投資信託

2022年の投資信託ランキング10!好成績ファンドはトルコ株や資源株が投資対象

2022年は、急騰する物価の上昇を沈静化させるため欧米を中心に急速、かつ大幅な利上げを行ったことから、主要国のマーケットは軟調に推移しました。株式と債券の上昇率が共にマイナスで、投資信託の運用成績も厳しい一年でした。しかし、厳しい状況下でも、好成績を確保した投資信託は存在します。2022年の投資信託の運用成績を見ていくことにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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インデックスファンドの運用成績は軒並みマイナス

2022年の主要国の株価指数の年間上昇率は軒並みマイナスでした。日経平均株価は▲9.36%、TOPIX(東証株価指数)は▲5.05%、アメリカのNYダウは▲8.78%と一桁のマイナスで済みましたが、アメリカのNASDAQは▲33.1%、S&P500指数は▲19.44%と二桁のマイナスに沈みました。全世界の株価指数であるMSCI-ACWI(オールカントリー)も▲19.79%と20%に迫る下落となりました。

近年、投資コストに個人投資家が敏感になっていることから、インデックスファンドの人気が高まっています。しかし、主要国の株価指数の年間上昇率がマイナスであることから、インデックスファンドの運用成績も軒並みマイナスとなっています。中でも金利の上昇に敏感であるグロース株の指数、国内であればマザーズ指数、アメリカであればNASDAQ指数に連動するインデックスファンドの運用成績は厳しくマイナスとなっています。

半面、株価指数が下落すればするほど運用成績が良くなる「ベア型」の投資信託の運用成績は好調。また、資源・エネルギー価格の上昇を背景に資源関連株を投資対象とする投資信託や、株価指数の上昇率が目立ったトルコ株を投資対象とする投資信託などが好成績でした。

トルコ株ファンドは上昇率100%超え

それでは全投資信託の年間上昇率を見ていくことにしましょう。

図は、2022年の全投資信託(ETF等は除く)の年間上昇率ランキングのベスト10になります。トルコ株や資源・エネルギー関連株などを投資対象にした投資信託がランキングを占めています。

トルコ株が上昇した背景は、物価が高騰しているにもかかわらず大幅な利下げを行って、度を越した経済成長指向を目指したもので「イスタンブール100種株価指数」は年間で196.5%と記録的な上昇率をしています。資源・エネルギー関連株の上昇は、コロナ禍からの経済の正常化が進展しているところにロシアのウクライナ侵攻が勃発。原油や天然ガスなどが急騰したことがその要因になります。
全投資信託の2022年の年間リターンランキング

全投資信託の2022年の年間リターンランキング

唯一、上昇率が100%を超えるのはSOMPOアセットマネジメントが運用する「トルコ株式オープン」。同投信は収益性、成長性、安定性などを総合的に勘案して投資対象とする銘柄を選別していきます。銘柄選別が優れていたというより市場全体の上昇に乗ったというのが好成績の背景と考えられます。2位の野村アセットマネジメントが運用する「(オーロラII)トルコ投資ファンド」の好成績の背景も同様と考えられます。

上昇率3位は大和アセットマネジメントが運用する「NASDAQ100 3倍ベア」。同投信はNASDAQ100指数(米ドルベース)の日々の値動きのマイナス3倍の値動きになることを目指して運用が行われます。NASDAQ100指数は昨年32.96%下落し、このトレンドに乗ることができる仕組みが好成績を確保した要因になります。

4位以下は資源・エネルギー関連株を投資対象とする投資信託です。為替をヘッジしていないタイプや通貨選択型などがランキングを占めています。為替が円安・外貨高になると株式の上昇に加えて為替差益が得られ上昇率が高くなりました。

国内株式型は好配当株型とテーマ型が好成績

残念ながら、国内株式を投資対象とする投資信託は、上昇率が相対的に低い分、先述の年間リターンランキングに入ることはありませんでした。しかしランキングには入りませんが、上昇率が二桁となる良好な成績のものもあります。どんな投資信託が好成績だったのでしょうか。

通貨選択型やETFを除くと国内株式型投資信託で上昇率がトップになったのは、三菱UFJ国際投信が運用する「日経平均高配当利回り株ファンド」が上昇率27.28%でした。同投信は日経平均株価を構成する銘柄の中から予想配当利回り上位30銘柄を選定して、流動性などを勘案して組入比率を決めて運用されます。

2位は日興アセットマネジメントが運用する「日本郵政株式/グループ株式ファンド」が上昇率22.83%、3位はアセットマネジメントOneが運用する「日本製鉄グループ株式オープン」が上昇率22.60%でした。共にグループ関連株式だけで運用されるテーマ型の投資信託でした。

2023年は始まったばかりですが、どんな投資信託が好成績を確保するか注視していきたいと思います。

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