ウッドデッキをDIY! 基礎を作る
DIYでウッドデッキの基礎作り
基礎となる束石を配置しているところ。水糸を張って、等間隔に配置。 |
基礎については「資材を揃える」の項でも紹介したように、様々な方法があります。
使用する束材は、デッキ設置面の状態、必要個数、価格などを考慮して選びましょう。
ちなみに我が家のデッキでは、羽子板付きの束石を使用しました。
まず、デッキの設置場所を確認しましょう。
四隅に遣方(やりかた)杭を打ち込んで丁張(ちょうはり)を立てると良いのですが、DIYでは省略しても良いでしょう。
設置面が平らで硬い場合は、そのまま設計図の通りに束を配置していきます。
地面が柔らかい場合は、束石の入る部分を10~20cmほど掘り、下に砕石を入れて突き固めた上に砂またはモルタルを入れ、束石を載せます。このとき、束石が水平かどうかを確認しておきます。
我が家のデッキでは、更に束石の周囲にモルタルを入れてありますが、通常は必要ないと思います。
配置した基礎に、束柱を立てます。
束柱は…
束柱の高さ=デッキの仕上がり高さ-束石の高さ-床材の厚み-5~10ミリ
…の長さでカットします。
但し、フェンスを付ける予定で、その支柱を束柱と兼用にする場合は…
束柱の高さ=フェンス支柱の仕上がり高さ-束石の高さ
…となります。
羽子板つきの束石使用の場合は、束柱を羽子板にネジ止めしておきます。
水平器、水糸を使いレベル調整しながら、束柱に根太をつけていく |
束材にレベル調整可能な鋼製束を選んだ方は楽にできるはずですが、私が使用した普通の束石では、これが一番厄介な作業になります。
今回は束石間のレベルは無視して、根太張りの段階でレベル出しをする手法(デッキ製作の手法)に決めていました。
基礎段階でレベル調整をする手法では、重い束石を何度も取り除けて下に砂を入れたり、取ったりという苦労が生じるからです。
束柱が立った段階で水糸を張り、根太が水平になるように調整しながら束柱にネジ止めしていきます。
水糸の張り方 |
次に、水平を図りたい部分の両端にこの印を当ててみます。
もし印よりも水が下になっている場合は、そちらが低いということになります。
根太をつける
床板を支える根太をつける |
前項の手順で水糸を張ってレベル出しをしながら、束柱に根太を張っていきます。
根太の張り方は、床材をどのように張るかで変わってきますが、常に「床板に対して直角に」が基本となります。
根太の間隔は60cmくらいが理想ですが、重い物が乗ったり、常に力が掛かるような場所は、根太の間隔を狭くして耐荷重をアップさせます。
床板を張る
後できれいに見えるように、釘目もきちんと揃えたい |
一枚張るごとにどんどんデッキができあがっていくのですから、あの地味な基礎作りの苦労も報われる瞬間です。
我が家のデッキでは、床材に滑り止めの溝が入った2×6材を使用しました。
材の枚数がかかって大変かもしれませんが、2×4材の方が仕上がりがきれいかもしれません。このへんは、好みになりますね。
床材はきちんと根太に接続されるよう、定規をあてながらコースレッドで止めていきます。 インパクトドライバーがあれば、作業は楽に進みます。
ドリルドライバーの場合はパワーが劣るので、下穴をあけてからコースレッドを打ち込んでいきます。
材と材の間は、水抜きのためにもスペースを開けておいた方が良いでしょう。
鉛筆が転がり落ちない程度…と考え、5~6mmのスペース開けることにしました。
スペーサーには、適当な厚みの板やL字金具を利用します。
床板をすべて張り終え、丸ノコで両端をカットした |
また、材は天然木なので、反り返っているものもあります。
その場合はクサビを打ち込んだり、ゴムハンマーで反った材そのものを叩きながら、コースレッドを数回に分けて打ち込むと矯正できます。
≪ここでワンポイント!≫
床材の表裏に注意!床材の木口(断面)を見て、凸になってる方を上にしましょう。
凹面を上にすると、雨が降ったときに水がたまってしまいます。
傾斜切断
デッキ形状が異形の場合、傾斜切断が必要になってくる |
ほとんどの丸ノコは、刃を45度まで傾けられる機能がついているので、それを利用して切り出していきます。
まず切り出す角度を測って材に印をつけ、最初は材を立てた状態で印に沿ってノコの刃を垂直に当てて切込みを入れます。 | 次に材を寝かせ、先ほどつけた切込みに刃を入れて角度を決めて固定、あとはそのまま丸ノコを寝かせるような形で切り出します。 |
床下収納庫
ハッチをつけ、床下収納できるようにした |
我が家のデッキでは、根太の間に70cm×42cmほどの開口部を設けて、その下を床下収納とすることにしました。
デッキ床を全て張り終えてから開口部を切り抜くのはちょっと難しいので、開口部分まで床を張ったところで、電動丸ノコでカットしました。
実は基礎のレベル出しの次に難しかったのが、この開口部分です。
手順は、切り取った床材が蓋になるように、材の裏に新たに2×4材を当てて一枚にします。
これがデッキに開けた開口部にすんなり収まるように両端を調整して、取っ手を付けます。
開口部には、蓋が落ちないように「受け」を作っておきます。(今回は、束柱を挟むように二本渡した根太の左右一本ずつを「受け」に利用しました)
全回転式の取っ手をつけた |
また、取っ手には回転式のものを使用したのですが、型を取ってドリルで穴を開け、ノミで削り取るという、初めての作業にも手間取りました。
簡単に仕上げるなら、取っ手部分は指が三本入る程度の穴を開けるだけでも充分かと思います。
我が家のデッキでは蝶番をつけない仕様にしましたが、凝ったデザインの蝶番も売られていますので、こだわってみても面白いですね。
フェンスを作る
市販のラティスとラティスポスト、専用金具を使ってフェンスとした |
そこで、後から急遽フェンスを取り付けることにしました。
といっても、デッキ床面に取り付ける手法でなく、地面からラティスフェンスを立てて、デッキに接続する方法を取りました。
計画段階からフェンスを設けることを考えている場合は…
束柱とフェンス支柱が一体の場合、床を張るときに柱を通すための穴を開ける必要が出てきます。
細巾の床材を使用した場合は「切り欠き」で済みますが、我が家のように巾の広い床材の場合は「くり抜き」になってしまいますので、電動糸ノコがないと難しいかもしれません。 また、デッキ床に金具で支柱を固定する方法もあります。
「切り欠き」や「くり抜き」の必要が無いので簡単に取り付けることができますが、金具が露出してしまうのは避けられません。
デザイン優先か、手軽さ優先か…ということになるかと思いますが、プラン検討の参考になればと思います。
ステップをつける
2×材で箱型を作り、デッキに連結した |
デッキの高さによりステップの段数は異なりますが、よほど高いデッキでない限り1~2段のステップとなるでしょう。
ステップも文字通り階段状に作るもの、箱型を作ってデッキに接続する、枕木を利用するなど様々です。
個々のデッキの形状、デザインに合わせて製作し、設置することになります。
ポイントとしては、
- 危険防止のためきちんとデッキに接続する(枕木利用の場合は、枕木同士もカスガイで留めておくなど措置が必要)
- ステップからデッキまで、蹴上げの高さを同じにする
- ステップには充分な踏みしろ(足が載るスペース)を取る
また、ステップの代りに、スロープを設けても良いでしょう。
車椅子が通れるように巾を取ったり、安全のため手すりをつけたり…臨機応変に対応できるのもDIYならではです。
長持ちさせるために
せっかく作りあげた大作です。大事に長く使いたいですね。長持ちさせる秘訣は、「腐らせないこと」につきます。
そのため年に一回は木材保護塗料を塗り、防腐処理を施しましょう。
この一手間で、耐久性がグンとアップするはずです!
完成した我が家のウッドデッキ |
さあ、あなたも手作りウッドデッキで、アウトリビングを楽しみませんか?
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