浴室/システムバス・浴槽の基礎知識

ハーフユニットバスの特徴とプランニングのポイント

浴室のつくり方には、システムバスや在来工法のほかに、ハーフユニットバスを取り入れる方法があります。新築やリフォームの際には、それぞれの特徴を理解して、プランニングを進めることが大切です。ここでは、ハーフユニットバスの特徴や基礎知識をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

ハーフユニットバスとは、床から浴槽までが一体となったタイプ

人の身体のラインに合わせ、水たまりのような曲線的な浴槽。センターポール(中央手すり)やオーバーヘッドシャワーなど、快適さとデザイン性が魅力。 [ハーフバス08undefinedType8] undefinedTOTOundefinedhttps://jp.toto.com/

人の身体のラインに合わせ、水たまりのような曲線的な浴槽。センターポール(中央手すり)やオーバーヘッドシャワーなど、快適さとデザイン性が魅力。 [ハーフバス08 Type8]  TOTO

住宅の浴室のつくり方(工法・構造)には、システムバス(ユニットバス)、現場施工型とも呼ばれる在来工法、ハーフユニットバスの3つの種類がありますが、ハーフユニットバスは、システムバスと在来工法の両方の特徴を持ち合わせたものと言えるでしょう。

システムバスは、工場で作られる部材やパネルを現場に運び込んで組み立てるもの。工期が短いこと、工事費も抑えられること、商品バリエーションが豊富なことが特徴で、新築やリフォームで多く用いられています。

在来工法は、浴槽はもちろん、水栓金具やシャワー、床や壁材などを、ひとつひとつ選び、現場で施工するもの。好みのバスルームを実現できるのがメリットですが、一般的にシステムバスに比べ、工期が長くなる場合が多く、工事手間もかかります。

ハーフユニットバスは、一般的に、床(洗い場)から浴槽の立ち上がり、壁の下部部分までが一体となっているもの。大雑把に言えば、システムバスの下半分がユニット化されたものと考えてもいいでしょう。壁の上部や天井の仕上げなどが自由になるため、在来工法のように好みの素材を取り入れた空間を実現することが可能です。

素材はFRPが一般的。いくつかのサイズが揃う

床から浴槽の立ち上がり部分までが一体となっているハーフユニットバスは、浴槽や洗い場はシステムバスと同程度の防水性能を持つということが大きな特徴。そのため、2世帯住宅や北側斜線など制限のある地域で、2階にバスルームを設ける場合、リフォームなどで天井高が取れない場合などに用いるケースもみられます。

素材はFRP(繊維強化プラスチック)が一般的で、0.75坪程度から、1坪、1.25坪程度など、いくつかのサイズが揃っています。すっきりとしたデザインで、ホワイト系でまとめられたタイプが多く、メーカーにもよりますが、システムバスと同様に、適する出入口扉や水栓金具、照明や手すりなどをオプションなどで用意されています。

施工性に優れた洗い場を一体成型した浴槽。防水工事が不要なので、2階のバスルームプランにも適する。[洗い場付き浴槽]undefinedTOTO

施工性に優れた洗い場を一体成型した浴槽。防水工事が不要なので、2階のバスルームプランにも適する。[洗い場付き浴槽] TOTO


壁の上部や天井の仕上げによっては、オリジナルの空間が実現

床材や浴槽には制限がありますが、システムバスに比べると空間デザインのバリエーションの幅が広がるのがメリット。壁の上部や天井の仕上げなどには、タイルはもちろん、ヒノキやヒバなどの木材などを用いることも可能です。窓などの開口部も自由になるので、天井までの大きな窓やコーナー窓など、庭や周辺環境に合わせたプランニングができるのも魅力でしょう。

在来工法と同様、ハウスメーカーや工務店の住宅よりも、アトリエ系の建築家・設計事務所でプランニングされるケースが多いようです。

商品バリエーションが限られるが、個性的なデザインも

ハーフユニットバスの難点は、選択肢が限られていること。システムバスに比べて商品バリエーションが少ないのが現状です。しかし、最近では、モダンな空間づくりや最新の浴槽、シャワーなどを組み入れた商品を提案するメーカーもみられるようになり、出入口などある程度のオーダーに対応できる商品を揃えたタイプもみられます。 

浴槽から壁面まで直線的なデザイン、機能的に使えるシンプルな浴槽が特徴。壁面に木を用いてナチュラルな空間に。[ハーフバス08undefinedType0]undefined TOTOundefined

浴槽から壁面まで直線的なデザイン、機能的に使えるシンプルな浴槽が特徴。壁面に木を用いてナチュラルな空間に。[ハーフバス08 Type0]  TOTO 


工事費はプランによって大きく変わる

工事費は、プランや現場にもよりますが、一般的に、在来工法のバスルームに比較すると、抑えることができるでしょう。しかし、天井や壁のつくり、用いる素材などによっては、かえって高額になるケースもあるので注意を。ハーフユニットバスのメリットデメリットを理解して、取り入れることが大切です。

ショールームや施工例などを参考にしてイメージを

どのようなバスルームを採用するにしろ、ショールームで実際の商品をチェックすることが基本です。ハーフユニットバスの展示は多くはないかもしれませんが、施工例など、機会があれば見学しておくようにしましょう。広さやデザイン、設定されている水栓やシャワ―なども確認しておくことが大切です。

バスルームをプランニングする際には、ライフスタイル、費用、工期など優先順位を明確にして、検討すること。水まわりや住まい全体のプラン、工事内容をトータルで検討することが大切なのは言うまでもありません。


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