妊娠初期/妊娠3ヶ月

妊娠3ヶ月目 妊娠8~11週の胎児の様子・母体の症状や気を付けること

妊娠3ヶ月にあたる8週、9週、10週、11週の赤ちゃんの様子や母体の変化、気を付けることなどをご紹介。必要な妊婦健診や、混乱しやすい出産予定日のこと、ピークを迎えるつわりの症状を軽くするコツもおさえましょう。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

妊娠3ヶ月(8~11週目)の胎児の発達や妊娠初期症状

妊娠8週を超えた3ヶ月目頃から、赤ちゃんはしっぽも消えて胎芽期が終わります。頭と胴・足が発達して3頭身くらいの胎児になります。手足の指も確認でき、爪ができてくる頃です。下あごと頬が発達して、顔の輪郭もはっきりとします。
妊娠3ヶ月,三ヶ月,妊娠3カ月(妊娠8週,妊娠9週,妊娠10週,妊娠11週)

妊娠3ヶ月目 妊娠8~11週の胎児の様子・母体の症状や気を付けること

心臓や肝臓、胃腸などの内臓器官は、ほぼ完成する時期。妊娠初期に、服薬や禁煙・禁酒などの注意が必要なのはそのためです。さらに、超音波検査でドックン、ドックン、という心臓の動きも確認できるようになります(その早さにビックリしますよ)。

<目次>

妊娠8週目の胎児の発達

妊娠8週(妊娠3ヶ月,三ヶ月,3カ月)エコー写真・超音波写真

妊娠8週(妊娠3ヶ月)エコー写真・超音波写真

  • 妊娠8週目:受精から42~48日・妊娠3ヶ月
  • 胎児の大きさ:頭殿長(座高)が15~20mm
  • 母体:つわりのピークを迎える人も

妊娠8週目(8w)には、頭殿長(座高)が15~20mmほどになり、「胎芽」から「胎児」と呼ばれるように。まだ小さいですが、心臓、脳、肝臓、肺、腎臓などの、ほとんどの内臓の基本的な形はすでにできあがっています。

個人差は大きいですが、母体はつわりのピークを迎えます。水分も摂れないのに嘔吐を繰り返す場合は、早めに医療機関を受診しましょう。全くつわりがなくて妊娠が継続しているか不安という方も、超音波検査で心拍確認できれば大丈夫。

栄養の多くは、卵黄のうという栄養の嚢からもらっている状態ですが、お母さんからの栄養補給も、未完成の胎盤とへその緒を通して少しずつ始まっています。胎盤は急ピッチで形成されていて、4ヶ月ころに完成します。

▽関連記事
妊娠8週 胎児の大きさ・エコー写真・つわりや流産症状
 

妊娠9週目の胎児の発達

妊娠9週(3ヶ月,三ヶ月,3カ月)エコー写真・超音波写真

妊娠9週(妊娠3ヶ月)エコー写真・超音波写真

  • 妊娠9週目:受精から49~55日・妊娠3ヶ月
  • 胎児の大きさ:頭殿長(座高)が22~30mm
  • 母体:お腹の膨らみはまだ見られない

妊娠9週(9w)の胎児の姿は、しっぽがなくなって2頭身に。首ができ、頭と体がはっきり分かれてきます。足も発達し、ひざや足首、かかとなどもあるべき場所に位置するようになります。手足の指もー本ずつ分かれます。

脳の表面の発達もスタートし、大人のように丸く、しわが入った脳になっていきます。顔は丸くなってきて、目の網膜のなかには色素ができ、まぶたが目をほとんど覆うように。鼻の大部分や、耳の外側と上唇も完成してきます。舌の表面には味覚をキャッチする器官が作られてきます。骨の形成も始まります。

超音波検査では、人間のミニチュアのように見えてきます。胎児の大きさにまだ個人差がないので、この時期の頭殿長から、出産予定日を再評価し、必要があれば予定日を修正します。

▽参考記事
妊娠9週 胎児のエコー写真・大きさ・流産の症状や原因
 

妊娠10週目の胎児の発達

妊娠10週(妊娠3ヶ月,三ヶ月,3カ月)エコー写真・超音波写真

妊娠10週(妊娠3ヶ月)エコー写真・超音波写真

  • 妊娠10週目:受精から56~62日目・妊娠3ヶ月
  • 胎児の大きさ:頭殿長(CRL)が31~42mm
  • 胎児の体重:5~8g
  • 母体:つわりが軽くなる人もいる一方、まだひどいという人も

妊娠10週(10w)頃の赤ちゃんは2頭身で、これまでの丸まった姿勢から体はまっすぐになってきます。骨と筋肉が急成長し、骨はだんだん固くしっかりとしてきます。胴ものびてきて、体の形は、新生児に近くなってきています。超音波検査で見ても、赤ちゃんには丸い手足がついているのがわかります。手足をバタバタする様子を見せることもあります。

まぶたができてきて、赤ちゃんの目が閉じるようになってきました。耳も完成形になりつつあります。超音波検査でも、顔立ちがはっきりしてきて、あごもスッとして見えるでしょう。また、すでに20本の乳歯の芽が歯肉の中に形成されています。髪の毛のもともできてきます。皮膚は、少し厚みが出てきて、透明ではなくなってきました。

▽参考記事
妊娠10週 胎児の大きさ・エコー写真と流産原因や症状
 

妊娠11週目の胎児の発達

妊娠11週(妊娠3ヶ月,三ヶ月,3カ月)エコー写真・超音波写真

妊娠11週(妊娠3ヶ月)エコー写真・超音波写真

  • 妊娠11週目:受精から63~69日目・妊娠3ヶ月
  • 胎児の大きさ:頭殿長(座高・CRL)が44~60mm
  • 胎児の体重:10gほど
  • 母体:立ちくらみやめまい、おりもの量の増加、眠気が出る人も

妊娠11週(11w)の赤ちゃんの腎臓では、少しずつ尿が作られ、羊水中に排出されるようになります。赤ちゃんは、そのおしっこを飲んで、一部がまた羊水へと還流されてきます。

胆のう、膵臓(すいぞう)、肝臓、肺、甲状腺などの生命維持に必要な内臓は全てできてきました。脳はまだ小さいですが、出生時と同じ構造に発達しています。あくびもするようになります。手を開くこともでき、よく見ると、超音波で指が確認できるまでに。皮膚感覚は、とても敏感になっていて、温度や振動などを感じられるようになっています。

反射神経も発達し、膝を曲げたり伸ばしたりしています。これは生後に見られる歩行反射で、生まれるまでに十分時間をかけて完成されていきます。あくびや、指しゃぶりのような動きをすることもあります。

▽参考記事
妊娠11週 胎児の大きさ・エコー写真・流産原因や症状
 

妊娠初期の健診は重要

妊娠3ヶ月も妊婦健診をちゃんと受けよう

妊娠3ヶ月も妊婦健診をちゃんと受けよう

妊娠中の健診は赤ちゃんとお母さんの健康や安全を守るために必要なものです。厚生労働省が「標準的な妊婦健康診査」としている、妊娠初期~妊娠23週までの健診の内容は以下の通り。4週間に1回の間隔を目安に、病院や診療所、助産所などで受診します。

●毎度共通する項目
  • 健康状態の把握……体調に変化はないか、心配なことはないかなどの問診
  • 検査計測……母子の状態を確認するための基本的な検査。子宮底長、腹囲、血圧、浮腫、尿検査、体重など
  • 保健指導……食事や生活に関するアドバイス、不安や悩みの相談など

●必要に応じて行う医学的検査
  • 血液検査……血液型、不規則抗体、血糖、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体など。妊娠初期に1回行う
  • 子宮頸がん検診……初期の必須項目に入れている院も。妊娠初期に1回行う
  • 超音波検査……妊娠初期は腟から、中期はおなかの上にプローブをあてて子宮内の様子を主に観察。胎児の位置(頭位・逆子)、発育、形態、羊水量、胎盤位置などを確認する。頻度は施設により異なるが、ほとんどの施設では毎回施行する。
  • 血液検査……HTLV‐1抗体検査。妊娠30週までに1回行う
  • 性器クラミジア……妊娠30週までに1回検査する

▽参考記事
定期妊婦検診とは?頻度・費用・内容・服装を徹底解説
妊娠初期に必要な検査の内容

▽参考サイト
妊婦健診/厚生労働省
妊婦に対する健康診査についての望ましい基準/厚生労働省
 

出産予定日の確認を

出産予定日を確認しよう

出産予定日を確認しよう

出産予定日は、生理周期が28日の場合、最終生理の初日から数えて280日目、週でいえば40週目になります。妊娠週数の数え方は特殊なため、混乱を招きやすいですが、ネーゲレの概算法を使えばだいたいの出産予定日がわかります。
 
<生理周期28日型の出産予定日を計算するネーゲレの概算法>
最終生理のあった月-3=出産予定月
(引けない時は9を足します)
日にち+7=出産予定日

(例)
最終生理が始まった日が12月3日の場合、
出産予定日は 9月(12-3)10日(3+7)

最終生理が始まった日が1月15日の場合、
出産予定日は 10月(1+9)22日(15+7)

ただし、この方法で出産予定日を計算できるのは、生理周期が28日型の場合だけ。28日型でなければ排卵が14日目にならないからです。

生理周期にかかわらず、排卵してから14日目に生理というのはかわりません。周期の違いは、あくまでも生理から排卵するまでの日数が違いです。すなわち、34日周期の場合、排卵は真ん中の17日目にあるのであるのではなく 、生理予定から14日前(34ー14)で20日目にあることになります。44日周期では、同様に22日目でなく(44-14)で30日目が排卵となります。

妊娠8~11週の、胎児の大きさにまだ個人差がない頃の頭殿長から、出産予定日を再評価し、必要に応じて予定日を修正することもあります。

▽参考記事
出産予定日の計算方法(ネーゲレの概算法)
 

妊娠3か月はつわり症状のピークをむかえる人も

妊娠3ヶ月でつわりのピークを迎える人も

妊娠3ヶ月でつわりのピークを迎える人も

つわりは妊娠4~6週目頃から始まり、妊娠12~16週目頃には落ちついてくる場合がほとんど。すると、つわりが辛いピークは、妊娠3ヶ月頃にあたる人が多いです。

つわりは、期間だけでなく、症状や程度も人それぞれ。いつもより少し調子がよくない程度で済む人もいれば、ずっと寝込んでしまう人も。

<つわりの主な症状>
  • むかつきや吐き気、嘔吐
  • 眠くてたまらない
  • 頭が重い
  • 体がだるい
  • 唾液が多くなる
つわり症状が悪化すると、妊娠悪祖(おそ)と呼ばれる病気になってしまいます。以下のような症状がみられる場合は、医師の診療を受けましょう。

<妊娠悪祖の症状>
  • 朝から晩まで吐いている
  • 体重が4~5kg減った
  • 水分を受けつけない
  • 尿がほとんど出なくなった
  • フラフラする
妊婦さんにとって辛いつわりですが、原因は未だはっきり分かっていません。よって、終わるのを待つしかないといえます。それでも、つわりの症状を軽くするコツはあるので、試してみてください。

<つわりの症状を軽くするコツ>
  • 気分が悪くなったらすぐに休む
  • お腹が空いて胃が空になる前にこまめに食べるようにする
  • たんぱく質と、米やうどんなどの複合炭水化物を摂る
  • 朝に胃が空っぽでむかつきが憎悪するのを防ぐため、就寝前に軽食。朝も起きる上がる前に、ベッドのなかで複合炭水化物を摂る
  • 見かけやにおい、味などで吐き気を催すものは避ける。栄養のバランスより、食べられる物を重視
  • 水分をできるだけ多く補給するように心がける。気持ち悪くなる場合は炭酸水や果実、生野菜など水分が豊富なものを口にする
  • 吐いた後は、必ず歯を磨くか、口をゆすぐ
  • 歯磨き粉や歯ブラシを気持ち悪くならないものに換え、気分が悪くなるならマウスウオッシュで口をゆすぐ
  • つらさを周囲に理解してもらい、家事などの仕事を協力してもらう
  • ブラジャーなど体を締めつけるものをやめる
  • 外出したり趣味に没頭したりして、気持ちを他に向けてみる
  • 希望がある場合、医師に処方してもらう
    メトクロプラミド(商品名:プリンペラン)、ビタミンB6(商品名:ピドキサール)、漢方の小半夏加茯苓湯などが、吐き気を和らげる場合も

▽参考記事
つわり時期はいつまで続く?悪阻の期間・症状と対処法
つわり対処法!ひどい・気持ち悪いつわりを和らげる10の方法

▽参考サイト
つわり/女性にやさしい職場づくりナビ - 厚生労働省
妊娠悪阻/女性にやさしい職場づくりナビ - 厚生労働省


【妊娠週数別記事】 【妊娠月数別記事】
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