彼とは絵里香時代からの付き合いだが、バーテンダーという仕事の厳しさ、面白味を私に伝えてくれ、また互いに悩みを打ち明けられる信頼できる友でもある。
かつて雑誌『Esquire』のバー特集の企画で、彼とスコットランドはアイラ島を旅したことがあるが、熱心さに驚かされた。麦、ピートを手にし、ポットスチルの熱を感じ、樽の香りを嗅ぐ。五官ですべてを感じ取ろうと貪欲なまでに蒸溜所内を歩きまわっていた。その姿に私は感動した。
岸氏は決して酒に優劣をつけない。またウイスキーに関していえば、香味がどうのこうのというより、そのウイスキーの生まれた場所の風土、つまり背景を語る。その姿勢がまたいい。
そんな岸氏の本は、読者にとてもわかりやすくバーの世界を伝えている。
スタア・バー・ギンザの住所、TEL.価格設定等は、『聖夜に味わいたいエッグノッグ』の記事をご覧いただきたい。
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