世界遺産の国別ランキング

それでは2017年7月時点(世界遺産総数1073件)の国別世界遺産登録数ランキング・ベスト20を発表しよう!
コロッセオ

イタリアの象徴、ローマのコロッセオ。イタリア・バチカン共通の世界遺産である「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂」に含まれている

■世界遺産登録数国別ランキング
  • 1位……53件 イタリア
  • 2位……52件 中国
  • 3位……46件 スペイン
  • 4位……43件 フランス
  • 5位……42件 ドイツ
  • 6位……36件 インド
  • 7位……34件 メキシコ
  • 8位……31件 イギリス
  • 9位……28件 ロシア
  • 10位……23件 アメリカ
  • 11位……22件 イラン
  • 12位……21件 日本
  • 同……21件 ブラジル
  • 14位……19件 オーストラリア
  • 15位……18件 ギリシア
  • 同……18件 カナダ
  • 17位……17件 トルコ
  • 18位……15件 スウェーデン
  • 同……15件 ポルトガル
  • 同……15件 ポーランド
  • 次点……13件 ベルギー
1位はイタリア! イタリアは2007年・2012年・2016年を除くと1993年から毎年確実に世界遺産を増やしている。バランスよく伸ばしているのが中国で、2008~2017年の間に文化遺産11件・自然遺産6件を登録している。中国は2013年にスペインを抜いて2位に躍進し、2015年には首位イタリアに1件差に詰めている。

このところの中国の登録件数はダントツ世界一で、10年で17件にもなる。日本は7件なので、10年で10件も差が開いてしまった。以下は2008~2017年に限ったベスト5だ。現在、世界遺産リストへの推薦は各国年2件までで、2件の場合、1件は自然遺産か文化的景観でなければならないという条件がある(複数国にまたがるトランスパンダリー・サイトの場合、主導する国の推薦枠を使用する)。このためこの差は容易には埋まりそうもない。

■ここ10年の登録数国別ランキング
  •  1位……17件 中国
  •  2位……14件 イラン
  •  3位……12件 イタリア
  •  同……12件 フランス
  •  5位……11件 ドイツ
世界遺産に対する力の入れ方は国によって異なり、たとえばアメリカは1996年以降、2010年まで登録がない。アメリカはユネスコの政治的介入を嫌って1984年に脱退しており(2003年復帰)、その後もオブザーバーとして参加して登録数を増やしていたが、イエローストーンの保護などを巡ってユネスコと対立し、登録を停止してしまった。2012年もパレスチナのユネスコ加盟や「イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路」の世界遺産登録に反対しており、拠出金を停止。翌年にはユネスコの投票権を喪失した。

全体的な傾向としては、ヨーロッパが多く、ヨーロッパでないとしてもほとんど先進国が占めている。世界遺産の多い国が毎年のように登録を重ねる一方、登録数が少ない国はなかなか増やせていない。ただ、世界遺産非保有国は年々減少しており、2011年2か国、2012年4か国、2013年3か国、2014年1か国、2015年2か国、2016年2か国、2017年2か国に世界遺産がはじめて誕生した。条約締結国193か国の中で非保有国は26か国となっている。

ヨーロッパ諸国に世界遺産が多い理由は、多彩な文化・文明が栄えたことが一因だろう。「クロマニヨン人の文化→エーゲ文明や巨石文化→ギリシア・ローマ文化→ゲルマン人の文化→キリスト教文化→ルネサンス→大航海時代→産業革命」と、時代時代を彩る建築物が存在し、それぞれに意義を持つ。

また、たとえばイタリアやドイツはひとつの国として強くまとまっていたわけではなく、多数の都市国家が存在し、地方が独立国のように振る舞っていた。そのため官公庁や大聖堂が都市ごとに存在し、それらが特徴ある歴史地区や旧市街を形成している。

中国、インドもその点は同様で、各時代・各地方に多数の民族・宗教・文化が存在し、むしろ統一されていた時代の方が短いほど。その多彩性が多くの世界遺産を生んでいる。

途上国は一般的にそのような多彩性に乏しく、土や木の文化は残りにくいということもある。文化や自然の保護よりも開発を優先する国もあるし、予算や治安の点から保護体制が整わなかったり、専門家が存在しないという現状もあるだろう。

世界遺産は有形の不動産のみを扱っているが、ユネスコは別の価値観から文化を守るために、無形文化遺産や世界の記憶(世界記録遺産)などの活動も行っている。

<世界遺産の数と国別ランキング>


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