住宅ローンの審査は人と物件の両方が対象

住宅ローンの審査は、合格発表を待つような気分ですが、あらかじめ基準を知っていれば安心できますね

住宅ローンの審査は、合格発表を待つような気分ですが、あらかじめ基準を知っていれば安心できますね

住宅ローンには、審査があり誰でも借入れできるものではありません。しかし、何の問題も無さそうな人は、不要な心配をする必要はありません。

一方で、借入要件を満たしていないと思われる人は、なるべく審査に通りやすくなるよう事前準備をしておくことも必要。そのためにも審査基準の概要を知っておきましょう。

住宅ローンの審査項目は多岐にわたり、総合的に判断されます。大きくは、申込みをした本人の属性と、担保となる不動産の質や価値です。どんなに収入がある人でも、購入する不動産の担保価値に問題があれば借入れできないこともあるでしょうし、どんなに不動産の価値が高くても、返済していく能力がなければ借入れすることは難しいのです。今回は、申込み本人に関する審査内容について見てみましょう。

【本人審査の内容】

  1. 個人信用情報……借入れは事前に返済を
  2. 勤務年数・勤務先……勤続3年が目安
  3. 健康状態……生命保険に加入できる健康状態か
  4. 年収……借入れ額は、年収負担率で決まる

【個人信用情報】車のローンやリボ払いをしている人は事前に返済を

私達がクレジットカードを作ったり、借入れをしたりすると、その記録は個人信用情報として登録されます。銀行は、住宅ローンの申込みがあった場合、この情報を確認します。

万一、過去に延滞したことがある場合には、5年間程度はその記録が残っており、借入れすることは難しくなるでしょう。また、他の借入れがあることもわかってしまいますので、ショッピングローンやリボ払い、キャッシングなどの残高があれば隠さずに申し出をしておきましょう。

他の借入れがあるから、と言って断られてしまうとは限りません。ただし、他の借入れは、借入れできる額に影響をおよぼします。可能であれば、他の借入れはなるべく完済しておいた方が良いでしょう。

また、金融機関によっては、クレジットカードについているキャッシング枠も借入金とみなされることもあります。普段利用しない、不要なクレジットカードについては、念のため解約しておきましょう。

【勤務年数・勤務先】勤続3年が目安

意外に盲点なのは、働き方と勤続年数です。金融機関は収入の額はもちろんですが、その安定性を重視します。そのため、契約社員などは継続性に不安があるという点から、正社員以外の借入れは難しいのが現実です。

収入額の安定性という点で、勤続年数が問われます。通常は勤続3年以上が目安です。ただし、転職したばかりでも、同じ業界や業種で、キャリアアップの転職であれば、勤続年数が短くても大丈夫な場合がありますので、銀行に相談してみましょう。

勤務先も重要です。大企業であれば収入の安定性は高いと評価されますが、中小企業勤務の場合には、大企業勤務の人に比べると審査は厳しくなると思われます。ただし、中小企業勤務だからと言って、借入れができないわけではありません。収入や借入れ金額、物件の担保評価など、あくまでも総合的に判断されます。

自営業の人も、事業の継続年数3年以上が目安になります。自営業の場合には、特に収入の安定性が不透明なため、過去3年間の所得が審査の対象となります。毎年の所得に大きなぶれがある場合には、低い年の所得が審査の対象とされることもあるので、できる限り安定的な収入を目指しましょう。

【健康状態】団体信用生命保険に加入できる健康状態か

銀行ローンでは、借入れ要件の一つに「団体信用生命保険(団信)に加入できること」としていることがほとんどです。

つまり、借入れをするためには生命保険に加入できる健康状態であることが必要になってきます。もし、健康状態が心配な場合には、まずは団体信用生命保険に加入できるかどうかを相談してみましょう。

また、一部の金融機関では、引受条件緩和型の団体信用生命保険を取り扱っています。高血圧や糖尿病など、通常の団信では受けられないものでも、一定範囲内で加入できる場合もあります。

なお、フラット35は、団体信用生命保険に加入できなくても借入れは可能です。ただし、借入れ者に万一のことがあった場合には、遺族が引き続き返済していかなくてはならないので、十分な検討が必要です。

【年収】借入れできる金額は年収負担率で決まる

さて、肝心の借入れできる金額は、どのように決まるのでしょうか?

これは、<年間返済額÷年収>で計算されるものです。年収によって、一定の割合以内までの返済額とされています。年収負担率の上限は各金融機関によって異なりますが、年収によって25~35%以内としているところが多いようです。

<A銀行の例>
年収250万円未満           25%以下
年収250万円以上400万円未満     30%以下
年収400万円以上           35%以下

ただし、審査時は、実際の適用金利による返済額ではなく、審査用の金利を用いて計算されます。現在は、一般的には4%程度の金利で計算されているようですが、これも各金融機関によって異なります。

借入れ可能額の計算例(年収500万、金利4%、返済期間35年の場合)
  • 毎月返済額の上限
    500万円×35%÷12ヶ月=約14万5833 円

  • 1000万当たりの毎月返済額
    4万4277円

  • 借入れ可能額
    14万5833円÷4万4277円×1000万円=約3290万円

ただし、この借入れ可能額は、あくまでも審査上のもので、返済できるかどうかは、一人ひとりの年収や年齢、家族構成などにもよります。自分自身で返せる額とは異なる点には注意しましょう。

なお、そもそも借入れできるかどうかの要件として、最低年収があります。金融機関によってさまざまですが、200~300万円程度のところが多いようです。中には400万円というところや、収入合算者も最低年収の要件を満たす必要がある場合もあります。

自営業者の場合には、所得金額が審査の対象となります。ただし、課税される所得金額を対象とする場合と、減価償却費などを差し引く前の所得額が対象とする場合もあるようです。いずれにしても、自営業者の場合には、税金対策で極端に所得金額を少なくしていると借入れが難しくなります。

以上のような項目について、総合的に審査がなされます。どの項目にポイントが置かれるかなども金融機関によって異なります。そのため、A銀行では審査に通らなくてもB銀行では借入れができた、という例はたくさんあります。不安な点があれば、複数の金融機関で相談してみましょう。

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