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三梨牛を知っていますか?

わずか14軒の畜産農家のみが作る、希少な黒毛和牛、三梨牛をご存知ですか? きめ細かな霜降りは絶品。生産者が手をかけて育てたことがよくわかる、日本の高級和牛肉の王道を行くような実に見事な味わいです。

土屋 敦

執筆者:土屋 敦

男の料理ガイド

モモ肉


実は8月に入ってからこっそりブログを書いています。いまだ読んでくれている人は一日に10人~20人ぐらいの超低人気ブログなのですが、先日、今回ご紹介する牛肉のことを書いたところ、なんと2時間で100人の来訪がありました。牛肉の魅力ってすごいものなんですねぇ。

ブログでご紹介した牛肉は、三梨牛。秋田の最高級黒毛和牛です。豚肉好き、赤身肉好きの私でさえ、思いっきりノックアウトされてしまったこの霜降り牛肉、黒毛和種を生産者が手をかけて育てたことがよくわかる、日本の高級和牛肉の王道を行くような実に見事な味わいです。


わずか14軒の農家だけが育てる希少な最高級肉

三梨牛は秋田県湯沢市の三梨地区で、14軒の農家によって育てられています。非常に規模が小さく、希少です。現在は、ほとんどが秋田県内で消費されてしまい、今のところ県外に出荷する予定もないそうです。

しかし、ありがたいことにネットで販売しているお店があります。このお店については、この記事の最後にご紹介しますので、興味のあるかたはぜひ注文してみてください。


経験に基づく、考え抜かれた飼料

三梨牛は自然豊かな環境で育てられます。飼育用の水は、栗駒山系の清冽で豊かな湧き水を地下50メートルから汲み上げて利用します。牛にストレスを与えないよう、狭い牛舎に牛を押し込めたりせず、ゆったりとしたスペースで育てられているそうです。 まずはこのページ冒頭の肉を見てください。サシの少ないモモ肉が、この状態です。リブロースやサーロインなどは大変なことになっているのでしょう。私はこのモモ肉のブロックが大変気に入りました。さまざまな料理のイメージが湧いてきます。

この良質な肉を作る大きなポイントは、飼料です。三梨では、稲わらや乾草のほか、22種類もの飼料を混ぜた「三梨配合」と呼ばれる自家配合の「濃厚飼料」を与えています。濃厚飼料というと、脂や肉をつけて太らせるためのこってりとした飼料を想像してしまいますが、小麦や大麦のふすま、米ぬかなどが多く配合され、消化を助け、牛に負担をかけない飼料になっている、とのこと。また各農家でその配合は違うそうです。

今回の肉は、三梨牛の代表的な肥育農家で、40年以上も牛を肥育している後藤庄策さんとご子息の路直さんが育てた牛です。お二人は約60頭の黒毛和牛を育てていますが、一頭一頭の体調や体重を見て、それぞれの牛に与える飼料の量を日々細かく変える徹底した飼料管理をして育てているそうです。もちろん、飼料は「三梨配合」ですが、長年の経験に基づいた独自の割合になっています。


>次ページでは、三梨牛がどれぐらい高品質なのか解説します

>三梨牛のローストの作り方はこちら
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