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世界遺産登録数 国別ランキング

【2019年最新情報】世界遺産をもっとも多く保有している国はどこで、何件なんだろう? 日本はいったい何位くらいなんだろう? 最新の世界遺産登録数、国別ランキング・ベスト20はこちら!

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

世界遺産の国別ランキング

2019年7月時点(世界遺産総数1121件)の国別世界遺産登録数ランキング・ベスト20を発表しよう!
イタリアの世界遺産「ポルトヴェネーレ、チンクエ・テッレ及び小島群[パルマリア、ティーノ及びティネット島]」、マナローラの街並み

イタリアの世界遺産「ポルトヴェネーレ、チンクエ・テッレ及び小島群[パルマリア、ティーノ及びティネット島]」、マナローラの街並み。豊かな海と山に恵まれたことが、イタリアに世界遺産が多いひとつの理由となっている

■世界遺産登録数国別ランキング
  •  1位……55件 イタリア
  •  同……55件 中国
  •  3位……48件 スペイン
  •  4位……46件 ドイツ
  •  5位……45件 フランス
  •  6位……38件 インド
  •  7位……35件 メキシコ
  •  8位……32件 イギリス
  •  9位……29件 ロシア
  • 10位……24件 イラン
  •  同……24件 アメリカ
  • 12位……23件 日本
  • 13位……22件 ブラジル
  • 14位……20件 オーストラリア
  •  同……20件 カナダ
  • 16位……18件 ギリシア
  •  同……18件 トルコ
  • 18位……17件 ポルトガル
  • 19位……16件 ポーランド
  • 20位……15件 スウェーデン
  • 次点……14件 チェコ、韓国
1位は同数でイタリアと中国! イタリアは2007年・2012年・2016年を除くと1993年から毎年確実に世界遺産を増やしている。バランスよく伸ばしているのが中国で、2010~2019年の間に文化遺産10件・自然遺産7件を登録している。中国は2013年にスペインを抜いて2位に躍進し、2016年に首位イタリアに1件差に詰め、2019年に追いついている。

このところの中国の登録数はダントツ世界一で、10年で17件にもなる。日本も10年で9件を登録しているが、それでも8件も差が開いてしまった。以下は2010~2019年に限ったベスト5だ。現在、世界遺産リストへの推薦は各国年1件に絞られており、この差は容易に埋まりそうにない。

■ここ10年の登録数国別ランキング
  • 1位……17件 中国
  • 2位……14件 イラン
  • 3位……12件 ドイツ
  •   同……12件 フランス
  • 5位……11件 インド
  • 次点…… 9件 イタリア、トルコ、日本
世界遺産に対する力の入れ方は国によって異なり、たとえばアメリカは1996年以降、2010年まで登録がない。アメリカはユネスコの政治的介入を嫌って1984年に脱退しており(2003年復帰)、その後もオブザーバー(議決権のない傍聴者)として参加して登録数を増やしていたが、イエローストーンの保護などを巡ってユネスコと対立し、登録を停止してしまった。2012年にもパレスチナのユネスコ加盟や世界遺産登録に反対して拠出金を停止し、2018年末にイスラエルとともにふたたびユネスコを脱退している(世界遺産委員会にはオブザーバー参加)。

全体的な傾向としては、ヨーロッパが多く、ヨーロッパでないとしてもほとんど先進国が占めている。世界遺産の多い国が毎年のように登録を重ねる一方、登録数が少ない国はなかなか増やせていない。ただ、世界遺産非保有国は年々減少しており、2011年2か国、2012年4か国、2013年3か国、2014年1か国、2015年2か国、2016年2か国、2017年2か国に世界遺産がはじめて誕生している。条約締結国193か国の中で非保有国は26か国となっている。

ヨーロッパ諸国に世界遺産が多い理由は、もともと世界遺産条約が欧米主導で進み、登録が容易な初期に一気に登録数を増やしたことが大きい。また、多彩な文化・文明が栄えたことも一因で、「クロマニヨン人の文化→エーゲ文明や巨石文化→ギリシア・ローマ文化→ゲルマン人の文化→キリスト教文化→ルネサンス→大航海時代→産業革命」と、時代時代を彩る建築物が存在し、それぞれに意義を持つ。

さらに、たとえばイタリアやドイツはひとつの国として強くまとまっていたわけではなく、多数の都市国家や領邦国家が存在し、地方が独立国のように振る舞っていた。このため官公庁や大聖堂が都市ごとに存在し、それらが特徴ある歴史地区や旧市街を形成している。

中国、インドもその点は同様で、各時代・各地方に多数の民族・宗教・文化・自然が存在し、むしろ統一されていた時代の方が短いほど。その多彩性が多くの世界遺産を生んでいる。

小国や途上国は一般的にそのような多彩性に乏しく、土や木の文化は残りにくいということもある。文化や自然の保護よりも開発を優先する国もあるし、予算や治安の点から保護体制が整わなかったり、専門家が存在しないという現状もあるだろう。

世界遺産は有形の不動産のみを扱っているが、ユネスコは別の価値観から文化を守るために、無形文化遺産や世界の記憶(世界記録遺産)などの活動も行っている。

<世界遺産の数と国別ランキング>
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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