朝顔の育て方は簡単?

朝顔(アサガオ)の育て方

アサガオ

アサガオというと、小学校低学年の生活科(理科)の学習教材として定番ではないでしょうか。アサガオの栽培セットが児童一人一人に配られ、そのツルが行灯仕立てに伸びていく様や花をつける様子を観察日記につけるのです。
私も子どもの頃、毎朝「今日は何個花を咲かせているかな?」と確認するのが楽しみだったものです。
そんな経験が刷り込まれているせいか、「アサガオって、種を蒔けば育つでしょ?」と思っている人が多いようですが、あにはからんや実はアサガオって奥の深い植物なのです!

今にして思えば、あの栽培セットというものは小学生が失敗無く栽培できるようによく考えられたものだったんですね。種は発芽生育の良い物が選ばれ、発芽促進処理が施されています。土に混ぜる腐葉土と種を蒔くときの元肥、本葉が出てから与える追肥もセットされ、栽培方法にしたがって水やりさえ怠らなければ、まず失敗はしないというもの。
あなたもこんな優秀な栽培セットを使った小学生の頃の記憶だけで、「アサガオなんて簡単!」と思いこんではいないでしょうか。
アサガオというのは確かに他の植物と比べれば栽培は容易と言えますが、種をただ庭先にバラ蒔いて水をやってハイお終いでは、「あれれ、いつまでたっても芽が出ない?!」ということになりかねませんよ。
アサガオのデータ

アサガオのデータ
 

朝顔(アサガオ)は日本で最も発達した園芸植物

愛らしい桔梗咲きのアサガオ

愛らしい桔梗咲きのアサガオ

アサガオは夏の風物詩としてすっかりおなじみですが、実は日本で最も発達した園芸植物といわれているのです。
漢方薬として中国から入ったとされるアサガオは、江戸時代後期には突然変異により珍しい花色や花姿を作りだす「変化アサガオ」の栽培がブームになったのです。
といっても、現代のように優れた種を人為交配したりとかバイオの技術を駆使したりといったことではなく、当時は多くのアサガオを自然交雑して偶発的に起きる変異に頼っていました。

変異は獅子咲き、桔梗咲き、牡丹咲きなど花の咲き方や花弁のつき方が変わっているものだけでなく、柳葉や丸葉といった葉の形状、茎も通常のツルを巻くタイプでなく木立ちや枝垂れのものもあり、一見しただけではアサガオとは思えないものももたらしました。
こうした変化アサガオは好事家たちに珍重され、高値で取り引きされていたようです。
しかし突然変異のアサガオは不稔性(種ができない性質)であることも多く、惜しいことに「その花一代限り」で今はもう見ることがかなわないものも数多く存在したのです。
 

朝顔の育て方:種まきから誘引まで

アサガオは前述のように他の園芸植物と比較すると栽培は容易な植物ですが、一口にアサガオといっても最近では洋種のものや宿根性のアサガオなども出回っています。
基本の育て方をおさらいしながら、その栽培ポイントをみていきましょう。
 
アサガオの種は丸い方を上にして蒔く

アサガオの種は丸い方を上にして蒔く

【種まきから誘引まで】
アサガオの種のまき時は、5月の連休明け頃が最適です。
コンパクトな株に育てるなら、この後7月くらいまで種まきは可能です。
発芽適温は20度以上と高いので、寒冷地では遅霜の怖れがなくなってから蒔きましょう。
アサガオの種は皮が固くて吸水しにくいので、種を一晩水につけて吸水させるか、やすりなどで表皮に軽く傷をつけてから蒔くと芽が出やすくなります。
※市販の種で「発芽処理済み」となっているものは、この作業は必要ありません。

ポリポットなどに種まき用土を入れて湿らせ、点まきにします。
種を蒔くときは、種の丸い方を上にします。
アサガオの種は嫌光性なので1センチ程度の覆土をして、乾かさないように管理します。
種は5月に蒔いた場合、一週間程度で発芽します。
発芽後、本葉が3~4枚程度になったら6~7号程度の鉢に定植します。
この際、根鉢を崩さないように注意しましょう。
用土には、あらかじめ元肥を入れておきます。
地植えで栽培する際は、連作を嫌う点に注意しましょう。

ツルが伸びてきたら適宜誘引して行灯仕立てなどにして楽しみますが、誘引の際にはちょっと注意!アサガオのツルは、左側へ向く習性があります。ですからツルを誘引するときも、左へ左へと巻きつけてあげるように気をつけましょう。
 

朝顔の育て方:アサガオの仕立て方

アサガオのツルは左に回りこんでいく

アサガオのツルは左に回りこんでいく

アサガオの仕立て方として最もポピュラーなのは、行灯仕立てですね。
行灯仕立ての仕立て方には、一本のツルをそのまま伸ばして仕立てる方法と、本葉が5~7枚程度になったら摘心(先端の芽を摘む)して腋芽を出させ、子ツルが伸びてきたら勢いの良いものを残して他の芽は摘み取って残ったツルを伸ばして仕立てる方法、子ツルを更に摘芯して孫ツルを伸ばして仕立てる方法などがあります。
最近人気のつる性植物を這わせて作る緑のカーテンは、アサガオでも作れます。
プランターに支柱を立て、そこからベランダの屋根などへ紐やネットを渡してアサガオを誘引しておくと、あとは自然に絡みついてアサガオの緑の葉が緑陰を生み出してくれます。
この他「切り込み仕立て(盆栽仕立て)」といって、ツルが伸びるたびに下葉を2枚残しながら摘芯を繰り返して小さく仕立てる方法もあります。
 

朝顔の育て方:鉢の管理方法

ここからは、種から育てたものも苗の状態や行灯仕立ての鉢で買ってきたものも管理は同じになります。
鉢は日当たりの良い場所に置いて管理しますが、夜間は照明の当たらない無い場所に置きましょう。アサガオは短日植物なので、「ツルは旺盛に伸びるのに、花がいっこうに咲かない」といったケースは夜間の人工照明などが影響している事が多いのです。
買ってきた鉢植えの底から根が出ている場合は、既に鉢内が根で一杯になっていることがあります。そんなときは、一回り大きな鉢に根鉢を崩さないように植え替えてあげましょう。

水やりは蕾が見えるまでは、鉢土が乾いてからたっぷり与えるようにします。蕾がふくらんできたら、毎日水やりをするようにします。
夏場は、朝の水やりだけでは足りない場合もあります。葉先がしおれたようになっているのも水切れのサインですから、もう一度水やりするなど開花中は水切れに注意します。
肥料は、1000倍液肥を月に2~3回与えます。
 

西洋アサガオと宿根アサガオ

アサガオ
夏空に映える花色のアサガオ
西洋アサガオは、ヘブンリーブルーという品種で一躍有名になったアサガオ、ソライロアサガオという名前でも流通しています。多年草ですが、日本では一年草扱いとなります。
普通のアサガオは朝早くでないと美しい状態を見ることができないのに対して、この種は花が昼過ぎまで観賞できるのが特徴です。
性質は強健で、ツルもよく伸びます。

宿根アサガオは、琉球アサガオ、西表(イリオモテ)アサガオ、オーシャンブルーといった名前で流通しています。
種ができない性質のため、株分けや挿し芽で増やします。
性質は強健で、関東以西であれば霜除けを施して戸外で越冬できます。

どちらも旺盛にツルが伸びますから、前述の緑のカーテンを作るなら、こちらの種がお薦めです。
管理方法は基本的に従来のアサガオと同じですが、肥料を与えすぎるとツルや葉ばかりが茂ってなかなか開花しないことがあります。花がつく頃になったら、窒素分を控えるようにしましょう。

夏の定番植物アサガオの奥深さ、少しはお伝えできたでしょうか?
もっともっとアサガオを知りたい、楽しみたいという方は、各地の研究会や同好会などに参加してみてもいいですね。

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