資格・検定/資格の取り方・キャリアへの活かし方

履歴書に書ける資格とは? 資格欄の書き方と企業側の心理

履歴書の資格欄を最大限に生かして転職活動を行うなら、持っている資格をただ並べるだけではダメ。「履歴書に書ける資格」を持つ人にも持たない人にも役に立つ、履歴書の書き方と簡単な資格欄の活用方法をご紹介していきます!

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

歴書に書ける資格をいくつも持っていても何の戦略も無く書くだけではデメリットとなることもあります。書き方を工夫して最大の効果を狙いましょう!

歴書に書ける資格をいくつも持っていても何の戦略も無く書くだけではデメリットとなることもあります。書き方を工夫して最大の効果を狙いましょう!


「履歴書に書ける資格、○○を取ろう!」とは、資格PRのうたい文句のひとつ。ところが、実際には「この資格は履歴書に書けます・書けません」という明確な決まりごとがあるわけではありません。

履歴書の資格欄を生かすも殺すも、すべてのポイントは資格の書き方にあるのです。

今回は、書き方次第で立派な自己プレゼンツールになる、履歴書資格欄の活用方法をご紹介します!
   
<目次> <ケース別・資格欄の書き方>
 

「履歴書に書ける資格」とは、どんな資格か?

まず、「履歴書に書ける資格」とは、どんな資格のことを言うのでしょうか? 一般的に考えられるのは、下記のような資格です。

国家資格、公的資格
税理士、不動産鑑定士、社会保険労務士、自動車免許など

・希望する業務との関連度が高い資格・検定
経理:簿記、IT:各種ベンダー資格、介護:ホームヘルパーなど

・世間の認知度が高い資格で、ある程度のランク以上の資格・検定
英検なら2級以上、TOEICなら550点以上からが一般的

それなら、この条件に合う資格なら何でも書けば良いか、というと実はそうではありません。反対に、この条件に合わないからと言って、履歴書に「書いてはいけない」わけでもありません。
 

会社は「履歴書の資格欄」で何を判断するのか?

採用側は資格欄の記述から、以下のような事柄を読み取ろうとしています。
・どのような能力、スキルがあるか
・どんな分野、職業を志向しているのか
・能力開発、自己啓発の意欲はあるか

これを踏まえて、資格欄の活用方法についてケース別に解説します。
 

ケース別・資格欄の書き方1. 保有資格の分野が様々で一貫性がない 

複数の資格を持っているが、「英検2級」「消費生活アドバイザー」「宅建」と分野はバラバラ……。

これでは、採用者側へのアピール効果はかなり疑問です。採用者側は「資格欄」から能力・スキルだけでなく、あなたの指向性を知ろうとしています。

取得資格の分野がバラバラだと、キャリアに対する志向性や計画性が感じられません。結果、「何がやりたいのかよくわからない」という印象を持たれる可能性が大きいでしょう。資格を取ること自体が目的の「資格マニア」と受け取られ、資格取得にかけた労力がきちんと評価されないこともあります。

■アドバイス
大切なのは、その資格を「何のために取ったのか」ということ、そして、実際に取ることにより自分が何を身に付け、それが今後の仕事にどのようにプラスになるかを整理しておくことです。

たとえば、取得理由が「業務上不可欠だったから」とすれば、業務に必要な知識やスキルを積極的に身に付けてきた実績となるので、「ゆえに、全く新しい分野の御社での業務に関しても意欲的に取り組めます!」とつなげます。

資格の分野に一貫性がない、希望職種と直接つながりがないということは、裏を返せば、「他の応募者には無い強み・個性になる可能性がある」ということ。資格欄に漫然と資格名を並べるだけではなく、志望動機欄や特技欄なども活用して、一見関係のない資格でも役に立つことをアピールしましょう!
 

ケース別・資格欄の書き方2. 保有資格に希望職種との関連がない

履歴書の資格欄は自分をアピールする手段!効果的な書き方でぜひ有効活用しましょう。

履歴書の資格欄は自分をアピールする手段!効果的な書き方でぜひ有効活用しましょう。


取得した資格は、簿記、CPA、英文会計など、一貫して経理関係。これで経理職を希望しているならアピール度は抜群ですが、「希望職種は全く別の分野」となると話は別です。

今度は一貫性が仇となり、「これだけ資格を持っているのに、どうして経理の仕事を希望しないの?」と受け取られるでしょう。あるいは、先方から「ぜひ、経理で」と打診を受ける可能性も大。

これも資格が客観的にあなたの能力・スキルを証明するという役割以外に、あなたのキャリアの志向性を表現しているからに他なりません。

■アドバイス
せっかく資格を持っているのに、別分野の仕事を希望する理由を明確に説明できるようにしましょう。これまで培ってきたものを捨てて、別の分野にチャレンジするには、それなりの理由・動機があるはず。

明確でない人は、再度自分自身を見つめ直す必要があるでしょう。「どうしてもこれをやりたい」という理由が明確になったら、取得資格をすべて書き出す必要があるのかどうかも検討します。

例えば、「CPA、英文会計」にすれば、経理知識だけでなく、英語力アピールにもつなげられます。希望職種が英語力を必要とするのであれば、書いておいて損はないでしょう。

「持っているから」と全てを書くのではなく、戦略的に取捨選択をする必要があるのです。また、まだ取得はしていないけれど、希望職種に関連する資格を取ろうと思っているならば、それもぜひ書いておくことをお勧めします。
 

ケース別・資格欄の書き方3. 資格を取得してから時間が経っている

資格は持ってはいても、取得してからずいぶん時間が経っているという場合、採用側が気にするのは「知識・スキルが陳腐化していないか?」です。

特に日々磨いていないとスキルダウンする語学力、常に新しい知識を吸収することが求められる技術系資格は、取得年月日が古すぎると資格の意味をなしません。

また、資格取得後に関連業務を経験をしていないケースでも、資格=即戦力の証とは見なしてもらえない可能性が高いのです。

■アドバイス
ここで重要なのは、「古い資格」が採用者側に与えるマイナス印象を解消する努力をすることです。TOEICなどランクがある検定試験ならまずは再受検し、最新スコアを書きます。また、一度取ればOKという資格の場合は、その他の関連資格を取得(あるいは取得を目指すことをアピール)することで、継続的な学習をしている印象を与えられます。
 

ケース別・資格欄の書き方4. 履歴書に書ける資格を持っていない

資格欄を空白にするのはお勧めできません。資格欄が空白=「能力開発、自己啓発の意欲が低い」と見なされてしまうからです。何としてもこれは避けたいですよね。

■アドバイス
資格ではなくとも、「これまでの社内外の研修歴」「○月に希望職種に関連する資格試験を受検予定」「TOEIC600点を目指して勉強中」など、あなたの能力、スキルや意欲をアピールできる材料を、ぜひ積極的に記入しましょう。

資格欄には書きづらい趣味やお稽古ごと関連の資格などは、資格欄ではなく、志望動機欄、特技欄、あるいは別添の職務経歴書に記入すると良いでしょう。仕事には直接関連がなくても、あなたらしさをアピールすることにつながります。

その場合は、ただ「趣味・特技:書道」としたり、資格名だけを書くのではなく、「長年続けてきた書道で、短時間で集中するコツを学びました」など、何かしら、ビジネス現場で発揮できる特性やスキルと関連付けるとより効果的です。

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