ボルドーってどんな色?

ボルドーとはどんな色?バーガンディとの違い・合う色

ボルドーとは、フランスのボルドー産の赤ワインにちなんだ色名


ボルドーとは、フランスのボルドー産の赤ワインにちなんだ色名です。日本酒や焼酎は、無色透明のイメージが強いせいか、日本語の色名にお酒に由来するものはほとんど見られません。しかし、世界中のお酒を見渡すと、ワインやウィスキー、コニャックなど、淡い黄色から、褐色や赤紫色を帯びているものが多くあります。そのため、お酒の名前や産地が色名として用いられるようになりました。

たとえば、米国パントン社が選んだ2015年の色「マルサラ」は、イタリアのシチリア産のマルサラワインの色。「アブサン」「シャルトルーズ」などは、フランス産の黄緑色のリキュールの名前で、色名としても用いられています。

お酒は大人たちを酔わせ、夜の社交を彩ります。赤ワインの深みのある赤に魅せられるのは、ワインにまつわる歴史や文化を想起させるからなのかもしれません。

ボルドーは、衣料品や化粧品の秋の新作によく見られますが、具体的にどんな色をさすのでしょうか? ワインレッド、バーガンディなどの似た色との違いをふまえつつ、見ていきましょう!

<目次>  

ボルドー・バーガンディ・ワインレッド・えんじの違いを色見本で解説

色見本に掲載されているボルドー、バーガンディ、ワインレッド、えんじ色の例

色見本に掲載されているボルドー、バーガンディ、ワインレッド、えんじ色の例

上図は、DICカラーガイドやパントンカラーなどの色見本帳や参考書籍から、ボルドー、バーガンディ、ワインレッド、えんじ色に関連する記述をまとめたものです。詳細は下記のとおり、左端の4色から順に説明します。

■JIS慣用色名 ワインレッド こい紫みの赤

ワインレッドは赤ワインの色のこと。これは赤ワインの一般的な色を表現しているが、ワインは産地などによって味も香りも色も異なる。

■JIS慣用色名 ボルドー ごく暗い赤

ワインの女王といわれるフランス南西部ボルドー一帯で作られる赤ワインの色はボルドーという。ボルドーワインの英語表現であるクラレット(claret)も色名として使われる。

■JIS慣用色名 バーガンディー ごく暗い紫みの赤

いっぽう、ワインの王様といわれるフランス東部ブルゴーニュ地方で作られる赤ワインの色はバーガンディといういう。バーガンディーはブルゴーニュの英語表現だ。ただし、実際のブルゴーニュワインの色の傾向は比較的鮮やかな赤。色名が表現する色とは異なっている。ボルドーワインの色の傾向は、暗い赤紫なので色名が表現している色に近いといえる。

■JIS慣用色名 臙脂(えんじ)つよい赤

臙脂は古代中国の燕(えん)の国から渡来した赤であるという意味で、燕脂や燕支とも表記される。諸説あるが、ラック貝殻虫やコチニール貝殻虫から得られる紅色の染料、生臙脂の色だといわれる。

【参考】『日本の色世界の色 写真でひもとく487色の名前』(永田泰弘著/2010年/ナツメ社)

1957年に制定された、JIS規格「物体色の色名」の269色の中に、ワインレッド、ボルドー、バーガンディー、臙脂(えんじ)があります。色見本帳の解説にあるように、実際のワインの色を忠実に再現した色ではなく、どちらかといえば、赤ワインのイメージをもとに色見本が作られたようです。

当時の日本では、赤ワインを嗜む習慣は一般的ではなかったと思われます。身近な色というより、フランスの豊かな食文化への憧れをかきたてる色だったのかもしれません。

一方、臙脂は古くからある色名で、現代の私たちにも馴染みがあります。歴史が長いせいか、臙脂という色名が示す色は、時代とともに変わっていったようです。

次に、左から2列目の4色を説明します。

■DIC-N39(日本の伝統色)ぶどう酒色(ワイン)くすんだ紫みの赤

ぶどう酒の見るこい赤紫をいう。赤ぶどう酒の色には、バーガンジー(burgundy)、ボルドー(bourdeax)といった、ぶどうの産地の名をとった色名がある。一般に慣用されているのはワインカラーである。

■DIC-F66(フランスの伝統色)BOUDEAX CLAIR こい紫みの赤

ボルドー・クレール。明るいボルドーの色:ボルドーは、ジロンド県にある葡萄酒醸造地の街。赤と白のボルドー酒が産出されるが、この色は赤のボルドーよりも明るい赤。

■DIC-F67(フランスの伝統色)BORDEAX FONCE 暗い赤

ボルドー・フォンセ。濃いボルドーの色:ボルドー・クレールよりももっと濃い赤のボルドー酒の色。付け加えて置くが、フランスは流行色に種々の酒の色を用いるが、葡萄酒の国らしい風習である。

■DIC-N727(日本の伝統色)臙脂色(えんじいろ)こい赤

コチニールという虫から採った動物性色料から、クリムソン(crimson)とカーミン(carmine)の色名が生まれた。臙脂色もこれからできた色名である。現在は色料のいかんを問わず濃い赤系の色をいうようになった。

【参考】DIC デジタルカラーガイド

DIC日本の伝統色の初版は1968年に、フランスの伝統色は1984年に刊行されました。ぶどう酒色(ワイン)の解説に、バーガンジー、ボルドーに関する記述があり、フランス語のボルドーに関する色名が2つあります。また、フランス語のブルゴーニュ(英語のバーガンジー)は色見本にはありません。

臙脂色は解説にあるように、色料とは切り離されて、色名として定着しています。

左から3列目の2色は、『フランスの伝統色』(城一夫著/2012年/パイインターナショナル)の掲載された、ボルドーとブルゴーニュです。色調は暗いけれど、すっきりした印象を受けます。

右端の2色は、パントンの色見本に掲載された、ボルドーとバーガンディです。ボルドーは色が薄く、バーガンディは濁った印象を受けます。パントンの色見本には、Rose Wine、Plum Wineなど、Wineがつく色名が12色あります。フランス語のボルドーは、英語でクラレットといいます。パントンの色見本には、Claretがつく色名が2色あります(Claret Red、Deep Claret)。
ボルドー、バーガンディ、ワインレッド、えんじ色を色相環とトーン図で示すと?

ボルドー、バーガンディ、ワインレッド、えんじ色を色相環とトーン図で示すと?

上図は、JIS慣用色名、DICの色見本にある、ワインレッド、ボルドー、バーガンディー、臙脂色などを色相環とトーン図で示したものです。

臙脂色は、濃い赤、強い赤という違いはありますが、色相は赤で、明度は中明度から低明度、彩度は高彩度です。臙脂色は、早稲田大学や上智大学のスクールカラーであり、中学校や高校のスクールジャージの色としても馴染みがあります。臙脂色は、黒やグレーが混じった赤と覚えておくとよいでしょう。

ワインレッド、ボルドー、バーガンディー、ぶどう酒色(ワイン)は、色相は赤から紫みの赤ですが、明度は低明度から中明度、彩度は低彩度から中彩度というように広がりがあります。ワインレッド、ボルドー、バーガンディーは暗清色ですが、ぶどう酒色は濁色です(清色と濁色の違いは後述します)。

ワインに詳しい人は、ボルドーとブルゴーニュの色の違いに敏感ですが、ワインにあまり興味がない人には、臙脂色によく似た色と感じるかもしれません。
 

ボルドーをコーディネートに取り入れるコツ

ボルドーという色名が指す色はひとつではありませんし、素材やデザインなどによって、ボルドーのイメージも違ってきます。それぞれの特徴に合わせたカラーコーデのコツをお教えします。

■発色のよいボルドーは、「清色」と相性がよい
清色とは澄んだ色のこと。原色に黒を混ぜた色を暗清色、原色に白を混ぜた色を明清色と呼びます。原色に灰色を混ぜると濁るため、濁色と呼びます。

ボルドーには暗清色と濁色があります。暗清色のボルドーは暗いけれど、発色がよいので、すっきりとしています。濁色のボルドーと比べると、強く、厳格なイメージがあります。暗清色のボルドーは、清色と合わせると、お互いの色を引き立て合います。白や黒、クリアに発色するネイビーやブラウンなど、すっきりとして色調を選びましょう。

■憂いを帯びたボルドーは、「濁色」と相性がよい濁りのあるボルドーは、複雑で奥ゆかしい雰囲気があります。控えめに発色するので、優しく、マイルドなイメージがあります。白や黒など、濁りのない色と合わせると、ボルドーの濁りが強調され、馴染みにくい場合があります。カーキのような濁色と合わせると、憂いを帯びた色調が響き合い、ナチュラルな雰囲気を醸し出します。

■ドレッシーで高級感のある大人色
ボルドーは、ドレッシーで艶っぽいイメージを与える、贅沢で高級感のある色です。光沢や透け感のあるボルドーのワンピースは、結婚式や二次会、謝恩会、パーティなどのフォーマルなシーンで、目立ちすぎず、適度な華やかさを演出します。

■古き良き伝統を伝えるスクールガール風の配色
ボルドーは大人っぽいイメージがある一方で、古き良き伝統を思わせるクラシックな雰囲気もあります。紺色や深緑などと組み合わせると、スクールガール風のコーデになります。アクセントカラーにイエローを取り入れると、若々しい雰囲気を引き寄せてくれるでしょう。

■定番のトラッドアイテムとも好相性
冬のコートは、ブラック、ネイビー、グレー、キャメルなどが定番色。伝統的なボルドーのイメージは、ダッフルコートのようなトラッドなアイテムとも好相性です。ダークカラーに偏りがちな冬のコーデに、明るさと華やぎをもたらしてくれるでしょう。

■コーデに抜け感を与えるニュアンスカラー
ボルドーは、秋冬のパンプスやスニーカーのカラーバリエーションにもよく見られます。鮮やかなボルドーのシューズは、コーデのアクセントになりますが、控えめに発色するダークなボルドーは、コーデに抜け感を与えます。

■持っていると重宝する、ボルドーのネクタイ
ボルドーのネクタイは、男性にも取り入れやすく、重宝するはず

ボルドーのネクタイは、男性にも取り入れやすく、重宝するはず

ボルドーのような落ち着いた赤は、男性にも取り入れやすい色です。たとえば、ボルドーのネクタイは、ダークネイビーやチャコールグレーのスーツと相性がよいので、持っていると重宝するでしょう。
 

ボルドーと合う色・合わない色は?上手にカラーコーディネートしよう

ひとくちにボルドーといっても、明度や彩度に広がりがあり、暗清色と濁色があります。ボルドーをセンスよく着こなすために、効果的な配色技法をお教えします。

■セパレーションカラー
セパレーションとは、「分離させる」「引き離す」といった意味で、接し合う色と色との間に、セパレーションカラー(分離色)を1色挿入することによって調和をはかる技法です。セパレーションカラーは、主に無彩色が用いられます。

セパレーションカラーは、次の2つのケースで効果を発揮します。
  • あいまいな印象を与える、ごく似かよった色同士の配色
  • 高彩度同士で視覚的に刺激が強すぎる配色、色相やトーン差が大きいコントラスト配色
あいまいな配色にライトグレーを「セパレーションカラー」として取り入れた例

あいまいな配色にライトグレーを「セパレーションカラー」として取り入れた例

上図は、ボルドーとキャメルは同一トーンで色相差が小さいため、あいまいな印象を与えます。この2色をライトグレーで分離し、調和をはかった配色例です。
視覚的に刺激が強すぎる配色に黒を「セパレーションカラー」として取り入れた例

視覚的に刺激が強すぎる配色に黒を「セパレーションカラー」として取り入れた例

上図は、高彩度で色相差が大きいボルドーとマスタードイエローの配色を、黒で分離し、視覚的な刺激の強さを和らげた配色例です。

■アクセントカラー(配色に焦点を与える)
アクセントとは、「強調する」「引き立たせる」「目立たせる」といった意味で、単調な配色に色相やトーンが対照的な色を少量加えることで、配色に焦点を与える技法です。平凡な配色に個性を与える方法でもあります。アクセントカラーは、主に高彩度の色が用いられます。
暗く単調な配色に「アクセントカラー」の明るいイエローを取り入れた例

暗く単調な配色に「アクセントカラー」の明るいイエローを取り入れた例

上図は、ダークボルドーと茄子紺の暗く単調な配色に、色相差・明度差の大きいイエローをアクセントカラーにした配色例です。強調点を加えることによって、個性的な配色となっています。
柑橘系のフルーツカラーを組み合わせた配色に「アクセントカラー」として鮮やかなボルドーを取り入れた例

柑橘系のフルーツカラーを組み合わせた配色に「アクセントカラー」として鮮やかなボルドーを取り入れた例

ボルドーの中でも高彩度な色は、アクセントカラーとしても効果を発揮します。上図は、色相差・明度差の小さいレモンイエローとライムグリーンの組み合わせに、色相差・明度差の大きいボルドーをアクセントカラーに用いた配色例です。

■グラデーション
グラデーションとは「徐々に変化する」「段階的な変化」という意味の配色方法です。3色以上の配色に階調を与えることによって、視覚的な誘目感や誘引感を与えます。

グラデーションは、次の4つに分類することができます。
  • 色相のグラデーション
  • 明度のグラデーション
  • 彩度のグラデーション
  • トーンのグラデーション
明度のグラデーション配色の例

明度のグラデーション配色の例


上図は、暗いボルドーから明るいピンクへと明るさの段階をつけた、同一色相の明度のグラデーションをつけた配色例です。紫みの赤の色相は、フェミニンでエレガントなイメージを与えます。
彩度のグラデーション配色の例

彩度のグラデーション配色の例


上図は、無彩色(黒)から徐々に鮮やかさの段階をつけた、同一色相の彩度のグラデーション配色の例です。赤の色相は、生命力に満ちたエネルギッシュなイメージを与えます。

ボルドーに合う色もあれば、合わない色もあります。合わないと感じたときは、「セパレーションカラー」や「アクセントカラー」を取り入れてみましょう。新しい調和が生まれ、ボルドーをおしゃれに着こなすことができるでしょう。

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