酒類コンペティションでの高評価
何年か前、サントリーよニッカよ、日本の飲み手ばかり意識せず海外へ、大陸へ進出しろ、と書いた。近年、やっとシングルモルトウイスキー山崎の海外での伸長が目立つようになり、少しずつだが動きが見えはじめた。これは企業努力もあるが、年々、国際的な権威ある酒類コンペティションでの好成績により、ジャパニーズウイスキーへの評価が高まってきているのも要因のひとつでもある。まずは2003年に世界が注目する酒類コンペティションISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で山崎12年が「ノーブル」という評価を得てから、ジャパニーズウイスキーの高品質さが知られることとなった。以降はさまざまなコンペティションで毎年のように何かしらジャパニーズブランドが好成績を挙げつづけている。
今年をみても山崎18年がSWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)で最優秀金賞を受賞。2006年にも受賞しているので二度目の最高賞受賞ということになる。またコンペティションとしての歴史は浅いが、WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)では余市1987がワールド・ベスト・シングルモルトウイスキーに、響30年がワールド・ベスト・ブレンデッドウイスキーに輝いている。
欧米、台湾、中国で高まる人気
アメリカで人気の山崎18年 |
またアメリカでは通の間で山崎18年が極めて高く評価されている。アメリカ人はシェリーの効いた香味を好むようだが、山崎18年のシェリー樽貯蔵原酒を中心にした、甘いドライフルーツや香ばしいチョコレートを想わせる香り、そして熟成感と複雑で奥行きのある味わいに魅了されるらしい。
世界的に和食がブームになって久しい。それに乗じてジャパニーズウイスキーの良さを世界に発信できないものか、とわたしは常々思っていたのだが、待っていれば風は吹いてくれるんだな。
スコッチなんかイギリスの重要輸出品目として、国内供給を抑えてまでも国外で売りまくってきた。そんな形は取らなくてもいいけれど、ジャパニーズももっと世界に進出して欲しい。サントリーよニッカよ、早く世界のジャパニーズウイスキーとして浸透するよう頑張って、お願いだから。
今回はここまで。近々このシリーズの2を発信する。2ではもうちょっと突っ込んだ話をする。
INDEXウイスキーってなんだ「世界のウイスキー」もご覧いただきたい。
関連記事
・真実のシングルモルト・ランキング・3回世界の名ブレンダー、山崎に集う
・1923~2003の思い 祝、日本のウイスキー80周年