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トウブハコガメの基本情報と飼育方法……飼育はしやすい!?

今回は、トウブハコガメの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。トウブハコガメは、非常に人気の高い、北アメリカの代表的なハコガメであるカロリナハコガメTerrapene carolinaの基亜種です。本亜種の特徴は、多彩な体色パターンと言えるでしょう。

執筆者:星野 一三雄

トウブハコガメの基本情報

トウブハコガメの基本情報と飼育方法

写真提供:aLive

トウブハコガメ
学 名Terrapene carolina carolina別 名:-英 名:Eastern Box Turtle分 布:アメリカ合衆国東部(メイン州南部からミシガン州、イリノイ州、テネシー州、ジョージア州までの広い範囲)甲 長:12~22cm

非常に人気の高い、北アメリカの代表的なハコガメであるカロリナハコガメTerrapene carolinaの基亜種です。

カロリナハコガメは以下の6亜種に分けられています。

本亜種の特徴は、多彩な体色パターンと言えるでしょう。一般的には背甲全体の地色は暗褐色で各甲板に黄色からオレンジ色のさまざまな斑紋が入ります。この斑紋のパターンがさまざまで放射状、斑点、虫食い状などが見られます。さらに明色部分が多い個体や逆に全体的に暗い色の個体など個体差が非常に大きく、このバリエーションの豊富さで人気があります。写真の個体は残念ながら、やや地味な色彩のメス個体です。しかし、こういう個体もまたシックで落ち着いた感じで好感の持てます。

腹甲は暗褐色で明色の斑紋が入り、ハコガメの名からもわかるように、ヒンジ(蝶つがい)によって可動し箱状になることができます。

また四肢や頭部も写真の個体のように暗色のものから非常に明るく派手な色の個体まで見られます。成熟したオスは目の虹彩が赤色をしており、さらに派手さを演出しています。これらの色彩パターンは海外のサイトなどで見ることができ、同種とは思えないほどバラエティ豊富で見ていて飽きません。

ただし、多く流通する幼体はこれらの色彩が出ていないため地味な印象を受けます。

一般的には開けた森などに生息していますが、湿地や牧草地などでも生活しています。これらの生息地が開発によって減少、分断されたたためとペット用に大量に採集されたため個体数が激減し保護の対象となっています。

3-7月が産卵期で、メスは10cmほどの深さの穴を掘って長径24.5-40.2mm×短径17.0-25.1mmの卵を1-11個(平均4-5個)の卵を12-38日ほどの間隔をあけて2-3クラッチ産卵します。卵は25-27℃の室温程度で70-82日で孵化します。孵化した幼体は甲長が28-35mm程度の大きさです。

自然下では肉食が強い雑食で、昆虫類、甲殻類、巻き貝、ミミズ類、両生類、爬虫類など口に入る大きさのあらゆる動物質のものと果実やキノコなどを含めたこれまたあらゆる植物質のものを食べています。

カロリナハコガメとニシキハコガメは、かつて非常に多くの個体が安価に輸入されていたのですが、1994年にCITESの附属書IIに掲載されアメリカからの輸入が事実上ストップしてから人気が急上昇したカメたちです。本亜種もミツユビについで多く流通していましたが安価なために、あまり国内でCB化されませんでした。ここ数年であらためてその魅力が見直され、正規輸入とは考えられにくい個体もオークションなどで見かけるようになり、国内でも飼育数が増えてきました。ようやく昨年2006年あたりから国内のCBがまとまった数で流通するようになり、今後もっとも注目されるカメの一つと言えるでしょう。

まだまだ高価ですが、非常に魅力的なカメです。本亜種と言い、キボシイシガメと言い、アメリカから入ってこなくなった人気のカメをカメブリーダーさんたちはガンガン殖やしているわけで、本当に頭が下がる思いです。みんなスゲーよ。

でも、やっぱいくらなんでも高すぎるだろ...キボシみたく、もちっとだけ安くならんかなー...CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種

赤っ恥をかかない程度の知識
  • カロリナハコガメの基亜種
  • もっとも斑紋のバリエーションが豊富で、派手で美しい個体も多い
  • オスは目が赤くなる
  • 飼育はしやすい
  • 国内CBが流通しはじめている
 

トウブハコガメの飼育方法

飼育容器
幼体は60~90cmクラスの水槽や衣装ケースなど。通気性の確保ができるものがよい。成体は90cm以上必要。ただし理想的には屋外飼育

床材
保湿性のある素材を厚さ5~10cm程度

温度
低温部で22~24℃、高温部は28℃以下。夜間は15℃

照明
紫外線入りの爬虫類用蛍光灯など

容器内レイアウト
浅い水入れと2カ所以上のシェルター


雑食性ハコガメ用配合飼料、昆虫類、ピンクマウス、果物など

基本的な世話
アメリカでは飼育情報も充実している
  • 繁殖のためには冬眠をさせる
  • 一日一回霧吹きなどで湿度を高める
※「飼育の基本情報」は「爬虫両生類飼育入門(緑書房)」「ビバリウムガイド No9(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ1(誠文堂新光社)」を参考にしました。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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