ベナレス(バラナシ)を眺めよう
ベナレスの街中。牛や猿や犬もこの街でしっかり生きている。 |
ベナレスの街の屋根屋根。猿が屋根のあちこちに現れる。 |
元気に遊びまわる子供を、沐浴する人を、死を待つ人を、旅行者をだまそうと近づく詐欺師を、麻薬を売買するプッシャーを、大麻を吸う旅行者を、親切なインド人を、障害を隠そうともしない障害者たちを、皮膚のただれた病人たちを、サドゥーを、サドゥーになった西欧人たちを、焼けた遺体の一部を食べる野良犬を、浮いている腐乱体を、街を徘徊する牛を、川を跳ねるイルカを、サドゥーが操るコブラを、ホテルの部屋に忍び込むサルを、夕陽に映える凧を、ガンガーから昇る朝日を……
神、生死、貧富、幸不幸、聖俗、善悪……自分が知っているちっぽけな価値観など打ち壊されて、誰しもその本当の意味を問うことになる。
三島由紀夫と沢木耕太郎の一節は次のページへ。