陽の光が屈折・反射して生じます。水滴がプリズムの役目をするため、光が赤から紫の色の帯に見え、屈折率の違いから、虹(主虹)は、外側から赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順番になっています。

 

虹の色数が違う理由

同じように虹を見ていても、7色、6色、5色……2色など色数が違うのはなぜでしょう?

虹は連続して変化した色の帯ですから、はっきりとした色の境目があるわけではありません。これを何色ととらえるのかは、その国の文化によって異なるからです。そもそも色の認識のしかたが違ったり、色に名前がついていなかったりすれば、色を識別しようとも思わないでしょう。

日本の色に対する感性は実に繊細です。例えば、茶色や鼠色でさえ何十種類もの色名があり、「団十郎茶」「路考茶」など70以上の茶が、「梅鼠」「藤鼠」など各色相の鼠色があることから「四十八茶、百鼠」と言われています。豊かな色彩感覚を育んできたことがわかりますね。

色の違いは無限ですから、微妙な違いを的確にとらえて楽しもうとする日本人の感性が、虹を見つめるまなざしにも息づいているのでしょう。日本でお馴染みの「藍色」が、7色と6色を見分ける差になっているのも頷けます。
虹は何色?

虹は連続して変化した色の帯で、はっきりとした色の境目はありません。日本では「藍色」を見分けています

ちなみに、色彩学上の定義はニュートンによる7色です。学者によっては、虹を肉眼でみても4~6色にしか識別できないはずだ、このニュートンの説を日本人が鵜呑みにしたんだと指摘する声もありますが、昔から7色という美意識を貫いてきた日本人は素敵だと思いませんか。今度虹が出たら、よく眺めてみてください。

 

虹の色の覚え方

視覚的に虹の色を覚える方法もありますが、日本では「七色の虹」の覚え方として、「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」を音読みで唱える方法が親しまれています。

「せき(赤)・とう(橙)・おう(黄)・りょく(緑)・せい(青)・らん(藍)・し(紫)」
「せき・とう・おう・りょく・せい・らん・し」
「せき・とう・おう・りょく・せい・らん・し」

……とリズミカルに繰り返しているうちに覚えられるでしょう。
 

主虹と副虹でワンセット! 色の順番が逆な「副虹」とは?

主虹は約42度、副虹は約51度の前方に見え、主虹と副虹は色の順番が逆になります
虹は2本でワンセットです。誰もが見ている虹を「主虹(しゅにじ)」と呼び、その外側にひと回り大きい「副虹(ふくにじ)」ができています。主虹は太陽の光が水滴の中で1回反射したものです。水滴の中で2回反射したものが副虹で、主虹とは色の順番が反対になります。

・主虹の色の順番=外側から赤・橙・黄・緑・青・藍・紫
・副虹の色の順番=外側から紫・藍・青・緑・黄・橙・赤

また、副虹はとても光が弱くて薄いため、条件が良い時しか確認できません。副虹まで見えれば、澄んだ空気に感謝ですね!

 

虹を見るには

虹は太陽を背にして見えるので、朝は西の空、夕方は東の空にでますが、予告もなしに表れて、短時間で消えてしまいます。その場に遭遇できるかどうかは運もありますが、無関心な人には見えるものも見えません。虹は自然からの贈り物。美しい虹を見るには、心の潤いも必要なのかもしれません。

 

<よくある質問>
Q.二重の虹が出る原理を教えてください。

二重の虹は、内側のくっきり見える虹を【主虹】、外側の薄い虹を【副虹】といいます。虹は、空気中に浮遊している水滴の中で太陽の光が反射してできます。水滴に光が当たると、光は水滴の表面で屈折して中に入り、中で反射して、再び水滴の表面で屈折して外へ出てきます。そのため、虹が見えるのは太陽と反対側の空です。
 
【主虹】は、水滴の上側から入った光が、中で1回だけ反射して、下側から出てきたものです。
【副虹】は、水滴の下側から入った光が、中で2回反射して、上側から出てきたものなので、主虹の外側になります。反射回数が多くなると光が弱くなるため、主虹よりも薄くて見えにくいです。
 

Q.虹の色が外側が赤で内側が紫、稀に色の順番が逆な理由は

虹の色は人間の眼で感じることのできる可視光線の色です。可視光線の色は「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」の順に並んでいて、色によって波長の長さが異なります。赤が最も長い波長、紫が最も短い波長です。

太陽の光は、この様々な波長の可視光線が混ざった状態で、通常はほぼ無色に見えますが、色の波長が異なると水滴に出入りする際に屈折する角度が異なるため、赤から紫へと色が分かれ、虹が見えるようになります。

【主虹】は最も長い波長の赤が外側、最も短い波長の紫が内側になります。
【副虹】は主虹より反射が1回多いため反転し、色の順番が逆になります。
 

Q.虹は地面から出ているの? 虹までの距離って?

 虹は光の色ごとに特定の角度で見えます。
【主虹】は太陽を背にして、赤は約42度の角度、紫は約40度の角度で見えます。
【副虹】は太陽を背にして、赤は約51度の角度、紫は約53度の角度で見えます。

虹は地面から出ているわけではありませんが、地面近くまで水滴が存在していれば、虹が地面から出ているように見えるでしょう。
 
虹までの距離は特定することができません。虹はその角度上に無数に存在する水滴から屈折・反射してくる光なので、虹までの距離を特定することはできないからです。たとえ虹を追いかけても、虹に近づくことはできません。
 

Q.虹の色が民族によって5色や7色に見えたりするって本当?

虹の色は境目がない帯状なので、虹の色が何色に見えるかは、色をどのように認識するかによって異なります。日本では藍を数えて7色としますが、藍を数えないところでは6色となります。5色とするところでも、下記のように橙・紫の扱いが違う場合があります。虹の色数に決まりはないので、それぞれの感性にまかせているのです。
 
<虹の色>
7色=赤・橙・黄・緑・青・・紫
6色=赤・橙・黄・緑・青・紫
5色=赤・黄・緑・青・
5色=赤・・黄・緑・青


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