中国茶/中国茶関連情報

安吉白片と安吉白茶(2ページ目)

たった一文字違いのこのお茶、同じお茶?それともまったく別のお茶?そんな疑問を追ってみました。

執筆者:平田 公一

安吉白片

安吉白片
さて、このように歴史の古い茶産地であった安吉のお茶としては、まず、「安吉白片」をあげることが出来ます。

実は中国茶の本を紐解くと、「安吉白片」という名前ばかり出てきます。つまり、安吉のお茶といえば、白片という認識が以前は非常に強かったわけですが、現在日本では安吉白片を見かけることはあまりありません。

私たちが目にするのは、ほとんどが「安吉白茶」なのです。では、このお茶は、同じお茶なのでしょうか。

安吉白片を辿ってみると、その素性は以下のとおりです。

1980年代初め頃に、「安吉白片」は作られるようになったといわれます。安吉県山河、章村、渓竜などの地で生産されるこのお茶は、浙江省で品種改良が行われた早生品種である、龍井43号という品種や迎霜という品種の茶によって作られています。

玉蕊茶という別名もあり、芽の部分を多く摘むお茶で、実に約1kgの茶葉に6万もの芽が含まれています。

製茶法は、炒青と[火共]青の両方を行う珍しい製法であり、 茶葉の外形は平たくまっすぐ伸びており、白い産毛が綺麗に生えたお茶であり、茶殻は浅い緑色で肉厚です。香りも長時間持続するとして非常に評判の良いお茶でした。

味わいが純粋であるとして、1988年には浙江省の省級名茶に、そして1989年の全国名茶品評会で「全国名茶」の金賞を受賞しています。

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