その他、クラウン・ローヤル(¥3,930)や、アルバータ・スプリングス10年(¥3,940)などが人気銘柄だ。
クラウン・ローヤルはカナディアンの中でも樽の熟成香が豊か。
アルバータ・スプリングスはライ麦からつくられたウイスキー特有のコクをまるみのある味わいに仕上げたもの。CCと同様、カクテルのマンハッタンのベースにもよく使われる。
さて、カナディアンウイスキーはライ麦を主体にしたフレーバリングウイスキーと、とうもろこしや麦芽などを原料にしたベースウイスキーをブレンドしてつくられる。
これらの原料は、氷河による清冽で豊富な水を得て、爽やかな香味を生む。
フレーバリングウイスキーは連続式蒸溜機で蒸溜した後、さらに単式蒸溜器、あるいは1塔式の連続式蒸溜機で蒸溜する。
ベースウイスキーは3塔式以上の連続式蒸溜機を使って純粋のアルコールに近いところまで蒸溜する。
そのためフレーバリングウイスキーはモルトウイスキーのように個性の強いラウドスピリッツになり、ベースウイスキーはアルコール分は高いが個性の弱いサイレントスピリッツとなる。
熟成はフレーバリングウイスキーは主に内側を焦がしたホワイトオークの新樽や古樽など、ベースウイスキーは主にバーボンの再生樽を使う。だが両者ともにブランデーやシェリーの古樽を使ったりもしている。
また熟成期間はさまざまで、スコッチやジャパニーズと比べると短い。だが巧みにブレンドしながら、軽快でマイルドに仕上げるのが特長だ。
前回の『ウイスキーのダシの歴史2』もご参照いただきたい。
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