山奥で出会うハイセンスな料理
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天井の高いダイニングルームは、南仏の雰囲気たっぷり |
「ロテル・ド・比叡」内のフレンチレストラン「
ロワゾ・ブルー」で使われる食材はオーベルジュらしく、野菜は地元・京都や滋賀の契約農家から届く新鮮な有機野菜。塩はオリジナルで、塩匠の地本庄吾さんが北海道で精製した釜焚き塩を使い、自家製バターにも使用するなど、厳選食材ばかり。
これらの、こだわり食材を料理するシェフは、料理を分子レベルで構築する「分子料理法」で有名な、フランスの三ツ星レストラン「ピエール・ガニエール」をはじめ、「ジャマン」など、名だたる実力店で修業した中村健介氏。その料理は前衛的な中に、クラシックのエッセンスを隠れ持ち、オリジナリティあふれる皿ばかりです。
・食前に一口のスナッケ |
ちょっとした午餐の気分で |
まずは定番のグリュイエールチーズのグジェール(プチシュー)と、パルミジャーノせんべいです。ほどよい塩気が食欲を刺激し、これからの料理に期待を持たせてくれます。これをいただく頃はまだまだ明るく、昼間から食前酒をいただくようで、なんだか贅沢な気分。
・パルミジャーノ・レッジャーノの泡!?にバジルと松の実風味のノレソレ |
もちろん、インパクトだけではなく、しっかりめの味付けが美味 |
いきなり「ガニエール」で修業したシェフらしく、インパクトのある料理が出てきました。カクテルグラスの泡を少しすくうと、途端にバジルの香りが立ちのぼります。この泡も、バブル状だからこそできる、とてもしっかりめのパルミジャーノの味付け。ノレソレはアナゴの稚魚で、少しにゅるっとした食感がとてもユニーク。
・コラーゲンたっぷりの活スッポンと丹波地鶏のコンソメスープ |
おいしい食材は積極的に取り入れています |
地元・京都の地鶏を使ったコンソメスープ。スッポンというとやはり中華、という感じがしてしまうのですが、以前ご紹介した「マツシマ」でも、スッポンのスープがあり、意外とフレンチでも使われる食材です。でも、やっぱりどこか中華の雰囲気を持っています。上品な地鶏のコンソメでぎりぎりフレンチ、という味ですが、このコンソメだからこそおいしいスープに仕上がっています。
・季節のオードブル盛り合わせ 2007春 |
それぞれ、素材にひとひねりを加えて |
この日は4種類の盛り合わせ。左上から時計回りに、瀬戸内産イイダコのマリネと春の彩りレギュームのア・ラ・グレッグ コリアンダーの香り、アオリイカとセロリラブのタルタルとイカ墨のムースをミルフィーユ仕立てに ホタルイカの桜の軽い燻製を添えて、シャラン産鴨モモ肉と砂肝をコンフィにしてバルサミコのジュレで包んで、長崎産サワラのエスカベッシュに赤キャベツのコールスローサラダ、となっています。
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バルサミコはしっかりと酸味をきかせて。メリハリのつけ方が何ともダイナミック! |
こちらも味・盛り付けともに素晴らしいセンス! エスカベッシュはやはり南蛮漬けに思えてしまうのですが、その他はどれも「こんな組み合わせがあったのか」と、うなずかされるものばかり。特に鴨のコンフィとバルサミコのジュレのコンビネーションが面白い。ジュレをぺろんとめくると、うまみたっぷりの鴨が。コースのメインとしてはよくある組み合わせですが、酸味のきいたジュレと共にいただくと、まったく違った味わいで、サプライズ感ありありです。
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クリエイティブなメイン料理をご紹介。