温泉/北海道の温泉

竹浦、虎杖浜、登別、川又野湯ほか 登別、ニセコなど北海道極上湯1(3ページ目)

千歳空港を発着点として北海道の誇る大温泉地。登別とニセコに行った。さすが大温泉地だけあってパワーも凄い。白熱の2日間でした

執筆者:郡司 勇

11登別湯の川  (温泉地再訪) 
 これ以上の温泉は考えられない。全国3回目の感動の満点  
 泥、硫黄、酸味、温度、景観、存在すべてが完璧

登別は全国屈指の温泉である。雲仙や那須、箱根などと同じく火山性の地獄地形が観光地となっている。地獄谷と大湯沼、奥湯沼の観光にはみな訪れるであろう。しかし第一滝本館など多くの登別の温泉は地獄谷の湯を使っているが、大湯沼の湯は新登別の台地に引き上げられているのみである。大湯沼はスケールの大きな湯沼で周囲1キロにもなる立派な湯の沼である。また奥湯沼は小さいながら噴気が多く灰色の泥に覆われた噴火口は湯面がたまにしか見えないほどに湯気で包まれている。この大湯量の存在とものすごい熱量は見るだけで迫力がある。この凄い温泉はほとんど使われずに流れ去り、湯の川となって渓谷を形成している。小滝が連続し黄色い岩が滑滝のように露出した流れは美しい遊歩道になっている。渓流は湯気に包まれた露天風呂のようで大自然が創り出すこの上もない素晴らしいものである。上から徒歩でアプローチすると季節にもよるであろうが最初に到達した渓流では湯温がまだ高温で入れない。しかし連続する滝の冷却作用で100mも下ると適温の流れになっていた。直径7mほどの滝壷に入ると深さは50センチほどで座ると首まで湯に入る。底は滑らかな泥で滝壷は深いが直ぐに泥田になり足首まで埋まる粒度の細かい泥になる。湯は灰白濁し酸味であるが草津のようにきつい物ではない、硫黄臭はやや多めである。ここの良い点は自分の一番好きな温度の地点に入れることで、最も適温、深さも丁度、浴感もあるという地点を選べるのが素晴らしい。ニセコ馬場川の湯と比べるとそちらは浅く、湯温も低めなのに対してこちらは温泉の体感のかなりの部分を占める温度が自在である。さらに泥の量がニセコほど多すぎずに適量である。全国に渡り数多くの川の湯を経験したがこの湯は最高で山ん城を凌ぐ素晴らしい自然の妙であると思った。野湯や湯の川に入るという、単に野性味のある入浴の喜びを完全に超越していた。ここは良い泉質であり、更に深く温泉を味わった感慨があるのは長年温泉を廻っていても非常に良い経験であった。またレアな地元専用共同湯の発見の喜びや日本に誇る名湯、名宿などと比べても上回る感動があった。泡付きのあるモール泉で、特に匂いの素晴らしさで他を圧倒的に引き離す、「別海温泉清の湯」、匂い、神秘的な色、味覚の3点揃った極上の青い湯の「神和苑」に続き3度目の100点を進上したい。


※ 新登別温泉 (温泉地再訪)  報徳寺  カラ
 前日に電話して行ったのであるが登別の川で感動し13時が15時に遅れ、今湯を抜いたところと言われる。四季と同じ大湯沼源泉 


12川又温泉     
 素晴らしい野湯である。湯量豊富、足元湧出、硫黄臭 
 ヌルいのが残念。

室蘭に近い幕別炭坑のさらに奥にある野湯。林道終点から800mの歩きである。川を3回ほど渡渉し温泉の直ぐ前でもう1回渡って行く。案内板があり迷わずに行ける。3回の渡渉がそれぞれ約3分の一であろう。清流に面した立地で木枠で仕切られた浴槽がある。足元湧出で非常に清々とした気持ちの良い野湯である。湯温が36度ほどでヌルイのがやや残念であるが、湯量豊富で縁から溢れた湯は小さな川となって流れて渓流に合流する。深い浴槽で中腰であるが足元の砂まで完全に澄みきり美しい湯である。硫黄分はやや弱いがちょうど鹿児島の湯河内温泉に似ている湯でHS3から4mgの単純硫黄泉と推測した。たまに砂の中から大きな気泡が立ち上がり雰囲気を高めている。
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