暮らしの歳時記/夏の行事・楽しみ方(6~8月)

浴衣の帯板の使い方からひもの結び方まで、簡単着付け7STEP!

初心者でも簡単な浴衣の着付けを写真でわかりやすくご紹介! ひもの結び方ひとつで全然違い、帯板の使い方・入れ方にもコツがあります。浴衣を着て苦しいという方は、着付けの仕方が間違っています。楽ちんな浴衣のポイントを押さえ、夏のイベントや花火大会へ出掛けましょう。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

浴衣の着付けのポイントをおさえ、着心地も“楽”に着付けましょう!

浴衣の着付け、帯板の入れ方

浴衣の着付けはポイントを押さえると楽!帯板の入れ方にもコツがあります

 
浴衣着付け簡単7STEP!ひも結び方・帯板入れ方にもコツがある

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今回は、着付けの手順を7ステップでご紹介します。浴衣を着ると苦しいという方が多いのですが、「浴衣は楽に楽しく着るものです」ときもの研究家の綾秦節(あやはたせつ)先生はおっしゃいます。そのノウハウを伺うと、確かに楽ちん! ひもの結び方や帯板の入れ方ひとつにもコツがあるからです。

堅苦しく考えずカジュアルに着ることも“楽”ですが、だからといってテキトー(適当ではありません)に着付けてしまうと苦しいのです。細部に迷ったら、写真で細かく解説した「着付けのいろは」(⇒)を開いて参照してください。

綾秦先生のアドバイス(以下「」内が先生の言葉)、実践したい楽ちんポイントをおさえて浴衣を楽しみましょう!
 
<目次> <浴衣の着付け>
 

浴衣の着付けで準備するもの

着付け前にスタンバイを

着付け前にスタンバイを

浴衣の着付けで準備するものは写真の通り、浴衣、帯、下着(肌着&裾よけ、ブラジャーなど)、腰紐2~3本、伊達締め、帯板、補正用タオルなど。
小物について詳しくは⇒「浴衣の着付けのいろは…下着や補正もコツが満載」をご覧ください。
 

浴衣の着付けSTEP1:下着・肌着をつける

綾秦先生おすすめタイプの着物用下着

綾秦先生おすすめタイプの着物用下着。その理由はこちら⇒「浴衣の着付けのいろは…下着・補正もコツ満載」で

「浴衣もくつろぎ着としてなら下着も無頓着で構いませんが、街着としては下着にも気をつけてください」
  • キャミソールやタンクトップで代用できますが、汗染みがつくので浴衣のケアが大変。白地や薄地の浴衣は透けて見えるので、やはり着物用下着が楽ちん♪  
  • 着物用下着もいろいろありますが、襟足から下着が見えないよう、前後の襟ぐりが深いものを。ブラや下着についてもっと詳しくは⇒こちらで解説。
 

浴衣の着付けSTEP2:補正をする

補正タオルの作り方はこちら

補正タオルの作り方は⇒「浴衣の着付けのいろは…下着・補正もコツ満載」で

「着物は茶筒のようなシルエットが美しく映え、着崩れもせず、汗もとってくれます。タオルで簡単にできますから、できるだけ補正をしてくださいね」
  • 腰に補正をすることで腰紐も緩まず、くいこんで痛くなる心配もないから楽ちん♪ 
  • 市販の補正パッドでも、タオルでもOK。
  • タオルはざっと縫っておくと扱いが楽ちん♪補正のやりかたについてもっと詳しくは⇒こちらで解説。
 

浴衣の着付けSTEP3:裾をきめて腰紐をしめる

「浴衣は着物より短めに着ますがバランスが大切。腰紐だけはしっかり締めますが、背中側だけ強く引いて腹部はしめつけないこと。また、補正タオルの上で結ぶと緩まず、痛くないので楽ちんです♪

着付けの紐は、ひと結びしてからねじって交差させ、両脇にはさみこむのが基本です。こうして結ぶと、結び目がゴロゴロしないので楽ちん♪ 紐が緩むこともありません。

 
3-1:浴衣をはおり、背縫いの中心や襟先の左右を合わせたら、着丈をくるぶしが見える程度にして下前(右の身ごろ)の褄先を10cm上げる。身幅が広い場合には内側に巻き込んで調節する 3-2:全体的に裾すぼまりになるよう上前(左の身ごろ)をかぶせて褄先を5cm上げ、右手で押さえながら左手で腰紐をとる 3-3:腰紐を締める。背筋を伸ばし、前から後ろにまわしてギュッと締め、腹部では力を入れずにひと結びし、交差させるようにねじって両脇にはさむと楽ちん♪

裾や腰紐の手順についてもっと詳しくは⇒こちらで。
 

浴衣の着付けSTEP4:おはしょりをする

「おはしょりは身八つ口(脇の下の開口部)から手を入れて内側から整え、直線を生かしてすっきりと見せましょう」
 
4-1:後ろを中央から両脇に向かって整え、背中心も確かめる 4-2:前を左手で下前の襟を持ちながら、右手で整えていく

おはしょりの手順をもっと詳しくはこちらで。
 

浴衣の着付けSTEP5:襟をきめて胸紐をしめる

「襟は着ているうちに緩んできますから、最初は乙女のようにきっちり合わせておきましょう。胸紐は少し上で締めてから、下にずらすと胸元がすっきりします。胸紐にコーリンベルトを使う場合、ゴムだからと短くしがちですが、短いと次第に襟が詰まってきます。長めにして使い、肋骨の下の位置で留めましょう」
 
5-1:襟足はすっきり見えるように、こぶし一つ分程度抜く 5-2:襟は次第に緩むので、着付けるときはきっちりめにしておく 5-3:胸紐を締める。ゆるめに締めて、結び目をみぞおちからずらすと楽ちん♪ 着付けの紐は、ひと結びしてからねじって交差させ、両脇にはさみこむのが基本。結び目がゴロゴロしないので楽ちん♪
 

浴衣の着付けSTEP6:身ごろを整えて伊達締めをしめる

「伊達締めをする前に、前後の身ごろのシワやたるみを整えましょう。伊達締めや帯は、下部をきっちりと体にそわせて上部にゆとりをもたせると楽ですし、着姿も美しくなります」
 
6-1:背中、両脇、胸もとを整える。おはしょりは内側のもたつきを上に折り上げ、帯の下側から出る部分を一重にすると腹部がスマートに見える 6-2:伊達締めを締める。伊達締めの下側でおはしょりを引き上げながら胸紐の位置まで移動して締めると、腹部がすっきりする 6-3:結び終えたら伊達締めの下部をぐっと下げておくと、きっちりしているのに胸が苦しくなくて楽ちん♪

身ごろの整え方をもっと詳しく⇒こちら
 

浴衣の着付けSTEP7:帯を結び、帯板を入れる

「帯結びはお好みで選んでください。また、ボール紙でもいいから帯板を入れたほうがきれいです。仕上げに帯の前位置を下げておくと、みぞおちの締め付けがなく食べても楽ですよ♪

【半幅帯の結び方】 
みやこ結び&帯結びのコツ姉さま結びヤの字結び文庫結び・変わり文庫結び

【兵児帯の結び方】 
兵児帯の蝶々結び・変わり結び

【簡易帯(作り帯)の結び方】【帯板の入れ方】
7-1:簡易帯の場合、帯の紐は下側で締めるのが基本(異なる商品もあり) 7-2:簡易帯を差し込むだけだと上部が緩むので、土台に畳んだプチタオルをはさんでおくと良い 7-3:帯板は二重に巻いた帯と帯の間に斜めに差し込んでから水平にずらし、帯板と帯の下部を合わせる
 
7-4:仕上げに帯前を下げ、帯の下部はきっちりと体にそわせると美しく、上部にゆとりができるので楽ちん♪ 帯でこんなにイメージチェンジ。帯飾りをつけてもおしゃれ! 帯揚げ、帯締め、帯留めなどをプラスすれば、着て行く場所も広がる

帯の選び方や帯締め、帯留め、帯飾りについてもっと詳しくは⇒こちら

 

浴衣を楽しむために

綾秦 節(あやはた せつ)/きもの研究家。「綾秦きもの文化せんたぁ」で着付け指導ののち、港区赤坂にて「布・今昔あやはた」を開業し女優やモデルのきものコーディネートに携わる。2003年に同店を閉店し、2004年に単独でフランス留学。2006年12月本格帰国し、きもの講師として活躍中!著書『賢いきものの楽しみ方』(世界文化社)。
「アトリエあやはた」
「せっかく綺麗に着付けても、洋服感覚で振る舞ってはいけません。着物ならではの立ち居振る舞いや、着崩れの直し方を覚えておけば、最後まで美しく浴衣を楽しむことができます」

■着付けができたら裾割りをしておくと、動くのが楽ちん♪
裾割りのしかた、立ち居振る舞い・マナー

■グダグダになる前に、対処法を知っておくと楽ちん♪
着崩れの直し方、トイレの入り方

■意外と簡単!浴衣のケアはパパッと楽ちん♪
お手入れ法としまい方
たたみ方


<取材協力>
 

笑うキモノ生活 [玉のり]
モデル着用の浴衣、帯、小物は[玉のり]の商品です。
(除く黄色い簡易帯)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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