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ほんとに知ってる?定番資格【通関士編】(2ページ目)

「定番資格」を様々な角度から再検証するシリーズ。第9弾は、ご存知通関業務のプロフェッショナル資格「通関士」を取り上げます。「通関士」の概要・対策・効果とは?

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

「通関士」ってどんな資格?

資格の「ステータス」を決定する要素は様々ありますが、「業務独占資格」(その資格を持っていないと行えない業務がある)か否か、というのもそのひとつ。
財務省管轄の国家資格である「通関士」は、「通関書類(輸出入申告書)の審査及び記名押印」という独占業務を持つ、立派な「業務独占資格」です。
輸出入の際には、税関の許可が必須。通常、外国貿易で商品の輸出入を行うのは、商社やメーカーなどの輸出入業者ですが、高度な専門知識を要求される通関手続は「通関業者」(運送業、倉庫業、航空業、旅行業などとの兼業も多い)と呼ばれる専門業者が代行するのが一般的です。
通関業者は、各営業所ごとに専任の通関士を1名以上おかなければならない(通関業法施行令第4条第1項)と規定されており、専任の「通関士」としての活躍の場もここです。「通関士」の業務には「通関手続」のほか、「不服申立て」「税関に対する主張・陳述」「通関書類作成」があります。

ただし公式サイトによれば、平成18年4月1日現在、全国の通関士試験合格者の内、「通関士」として通関業務に従事している人が6,713人、通関士以外の通関業務に従事している人は8,027人と、試験に合格すれば誰もが「通関士」を名乗って働けるというわけではありません。

「通関士」として通関業務に従事するためには、勤務先の通関業者の申請に基づく税関長の審査・確認が必要。そのためには、通関業者へ就職し、実務経験を積まなければなりません。
ところが実際には、通関業者に就職はしたけれども、通関手続きは専らベテラン「通関士」の担当で、自分はタッチできない、とか、輸出入業務のある一般企業(商社、メーカー、流通など)に就職して、通関関連業務を行うケースなどがあるため、このような数字となっているのです。

このように、「通関士」を名乗るためのハードルは高いものの、裏を返せば、この資格がいわゆる通関業者だけでなく、幅広い業種で「仕事に活かせる資格」であるということ。特に、海外取引が増加傾向にある近年、通関業者に通関手続き代行を依頼する企業側にも、「通関士」資格取得者の需要は益々高まりつつあります。
以下、試験概要です。

■通関士試験
試験概要(1)通関業法:択一式6問、 選択式8問
(2)関税法、関税定率法その他 関税に関する 法律及び外国為替及び外国貿易法関係法令(第6章に係る部分に限る):択一式15問、選択式15問
(3)通関書類の作成要領、その他:択一式4問、選択式2問、計算式4問
以上全てマークシート式で回答
※通関業者の通関業務又は官庁における関税その他通関に関する事務(税関の事務及びその監督に係る事務)に通算15年以上従事した人は(2)(3)免除
※通関業者の通関業務又は官庁における通関事務(税関における貨物の通関事務(その監督に係る事務を含む。)に通算5年以上従事した人は(3)免除
受験資格学歴、年齢、経歴、国籍などの制限は一切なし
受験料3,000円
実施会場札幌、仙台、東京、横浜、新潟、静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡、熊本、那覇
試験日例年10月上旬の日曜日(今年は2007年10月14日実施予定)


公式サイト:
税関:通関士試験
受験予定の方は、必ずこちらをチェックしてください。


 >>「通関士」の合格率と試験対策については次ページで!
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