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ほんとに知ってる?定番資格【通関士編】(4ページ目)

「定番資格」を様々な角度から再検証するシリーズ。第9弾は、ご存知通関業務のプロフェッショナル資格「通関士」を取り上げます。「通関士」の概要・対策・効果とは?

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

「通関士」資格の効果

貿易分野唯一の国家資格「通関士」。取得後、どのくらいの「効果」があるものなのでしょうか?一般的に考えられる「効果」を挙げてみましょう。

■その1:就・転職に効く!ただし経験・英語力があれば……
通関手続の「業務独占資格」である「通関士」。通関業者の求人にその名が挙がるのは当然です。しかし、例えば専任の「通関士」としてではなく、通関士補助などでの求人では、必ずしも資格は必須ではなく、「経験あれば可」としているケースもあり。そう考えると、ここでも「経験>資格」の雇用市場の原則は生きており、未経験の「通関士」ホルダーの場合、必ずしも資格の効果は「絶対」ではないと言えるでしょう。

一方、おなじみ「リクナビNEXT」など、いわゆる求人サイトなどで調べてみると、「通関士」としての求人はほとんど見当たらず、かえって倉庫、運送、流通業などの貿易関連業種における事務職や営業職など一般的な職種で、有資格者歓迎、あるいは持っていれば「尚可」となっていることがわかります。(2007.6.13調べ)
これらの業務では、もちろん「通関士」を名乗って通関手続を行うわけではないので、「通関士」資格は必須ではありませんが、通関業務のプロフェッショナルの証明であるこの資格が、こうした貿易関連業種でやはり珍重されていることは確かです。

ということで、「通関士」としてではなくとも、貿易関連の仕事をしてみたい!という人にとって、「通関士」のアピール効果は大。ただし、こうした業種では、往々にして高い英語力が求められることが多いのですが、残念ながら、「通関士」資格だけではその点を補うことができません。そこで、資格にプラスして、TOEIC600点以上の英語力がアピールできると更にチャンスは広がります。

■その2:派遣での就業に効く!
通関業者は、確かに各営業所に専任の「通関士」を置かなければならないのですが、この場合の「通関士」は、正社員に限定されていません。また最近は、従来の貿易関連業種に加え、海外と直接やりとりをするメーカーが増えるなど、一般企業においても「通関士」などの貿易関連知識・スキルを持った派遣スタッフへのニーズが拡大しています。
派遣の求人と言えども、実務経験があれば、資格がなくともアピールになるのは、一般の就・転職のケースと同様。しかしながら「即戦力」が求められ、スキル重視の傾向がさらに顕著な派遣業務では、スキルの客観的な評価が大きな決め手。そのため必須資格を指定してくる企業も多く、同じような経験であれば、その経験・スキルを的確に評価する資格は、無いより有る方が断然仕事に結びつきやすくなるのです。その効果は、もちろん時給にも直結します。

■その3:社内キャリアアップ&年収アップに効く!
前述のとおり、「通関士」資格取得には、先に資格を取ってから就職するパターンと、通関業者に入社後、実務経験を積んでから取得するパターンとがあります。当然のことながら、後者では企業側も資格取得を奨励、プレッシャーもそれなりです。しかし、その分取得すれば、社内評価アップは確実。自発的に取得を目指すだけでなく、「業務命令」にもしっかり応えておきましょう。
更に嬉しいのが、多くの企業で「通関士」が資格手当ての対象となっていること。通関業者の給与水準は、他の業種と比べて特に高いというわけではありませんが、資格手当て分だけでも年収がアップするなら大歓迎。この傾向は、通関業者に限らず、一般の貿易関連業種でも同様です。




■こちらも注目!
日本貿易実務検定協会:貿易実務検定(R)
貿易に関する実務能力・知識を客観的に証明する検定試験。民間資格ながら、一般の貿易関連の求人では、「通関士」と並んで名前が挙がっている実力派。上からA、準A、B、C級の4段階で、A級は合格率7%程度の超難関です。B級で1~3年以上の実務経験レベル。就職活動に活かすなら、ここから上を狙いたい。

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