明暗をわける!「返済期間」で金利タイプを選ぶべし!
金利タイプの選び方アドバイス |
ここで前2ページで紹介した4名(Bさん、Cさん、Eさん、Fさん)のケースを見てみましょう。
【例1】Bさん(45歳)の場合:一戸建て購入
●「借入期間」:30年
●「返済期間」:15年(定年までに完済)
金利タイプ選びのポイント:
15年以上の固定金利は必要ないです。但し、現在では全期間固定金利のほうが15年固定金利より低い場合もあるので、チェックはしておきましょう。また、金利上昇に不安がなければ、初めは変動金利で借りておくのも価値ありです。
【例2】Cさん(32歳)の場合:新築マンション購入
●「借入期間」:35年
●「返済期間」:17年(繰上返済で短縮する)
金利タイプ選びのポイント:
20年以上の固定金利は必要ありません。但し、現在では全期間固定金利のほうが20年固定金利より低い場合もあるので、チェックはしておきましょう。
また、金利上昇に不安がなければ、初めは変動金利で借りておくのも価値ありです。期間を短縮するための繰上返済について利便性の高い商品(ソニー銀行、住友信託銀行、フラット35など)を中心に検討しましょう。
【例3】Eさんの場合:借換え
●「借入期間(残り期間)」:11年
●「返済期間」:11年
金利タイプ選びのポイント:
当初「借入期間」=「返済期間」と言う、「返済期間」を金融機関に決めさせてしまった悪い例です。有利な金利タイプを選びたいという状況ではないことを認識しましょう。生活が苦しい場合は、借り入れをしている金融機関の窓口へ行き、借入期間を延長できないか相談しましょう。
【例4】Fさんの場合:借換え
●「借入期間(残り期間)」:31年
●「返済期間」:10~26年
金利タイプ選びのポイント:
31年間全期間固定してしまう必要はないでしょう。10年~20年間固定金利を確保できる固定金利(期間)選択型、もしくは初めは変動金利で借りておくのも十分検討の価値ありです。また貯蓄を確実にすすめてきたFさんであれば預金連動型ローンも選択肢に入ります。Cさんと同じように預金連動型以外であれば繰上返済の利便性についても重視しましょう。
このように4名の事例をあげましたが、「借入期間」と「返済期間」の違い、「返済期間」による金利タイプの選択が、今後長い付き合いをする住宅ローンの返済の明暗をわけるのです。くれぐれも慎重に選んでください。
【シリーズ】「これを読めば全てわかる!住宅ローン基礎の基礎」
第1回:住宅ローンとのうまい付き合い方
第2回:賢い住宅ローンの組み方
第3回:自分に合った金融機関を選べ!
第4回:7つの金利タイプあなたはどれを選ぶ?
第5回:2種類の期間が明暗を分ける?
第6回::繰上返済のメリットと落とし穴
第7回:「借換え」はもはや常識中の常識
第8回:「ヤバイ、返せなくなった!」となったら…
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