蓋碗を茶杯として利用する方法
『四川茶舗』を開いてみる
次に茶を飲む茶杯として蓋碗を使ってみましょう。
蓋碗は、もともと茶杯として利用されていたもの。現在でも四川省の茶館では、「蓋碗茶」といわれるように蓋碗で緑茶を楽しむ習慣があります。
中国で発行された『四川茶舗』という写真集があります。茶館でくつろぐ四川省の人たちのお茶と人との様子をモノクロで捕らえたすばらしい写真が何枚も掲載されています。その写真集で人々がお茶を飲んでいるのが、この「蓋碗」なのです。
『四川茶舗』の蓋碗
蓋碗は、蓋、碗、皿の三つの部分から出来ており、三泡台(三つの砲台という意味が、同じ音であることから、「泡」の字が当てられるようになったといわれています。)とも呼ばれており、四川省よりもさらに北の甘粛省などでは、涼茶と呼ばれる「八方茶」を飲む器としても利用されています。
さて、実際に茶杯として使って見ましょう。
1.蓋碗を暖める
茶壷の変わりとして蓋碗を使うときも、蓋碗をまず暖めましょう。温かいお茶を飲むときの、基本の基本です。
2.茶葉を入れる
蓋碗でそのまま飲む茶としては、緑茶、台湾烏龍茶などが適しています。これらの茶葉を普通茶壷に入れるときより、やや少な目に蓋碗に入れます。ガラスコップで茶を入れるのと同様に、茶葉をいれたまま飲むことになるためです。
3.湯を注ぐ
それぞれの茶葉に適した湯をそそぎます。蓋碗自体を手に取って飲む茶ですから、湯の量は、蓋碗の7分目ぐらいがお適量です。
4.茶をサーブする
湯を注ぎ、お客様にそのままお出しすれば、それで御仕舞いです。
5.蓋碗で飲む
さて、お客様は、その蓋碗を手に持って飲むことになりますが、その蓋碗の持ち方には、いくつかの方法があります。
それは、女性向けの持ち方と男性向けの持ち方です。女性向けの持ち方は、左手で皿の部分を持ち上げ、右手で蓋のつまみを押さえて、茶葉を蓋でよけながら優雅にいただきます。
蓋碗で茶を飲むときの持ち方
一方男性向けは、皿から碗部分だけを右手で持ち上げ、親指を蓋に人差し指以降を碗の底にあてがい、蓋をずらして飲むのが一般的です。
美味しいお茶を、蓋碗を使って飲んでみるのも良いものです。
<参考>
『四川茶舗』四川人民出版社 1992年6月出版
<関連リンク>
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