根本的問題
歌舞伎町案内人365日 朝日新聞社 |
――その記事は私も拝見しました。かなりディープというか、「渾身の記事」という印象が残っています。実行犯の内2人は、先頃、中国で死刑を求刑されましたね。李さんは記事中で、中国ではいわゆる「独生子女~一人っ子政策」によって「小皇帝」と呼ばれて子どもが甘やかされて育ち、「忍耐力」がない、ということに言及されていました。それで、何かすごくわかったような気がしたんです。まぁ、日本でも同じようなものだとは思うのですが。
それもありますが、やはり日本の留学生受け入れ態勢にも問題があると思います。1983年に日本政府による「留学生受け入れ10万人計画」が実施されて以降、来日する留学生の数は激増しました。しかし、日本側の安易に受け入れてその後のケアが不十分だという施策には不満を感じています。
でも、もちろん、だからといって彼らが犯罪に走ることをしかたがないと言っているのではありませんよ。むしろ、留学生を受け入れるのを厳しくして、しっかりケアして欲しいということなんです。どうも、日本のやり方はいつも後手後手に回っているようです。最初にしっかりとしたビジョンでやるべきだと思いますね。
――それは、わかりやすく言っていただくと、たとえばどういった内容でしょうか?
たとえばアジア諸国と日本を比べると、物価、貨幣価値がかなり違いますよね。するとどうしても働かないと生活が追いつかない。でも働くことは制限されている。するとヤミで働くというか、生活のためには不法就労するか、不良グループに入って犯罪に荷担するしかなくなってしまうわけですよ。だから、留学生の数を少なくして手当てを十分にするべきなんです。
李小牧氏の場合
――李さんは、ご自身も1988年に私費留学生として来日されました。それで色々なアルバイトを経験されて、歌舞伎町で「案内人」となられた。ちょうど日本でバブルの時期でタイミングもよかったのでしょうが、もし歌舞伎町と出会わなかったら、日本で生活することは困難だったかもしれないわけですね。そうですよ~。私だって、生きるために犯罪に手を染めていたかもしれない(笑)。だが、幸いそんなことにもならず、ここまでやってこれたのは、ラッキーでした。
――ただ運がいいだけでは、今のようなご活躍は出来ませんよ。やはり、大変なご苦労をしてこられたのだと思います。
まぁ、私の歌舞伎町での、いや中国を含むこれまでの波瀾万丈の人生は2冊の著書、そしてこの12月16日に発売になる3冊目の著書「歌舞伎町案内人365日」を読んでいただければおわかりになると思います。
――あのぉ、もしよろしければこの「防犯」サイトのユーザーの皆さんにプレゼントということでお願いできますか? 前回も出版社さんにご協力いただきましたが。
もちろん、いいですよ。担当者は私のベストポンヨウ~朋友ですから(笑)、頼んでおきます。
――ありがとうございます! 今日は色々と深い、濃い内容のお話をありがとうございました。
● 平成16年12月11日(土)21:00~放送 テレビ東京「出没!アド街ック天国」~歌舞伎町編~で、李小牧氏がランクインしています。
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李 小牧氏のホームページ「ONLINE 歌舞伎町案内人」著書第1作「歌舞伎町案内人」 角川書店
著書第2作「新宿歌舞伎町アンダーワールドガイド」 日本文芸社
著書第3作「歌舞伎町案内人365日」 朝日新聞社
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