2/2 18回　新橋『缶詰バー』ウイスキーも缶詰 [ウイスキー＆バー] All About

小皿の上には百円玉

結局、焼き鳥の缶詰（￥200）、それもカレー味に決めた。塩、タレもあるが、とにかく食べたことのないものにした。これが意外と旨いんだな。ま、鶏だもんね。世間にはチキンカレーなんてのもあるし、そんな大袈裟なもんじゃないってことは口にしてから気づいた。

上／カレー味の焼き鳥。下／支払いは小皿から抜かれる

白角との相性なんて蘊蓄はいらない。缶詰のようにしっかりとした味付けのものと白角ってのは大概合っちまう。

サービスの仕方だが、オーダーすると缶を開けて器に盛り、ラップをしてレンジで温めてから出される。缶のまま温めると熱伝導が悪く、また器に移し換えたほうが缶詰特有の臭みが取れるという。なるほどだ。ものによって、マヨネーズやかいわれなどが添えられる。

支払いの仕方も面白い。千円札を渡す。白角のおつり600円が小皿に載せられてカウンターに置かれる。焼き鳥缶をオーダーすると小皿から200円が抜かれる。小皿の上には400円が残る。で、次に何かオーダーすると400円から抜かれる。常連客を見ていると、もうちょっと飲むぞ食べるぞという人は小皿の下に前もって千円札を置いている。なるほど、とまた唸っちゃった。

自分へのご褒美にかに味噌

新橋の夜は大虎ばかりの、酔っぱらいオジサンの町って印象が強すぎるんだけれど、この缶詰バーはなんか違うんだよな。背筋の伸びたスーツ姿の紳士や女ふたり客ってのも常連にいる。

これが人気缶詰。

皆が人気ベスト3のコンビーフ（￥250）、さば味噌煮、さんまオリーブ（いずれも￥200）なんてのをつまみに、和やかに飲んでいる。ちなみに隠れ人気はうずらの卵缶（￥250）。

市川店長に、高額缶詰ではどのあたりが出るかと聞いた。するとあんこうの肝（￥950）、かに味噌（￥900）だという。

「何かいいことがあった日に、自分へのご褒美だ、といってかに味噌をつまみに飲まれる方が多いですね」と言う。いやー、人間って可愛いね。
この店長、別に缶詰おたくって訳ではない。講釈がない。そこがいい。さらっと自然体で立っている。本音はどんぶり屋をやりたかったらしい。だからランチタイムはここで丼物を出す。テイクアウトOK。３品あるが、それが何かは教えない。500円でかなりの本格派だ。旨いよ。

白角水割缶を焼き鳥缶一品をつまみに３缶も飲んでしまった。1400円。安いぜ。

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