京都グルメ/京都のフレンチ

ガイド厳選フレンチ~京都・奈良編~(2ページ目)

関西フレンチの保存版・総集編。まずは京都・奈良から3軒を。数あるフレンチの中でも、ガイドがいつも以上に厳選したオススメ店。スペシャリテの料理なども交えながらご紹介しています。

執筆者:渡部 功平

京都フレンチの雄 「ピトレスク」

まずは京都ホテルオークラの「ピトレスク」。絵画的である、人目を引くという意味を持つこちらは、京都フレンチ不動の雄として、高い人気を誇るグランメゾン。2006年に新シェフが就任しましたが、その安定した料理・サービスに定評があります。

上賀茂茄子の軽い煮込みと鱧、甲殻類の冷製 夏野菜の雲丹和え
上加茂茄子の軽い煮込みと鱧、甲殻類の冷製 夏野菜の雲丹和え
料理は緩急をつけ、素材の活かし方としっかりした味付けのバランスを感じさせてくれます。たとえば写真の「上賀茂茄子の軽い煮込みと鱧、甲殻類の冷製 夏野菜の雲丹和え」。こちらは前菜の一品。締まりのある賀茂茄子の肉質を活かすため、軽い煮込みに。夏を感じさせるふわりとした鱧。ジュレの透明感は風鈴の音でも聞こえてきそうな、清涼感のある一品。夏らしさ、京都らしさの双方を表現した料理です。

これぞフランス料理!を感じられるメイン


じっくりと火入れできる塩釜
じっくりと火入れできる塩釜
一方、メイン料理ではフランス料理らしさを。こちらのスペシャリテ、「シャラン鴨胸肉とフォアグラの粗塩包み焼きロースト 蜂蜜黒胡椒風味 トリュフソース」です。右写真のような塩釜で1時間以上かけて調理する古典料理。うまみをギュッと閉じ込め、じっくり火を入れ、また休ませることで、柔らかく、旨みの詰まった肉になっています。

使う素材は血の風味をたっぷりと持つシャラン鴨。大きなフォアグラにも負けることのない、素晴らしい素材です。ソースも香り・味わいともに濃厚なもの。フレンチ好きなら垂涎モノの素材ばかりを、見事にマッチさせています。

料理をおいしくするサービス

パッションフルーツのスフレ
パッションフルーツのスフレ
デザートにはワゴンサービスのケーキたちも好評ですが、前回の記事でご紹介したということもありますので、今回はアシェット(皿盛り)デセールを。「パッションフルーツのスフレ」です。

スフレ。このシンプルなデザート。ある意味、これほどレストラン泣かせの料理もないでしょう。ふわふわと膨らんだスフレは、ほんの数秒ほど置いておくだけでもしぼんでしまい、作り手の意図する味を失ってしまう。でき上がったら、すぐにお客様の元へ。そのためには、たとえ混雑時でもすぐにサーヴできる、安定したサービス体制も必要とされます。料理はシェフだけのものにあらず、という訳ですね。

その点、こちらはさすがホテル、というだけの素早いサーヴをしてくれます。すっきりとした酸味のきいたスフレは、見事な口溶け。しぼんでしまうから、ということ以上に、その素晴らしい味わいに、一気にスプーンが進みました。

そうそう、料理、サービスと来れば、雰囲気も忘れてはいけませんね。高い建物のない京都ではトップクラスの高層となる、17F。大きな窓から見える東山の風景と、美しい絵画と木目で彩られた、重厚感のある店内装飾。料理、サービス、雰囲気の三拍子が揃った、ハレの日にぴったりのレストランです。

<店データ>
■「ピトレスク
所在地:京都市中京区河原町御池 京都ホテルオークラ17F
TEL:075-254-2535
定休日:無休
営業時間:11:30~14:30(ラストオーダー)
       17:30~21:00(ラストオーダー)
交通・アクセス:地下鉄・京都市役所前駅直結
地図:Yahoo! 地図

お店のホームページ:ピトレスク

前回のご紹介記事はこちら

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