茶の香と害虫の関係



茶の害虫、ウンカはこんなに小さな虫なのです
(画像提供:ラ・メランジェ)


夏に近くなると、茶にとっては害を及ぼすウンカ(小さい緑色の蜻蛉のような虫で、日本での正式名称は「チャノビドリヒメヨコバイ」です。インドでは「グリーンフライ」と呼ばれ、中国台湾では、「小緑葉蝉」と呼ばれます。)という害虫が、芽や茶葉に取り付き、樹液を吸うのです。

ウンカの被害を受けた茶葉は、一般的には色の悪い苦味の強いお茶になってしまうため、日本でも古くからウンカが付かないように農薬を散布したり、ウンカが付く前に茶葉を摘むことで、ウンカの被害から茶葉を守ってきました。

台湾でも、昔はウンカは害虫であったため、日本向けの緑茶を作っていた時代には出来る限りその被害を受けないような工夫が施されてきたのですが、平地に近い場所では、大量にウンカが発生することがあり、その被害を受けた茶葉をどうにか製品化する努力が行われました。

その結果として生まれたのが、台湾の中でも非常に珍重される「東方美人」でした(東方美人に関してはこちらこちらもご参照ください。)。東方美人は、5月の上中旬頃、ウンカが発生して茶の若芽を吸食され為害された茶葉を摘採します。ウンカに為害された芽や若葉は緑色から黄緑色、淡黄色へと変化し、成長を止めると言われています。



ウンカが付くと、茶葉の色が変化します
(画像提供:ラ・メランジェ)


当時、そんな害虫に為害された茶葉をこんなにおいしい茶葉に仕上げることなどできるはずがないということで、東方美人自身が「ほらふき茶」(台湾で「膨風茶」)と呼ばれたことすらあったほどでした。

さて、では、どうしてこの東方美人は害虫に樹液を吸われ日本では商品化できないような茶葉を使って、これほどまでに良い香りのお茶が作れるようになったのでしょうか。実は、これはもともとお茶がもつ生体機能によるものでした。