シャワーバス水栓は、設置方法や操作方法でいくつかの種類がある
浴室に設置される水栓金具には、浴槽に使う水栓、洗い場に設置する水栓、浴槽と洗い場兼用の水栓、シャワーなど、いくつかの種類があります。その中で、洗い場に設置する水栓は、水栓のみのタイプもありますが、シャワー機能を付加させるケースが多く、シャワーバス水栓とも呼ばれています。ツーハンドルのクラシカルなデザインは、空間に落ち着きと豊かさを演出してくれる。[テレフォン型シャワーバス水栓 XSITE] LIXIL
一般的なシャワーバス水栓は、設置方法やしくみ、操作方法などによって、いくつかのタイプに分けることができます。
■設置方法 壁付きタイプとデッキタイプ
設置方法では、洗い場の壁面に取り付ける壁付きタイプ、カウンターや浴槽縁部分などに設置するデッキタイプ(台付きタイプ) のふたつがあります。
■しくみ・操作方法 ツーハンドル、シングルレバー混合栓、サーモスタット混合栓
ツーハンドルは給湯と給水のハンドルが別になっているもので、ふたつのハンドルで、温度と流量を調節する湯水混合栓(好みの温度となった湯水がひとつの蛇口から出てくるもの)です。
シングルレバー混合水栓は、ひとつのレバーハンドルの上下操作で吐水・止水ができ、左右の操作で湯水の混合が可能。片手でも操作できるのが特徴でしょう。
サーモスタット混合栓は、自動的に湯水を調整して設定したお湯の温度を保ち続けることができる自動温度調節機能の付いた水栓のこと。水圧や給湯温度が変化しても急激に温度が変わることがないのが特徴です。通常、左側のハンドルなどで温度を設定、右側で吐水や止水、シャワーなどの切替操作をします。
無駄を削ぎ落とした、すっきりとしたデザインはどんな空間にも馴染む。[KW0192503他 サーモスタット式シャワーバス用湯水混合栓] セラトレーディング
安全性に配慮されたユニバーサルデザイン。サーモスタットは一般的に
浴室に用いる水栓金具すべてに言えることですが、誰にでも使いやすく安全性に配慮されたものも多くみられます。急にお湯が熱くなったり冷たくなったりすることのなく、安心して使用できるサーモスタット機能も一般的になってきました。
また、使いやすい大きなハンドルやスイッチなどで吐水・止水することができるタイプも各メーカーから提案されています。操作しやすい工夫を施すことで、節水や省エネの効果も期待できると同時に、握力のないお年寄りや子供でも操作がしやすいユニバーサルデザインと言えるでしょう。
プッシュ操作で吐水止水も簡単にできるので、節水、省エネが可能。ジョグダイヤルで細かい流量の調節ができる。[一般水栓(プッシュ式) サーモスタット付シャワーバス水栓 エコフルスイッチ多機能シャワー] LIXIL
システムバスではオリジナルの形状のタイプもみられる
新築やリフォームで多くの方が取り入れるシステムバスの場合は、商品ごとに、いくつかの水栓が設定されているので、空間プランと同時にその中から選ぶことになります。最近では、通常の水栓金具だけでなく、デザインコンセプトに合わせてカウンターや棚、手すりやバーなどと水栓機能が一体化していたり、組み込まれるなど、メーカー独自の形状の水栓を設定しているケースも。ダイヤルやスイッチなどで吐水・止水できるものなどもみられます。
また、バス水栓と兼用のタイプが設定されているケースもあるので、入浴スタイルにあわせて、システムバス全体で検討することが大切でしょう。
ワンアクションで吐水止水の操作が可能、濡れた手でも使いやすい水栓。[ライトタッチ水栓・ブラックカバー(メタルハンドル) オフローラ] パナソニック エコソリューションズ
組み合わせるシャワーは、節水性と快適性がアップ
シャワーバス水栓は、組み合わせが可能な数種類のシャワーが設定されており、予算や好みに合わせて選ぶことになるでしょう。多くみられるハンドシャワータイプは、シャワーヘッドのデザイン性はもとより、水流の心地よさ、節水性も高まってきています。手元でオンオフできる節水ボタンが付いているタイプなどは使い勝手もいいでしょう。
最近では、頭上から降り注ぐ水流を楽しむことができるスタイルのシャワーなどもみられますし、水流のバリエーションを持つ多機能シャワーも人気。小さい水滴のミストシャワーや適度な勢いのあるスプレー、マッサージ効果のあるものなど、メーカーや商品によってさまざまです。
3つのシャワーモードを持つヘッドやシリンダー形のデザインのヘッド、などが選べる。[壁付サーモスタット混合水栓 TBV01S01J] TOTO
すっきりとしたデザインが主流。個性的な輸入品なども
最近の水栓金具のデザインは、すっきりとしたシンプルなものが多くみられ、国内のものだけでなく海外の商品バリエーションも豊富になってきています。海外メーカーのものには独特の形状のタイプも多く、モダンでシャープな商品、エレガントな雰囲気のものなど、アクセントとなるような個性的なデザインも。空間のイメージに合わせて選ぶことができるでしょう。ショールームで使い勝手や水流の確認を
シャワーバス水栓を選ぶ際には、ショールームで実際に操作するなどして検討すること。実際の入浴スタイルをイメージしながら、使い勝手、機能やデザインのチェックをするようにしましょう。ハンドシャワーであれば、大きさや重さなど、家族みんなが使いやすいか、なども確認しておきたいポイント。浴槽に設置するバス水栓も取り入れる場合は、コーディネートにも配慮しておきたいものです。また、忘れがちなのが、日々の浴室や浴槽の掃除の際にもシャワーを利用するということ。浴室や浴槽の汚れを落とす際に、扱いやすいか、設置位置なども含め確認しておくこともポイントのひとつでしょう。最近では、実際に水を流すことができるコーナーを設けたショールームも増えているので、積極的に利用することをおすすめします。
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