世界のファンドを中立的に評価する機関
ファンドに対する格付けは、学校でもらう通信簿のようなもの。結果の数値に一喜一憂するだけでなく、評価の真意を汲み取るにはそれなりの専門知識も必要です。 |
評価機関によって格付けや星の数が異なるのであれば、複数の評価機関を併用することで、より無難な投信を選ぶことができるでしょう。そうしたセカンド・オピニオン的な評価機関としてLIPPER をおすすめします。
LIPPERは世界中の125,000本ものファンドを評価するワールドワイドな評価会社ですが、Webサイトが英語のためにやや上級者向けといえます。LIPPERが投資信託の3、5、10年の運用成績の平均値を評価指標としているのに対して、モーニングスターは独自のリスク調整済みの過去3年間の成績を評価指標としている点が、両者の大きな違いです。共通点は、過去3年以上の運用期間のないものは対象としていないことです。
【関連サイト】リッパー社
ただし、評価の基準はリターンだけではありません。リスク(価格のブレ)の大きさや投資の効率性を示すシャープ・レシオ、価格の安定性や税効果、コストなどを総合的に判断されて格付けがなされています。
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投資信託を購入すると必ず目論見書が交付され、決算期ごとに運用報告書が送られてきます。しかし、これらは法律で定められた情報開示なので、どうしても書き方が固くて分かりにくいですね。評価機関による説明は、全体的であり、なおかつ客観的、中立的なので、分かりやすいという特徴があります。ファンドを買うときに評価会社のレポートはぜひ目を通したほうがよいですが、それだけでなく、買ったファンドを見守っていくためにも、便利なツールなのです。格付けや順位が下がった投資信託には注意が必要だからです。
評価機関が使う専門用語やデータの見方が分からない方は、無理をせず専門家のアドバイスを受けながら評価機関を利用することも利口な方法です。
最後になりますが、良いファンド探しに夢中になってはいけません???
繰り返し、申し上げることですが、資産運用の基本は・・・
1.まず自分の期待収益率を決める
2.期待収益率を実現するポートフォリオを設計する
3.アセットごとに良いファンドを当てはめていく
ファンド選びは、賢明な投資プロセスの中のほんの一工程であることを忘れないでください。
■最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
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