ビビッドトーンとは? 特徴と活用術
ビビッドトーンの特徴とは?
記事「色の基本 色の三属性と色が与えるイメージ」では、色相(色み)、明度(明るさの度合い)、彩度(鮮やかさの度合い)といった色の三属性をご紹介しましたが、日常生活では、「明るい、暗い」、「濃い、薄い」、「鮮やかな、鈍い」というように、色のおおまかな印象を、形容詞で表現するのが一般的です。
横軸は彩度(鮮やかさの度合い)、縦軸は明度(明るさの度合い)を表わしています。右にいくほど鮮やかに、上にいくほど明るくなります。
例えば、「明るい」という言葉には、明度の高さだけでなく、鮮やかさも含まれているのに対して、「薄い」という言葉には、明度の高さと彩度の低さ(色みの少なさ)が表現されています。このような色の表わし方をトーン(色調)と呼びます。トーンは、明度と彩度が複合された、色の印象を表わす方法です。
トーンは、配色調和を考えたり、パーソナルカラーを活用する手がかりにもなるので、非常に便利です。今回は、ビビッドトーンの特徴と活用術をご紹介します!
ビビッドトーンの特徴とは
ビビッドトーンとは、純色のこと。もっとも鮮やかな色のグループです。
ビビッドトーンとは、純色のことで、もっとも冴えた鮮やかな色のことをいいます。ビビッドトーンは鮮やかでいきいきとしたイメージが特徴です。ぱっと目をひく派手な色なので、アクセントカラーとして使われることが多いようです。カジュアルでアクティブなイメージもあるので、スポーツウェアなどにもよく使われます。
ビビッドトーンが似合うのは?
パーソナルカラーの4つの基本タイプの中で、ビビッドトーンが似合うのは、ウィンタータイプ。
ビビッドトーンは華やかで艶やかなイメージを持つ色。とても似合う方もいらっしゃいますが、苦手な方もいらっしゃいます。
パーソナルカラーの4つの基本タイプの中で、ビビッドトーンが最も苦手なのは、サマータイプです。明るくニュアンスのある色が得意なサマータイプの方がビビッドトーンを身につけると、お顔よりも色の方が目立ってしまい、せっかくの上品なイメージがそこなわれてしまいがちです。
・パーソナルカラー診断 サマー(夏)タイプ 女性編
・パーソナルカラー診断 サマー(夏)タイプ 男性編
オータムタイプの方は深みのある色やくすんだ中間色が得意です。ビビッドトーンを身につけると、顔色が冴えない印象になりがちです。鮮やかな色をお召しになるときは、深みのある濃い色を選びましょう。
・パーソナルカラー診断 オータム(秋)タイプ 女性編
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ご自分のタイプがわからない方は、パーソナルカラー診断のページをご覧ください。
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パーソナルカラーの4つの基本タイプの中でビビッドトーンが最も得意なのは、スプリングタイプとウィンタータイプです。今回はこの2つのタイプの方におすすめのカラーコーディネートをご紹介します。
ビビッドトーンの配色例。左側はスプリングタイプに、右側はウィンタータイプに似合う配色です
■ベーシックカラーのゴールデンタンに、イエローグリーンとバイオレットを組み合わせてクリエイティブに
スプリングタイプは若々しくてキュートな色がよくお似合いになります。ベーシックカラーにちょっとクセの個性的な色を組み合わせると、クリエイティブなイメージになります。暖かみの感じられる明るく鮮やかなイエローベースの色を選びましょう。
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・パーソナルカラー診断 スプリング(春)タイプ 男性編
■ブルーシエル、チャイニーズブルー、ピュアホワイト、ひんやりと冷たい色を組み合わせて、夏らしくさわやかなイメージに
白を基調に鮮やかなブルーを組み合わせたウィンタータイプならではカラーコーディネート。冷たく冴えた色を身につけると、お顔の輪郭がシャープに、お肌のツヤが増して見えます。
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ビビッドトーンにはどんな色がある? 日仏中の伝統色
ビビッドトーンは、華やかでいきいきとした色。鮮やかな色は高貴な色として珍重されてきました。
今回は、日本、フランス、中国の伝統色の中から、ビビッドトーンの色を3つずつ選んでご紹介します。歴史や文化の中で育まれてきた色は、とても表情豊か。色名や色の由来から、イマジネーションを広げていきましょう。
日本、フランス、中国の伝統色。伝統色=古色を帯びた色というイメージがあるかもしれませんが、鮮やかな色は豊かさの象徴でした
■日本の伝統
柑子色(こうじいろ)
柑子は橘(たちばな)と同じで、その実からきた色名である。明治初期に刊行された文部省刊の色図にこの名がある。蜜柑色(みかんいろ)と同じような色で、オレンジピールよりもやや黄みのオレンジ色である。
若苗色(わかなえいろ)
稲の若苗のような色、春の七草のイメージから若菜色の名もある。英名のシャルトルーズグリーン(chartreuse green)がこれに当るが、これはフランスやスペインの修道士がつくったリキュール酒の色からきている。
刈安(かりやす)
苅安はすすきに似た草で、これを乾燥したものを染料とする。きれいなやや緑みをおびた黄色に染まり、草木染でこれほど堅牢度の高い色もめずらしい。
■フランスの伝統色
BLEU MEDITIRRANEE (ブルー・メディテラネ) 地中海のブルー
地中海の海水の色。地中海はヨーロッパと、アジアとアフリカを区分する中央にある重要な位置だけに色にも重要性が与えられている。
GROSEILLE (グロゼイユ) すぐりの実の色
夏に長い総状の花を咲かせ、半透明の赤、或いは白の甘酸っぱい小さな果実を結ぶ、この色をいう。
MENTHE (マント) はっかの色
湿地に生える香りの良い植物で花はピンクか白、葉は美しい緑。煎薬やリキュールまたはドロップ等のための香料として用いる。その他、腸ガス排出剤及び食後酒、刺激剤等になる。
■中国の伝統色
牡丹紅(ムータンホン) ぼたんの紅
牡丹の花のくれない色。女性用として、純毛ウール地によく使われる色。
艶黄 (イェンホワン) 鮮やかな山吹色
瑠璃金剛いんこの腹部の羽の色。明朗で爽快なイメージがあり、スポーツ服に多い。
鮮藍 (シェンラン) ラピスラズリ
瑠璃色。伝統のある色。1930年代に婦人に好まれた。
※色はあくまで目安です。ブラウザやディスプレイによって、見え方が異なります。
※参考資料:DICカラーガイド
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