グルメ・各国料理(海外)/アジア・アメリカ美食旅プラン

意外に知らない!? 韓国キムチ事情

韓国では「とりあえずビール」ならぬ「とりあえずキムチ」。いまや日本でもおなじみのキムチだが、やっぱり本場はひと味違う。珍しいキムチや最新キムチ事情まで、読めばキムチが食べたくなるはず!?

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

キムチ作りにボーナスが出たことも

画像の代替テキスト
くだものキムチは韓国でも知る人ぞ知る珍しい一品。リンゴや柿などを漬けるとか
韓国ではキムチにお目にかかる機会がとにかく多い。たいていのレストランでは、「とりあえずビール」ならぬ「とりあえずキムチ」。何も言わなくてもまずキムチが数皿出てくるし、基本的にどれだけ食べても無料という太っ腹。韓国料理の店にかぎらず、和食店で出されることもある。

説明するまでもないがキムチとは、白菜・大根・キュウリなどの食材を塩漬けにし、唐辛子やニンニクなどで味をつけて発酵させたもの。韓国の食卓に欠かせないのはもちろん、最近では日本のスーパーでも普通に売られている。

ところが意外なことに、韓国の人々はあまりキムチを買わない。もちろん韓国人が家でキムチを食べない、なんてことはなく各家庭で作るのだ。とくに11月下旬~12月中旬は「キムジャン」と呼ばれるキムチ作りシーズン。キムチ作りは一家総出の大作業になるため、以前は“キムジャン休暇”や“キムジャンボーナス”を出す企業も多かったらしい。

そんなわけで韓国のキムチは、かなり家庭色が濃いものになる。味付けはもちろん、使う食材もさまざまで、その種類は数百ともいわれている。有名なところでは、白菜キムチ、カクテギ(大根キムチ)、ヨルムキムチ(大根の葉を使った夏の定番)、チョンガクキムチ(葉のついた長い大根で作るキムチ。独身男性チョンガクの髪型に形が似ていたのが名前の由来)など。

リンゴや柿もキムチになる

一方、珍しいものとしては“くだものキムチ”なんてものもある。これは韓国でも知らない人が多いレアなキムチで、中身はリンゴ、柿、ナシ、栗、ネギ、ユッケ(生牛肉)など。ソウル在住4年目になる友人いわく、「韓国の人たちはどんなものでもキムチを漬けるので、キムチは本当にその家の特色が出ると思う」。くだものキムチは賞味期限が短いので保存食にはならないが、すぐ食べられるのが利点。白菜キムチなどができるまでの“間に合わせ”にもってこい。このくだものキムチに限らず、キムチのなかにユッケが入っていることも珍しくない。

もちろん時代とともにキムチをとりまく光景も変わり、本格的にキムジャンをやる家庭も年々減っている。しかし市販のキムチは1キロ8,000ウォン(約600円/2008年11月6日現在)前後と高めなこともあり、手作りキムチはまだまだ健在だ。90年代にはキムチ専用の「キムチ冷蔵庫」なるものも登場。新鮮なキムチの風味をより長く楽しめるようになった。

ちなみに長期間発酵させた酸味の強いキムチ(ムグンジ)は鍋(チゲ)と好相性。ネギキムチはラーメンにのせると美味しいそう。機会があればぜひお試しを。

【関連情報】
・本場で食べる韓国料理のグルメ情報(韓国)
・我が家のお雑煮に新レシピ 韓流・キムチ雑煮(ホームメイドクッキング)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます