女性のためのバルが登場した
天井が高くゆったりとした店内。太い古木の梁がはしり、流木でつくられたシャンデリア、鹿角を使ったランプなどが目を惹く |
『splitz' Aoyama』(スプリッツ青山)はおいしい料理とともに気軽に酒を愉しめる、スペイン的なバルのエッセンスを取り入れている。そして“女のためのバル”として店鋪開発された店だ。
客の男女比率は女性が50%を超えている。平日こそ男性客も多いが、週末ともなれば20代から30代の女性客が圧倒的な数を占める。中心はアラウンド・サーティーだ。
人気の理由には、女性がつい、というか本能的にオーダーしたくなるような料理、そこに不可欠なおいしいパンを取り揃え、すべてにリーズナブルな価格、といった特長が挙げられる。
またバーラウンジを併設してあり、バーは敷居が高そう、と一歩を踏み出せないでいる女性にはもってこいの空間がつくられているのだ。バルでお腹を満たし、バーラウンジでカクテルやウイスキーをゆったりと味わってみる。ここでの慣れ、体験が一般にオーセンティックといわれるバーへ踏み込むきっかけとなる。
パンは『デュヌ ラルテ』が協力・開発
小皿で300円台からの価格帯から約50種の料理がある。中央は人気の洋風モツ煮込み(¥650) |
小出氏は、「アラサーである自分が行きたくなるような店」をイメージして意見を出したという。小皿料理であっても量的にがっかりしないほど良さ。サラダ以外の料理にも付け合わせの野菜に気を配り、ヘルシーな満足感を得ることができるように。女性にとってパンの味わいはとても気になる。表参道の人気店『デュヌ ラルテ』にオリジナル・ブレッド(ブレッド盛り合わせ¥550)を開発してもらい、それとともにパテやディップ、パンに合う料理を充実、といったようにいろいろと考え抜かれている。
そして次ページではわたしがこれまでいかに男目線、酒飲み目線であったかを思い知らされた、このバルのウイスキーについて述べる。
(次頁へつづく)