【七夕Q&A】天の川の正体って? 織姫・彦星は雨でも再会できる?
七夕といえば天の川
Q. 七夕に「天の川」は本当に見られるのでしょうか?
七夕の頃の天の川
私は天の川を見たことがありません。本当に七夕に見ることはできるのでしょうか?
【回答】
天の川は、天候がよく、夜空の暗い時間・場所なら見られますが、街灯りなどがあると見えにくいため、街なかに住んでいると見たことがない人が多いと思います。
7月7日の七夕頃の日没は19時位ですが、天の川が見られるのは完全に暗くなってから。日没から1時間半ぐらいで空が真っ暗になるため、21時頃に東の空を眺めると天の川が見えるはずです。街灯りなどで明るいと見えないため、極力灯りが少ない場所に行ってみてください。
また、天の川までは見えないところでも、こと座のベガ・わし座のアルタイル・白鳥座のデネブの「夏の大三角」は見えることが多いです。七夕伝説は、天の川にある「夏の大三角」がモチーフで、ベガが織姫、アルタイルが彦星、デネブが二人を渡すカササギという鳥を表しています。
残念ながら雨や曇りだと見えないので、天候が悪いときは別の日にしましょう。空が暗いほうがいいので、新月に近いほうが好条件になります。また、月遅れの七夕である8月7日、または、旧暦の7月7日(8月中旬頃)に見る方法もあります。梅雨時の7月7日より見えるチャンスは多いはずです。
Q. 天の川の正体って何でしょうか……。
天の川銀河のシミュレーション図
天の川の正体って何でしょうか? 伝説の中にしか存在しないのではないでしょうか……。
【回答】
天の川は存在しています。天の川を肉眼で見ると、帯状の白い雲のように見えますが、双眼鏡や望遠鏡を使うとたくさんの星の集まりであることがわかります。
夜空を横切るように流れる天の川ですが、その正体は無数の星が集まった「天の川銀河(銀河系)」。上から見ると渦巻きの形、横から見ると真ん中がふくらんだ円盤のような形をしているそうです。
地球を含む太陽系は天の川銀河に属しており、円盤のほぼ中心面上に位置しているため、自分たちのいる銀河を中から見ると、川のような帯状に見えるというわけです。
天の川は“一年中”見ることができますが、一番明るく見えるのが夏です。夏の星座として知られる射手座のあたりが天の川銀河の中心で、星が最も密集しているからです。
※参考サイト:国立天文台
※参考文献:『深すぎてヤバい 宇宙の図鑑』著/本間希樹(講談社)
Q. 本当に織姫・彦星は年に一度の再会を果たせているのでしょうか。
天の川に輝く「夏の大三角」は、七夕のルーツである七夕伝説を象徴している
織姫と彦星は、年に一度の再会を毎年果たしているのでしょうか?
【回答】
この一年、織姫と彦星がきちんと働いていれば再会できているはずです。
そもそも織姫と彦星が天の川をはさんで離ればなれになったのは、結婚後、仲良くするばかりで仕事をしなくなったため、怒った天帝が二人を離れさせたからです。これで働くようになるかと思ったら今度は悲しむばかりなので、きちんと働くことを条件に、年に一度、7月7日の夜(七夕)の再会を許しました。
それからは、年に一度の再会を楽しみに仕事に精を出すようになり、七夕になると天帝に命じられたカササギが連なって天の川を渡すための橋になる、というのが七夕伝説です。
▷詳しくは、「七夕とはどんな行事?たなばたの由来・起源や意味、『七夕伝説』を解説」をご覧ください。
ただし「雨が降ったら会えない」という説(天の川の水かさが増し、渡ることができないから/カササギが羽を広げて橋を作ることができないから)と、「雨が降っても会える」という説(雨でもカササギが頑張ってくれるから/二人にとっては雲間をぬって逢瀬をしやすくなるから)があり、その理由もさまざまです。
また、7月7日に降る雨を「催涙雨(さいるいう)」または「洒涙雨(さいるいう)」といい、織姫と彦星が会えないことを悲しむ涙雨とも、やっと会えた嬉し涙、あるいは逢瀬のあとで流す涙雨ともいわれています。
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