京都グルメ/京都のフレンチ

ガイド厳選フレンチ~京都・奈良編~(4ページ目)

関西フレンチの保存版・総集編。まずは京都・奈良から3軒を。数あるフレンチの中でも、ガイドがいつも以上に厳選したオススメ店。スペシャリテの料理なども交えながらご紹介しています。

執筆者:渡部 功平

リゾート感覚の料理 「ラ・テラス」

さて、京都から3軒ご紹介しようと考えていたのですが、京都ではないにも関らず、僕はどうしてもこのレストランを外すことができませんでした。奈良の「ラ・テラス」。シェフの秋吉氏は現在37歳。僕が関西の若手フレンチシェフの中で、もっとも期待しているシェフです。

フォアグラテリーヌとマンゴー イチジクのタルト添え
フォアグラテリーヌとマンゴー イチジクのタルト添え
その料理の特徴は絶妙なバランス感覚とリゾート感にあふれるもの。リッツ・カールトン大阪の「ラ・ベ」や、ミシュラン二ツ星「ロアジス」などでの修業で、あでやかな南仏料理にふれてきたシェフは、南仏リゾートの海と太陽を感じさせながら、日本人の味覚に合わせた皿たちを送り出しています。

写真の「フォアグラテリーヌとマンゴー イチジクのタルト添え」も、オーソドックスな取り合わせながらも、甘さとコクのバランス、ソースの引き方、ちょっとした花の使い方などに、そのセンスをいかんなく発揮しています。

また、こちらのもう一つの楽しみがワイン。こちらに合わせてソムリエの藤田氏に選んでいただいたワインは、フォアグラの後で口に含むと、再びフォアグラの香りをふくらませてくれました。料理の味をより強くする、あるいは逆に余韻として次に繋げる。自在なワイン使いを堪能できるレストランです。

ウニを添えた海苔の香りの焼きリゾット 生姜とパセリのソースで
ウニを添えた海苔の香りの焼きリゾット 生姜とパセリのソースで
こちらの夏のスペシャリテが「ウニを添えた海苔の香りの焼きリゾット 生姜とパセリのソースで」。米のうまみもしっかりと持たせたまま焼きリゾットに。たっぷりのうにを。日本人にとってご飯と海苔ほどベストなコンビネーションもないでしょう。チーズを加えることでフランス料理らしさを出しながら、パセリと生姜のソースがしつこさを抑える。このバランス感覚こそがシェフの持ち味ですね。

料理に奥行きを与える遊び心


メインにはシャラン産鴨肉を。鴨がしっとりと焼かれ、肉を食べるというフランス料理の醍醐味をちゃんと味わえるのは、もはや言うまでもないでしょう。ここで注目したいのが付け合せ。緑の器の中に入っているのはベーコンクリーム、グリーンピースのピュレ、トマトのコンフィ。途中で味を変えて楽しめるのですが、この器となっているのがワッフルなのです。ちょっとした遊び心。秋吉シェフの料理には、いつもこういった「仕掛け」が見え隠れします。突飛なものではないけれど、変わった趣向を。その一手が、料理に奥深さを持たせ、僕がこの先もこの人の料理を食べ続けたい、と思う理由でもあります。

<店データ>
■「ラ・テラス
所在地:奈良市春日野町98-1(奈良公園内)
TEL:0742-27-0556
定休日:無休
営業時間:11:30~14:30(ラストオーダー)
18:00~21:00(ラストオーダー)
交通・アクセス:近鉄奈良駅より車で5分(土日は送迎用無料バスあり)
地図:Yahoo!地図情報
HP:ラ・テラス


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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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