ミズナラの香味が潜んだプレミアムハイボール缶
サントリープレミアムハイボール<白州>350ml缶表面(左)・裏面(右)
2023年は山崎蒸溜所100周年。サントリーウイスキー、そして日本の本格ウイスキーづくり100年でもある。この春には100周年記念ラベルも発売された(『シングルモルト山崎・白州100周年記念蒸溜所ラベル』記事参照)。
また6月には白州のハイボール缶(『プレミアムハイボール<白州>350ml缶限定発売』記事参照)が同じくウイスキーづくり100年を記念して発売されている。
さて、山崎蒸溜所モルトウイスキーを吟味、厳選してつくられたプレミアムハイボールについて推測してみよう。山崎蒸溜所が生むシングルモルトには現在ノンエイジ「山崎」「山崎12年」「山崎18年」「山崎25年」がある。このプレミアムハイボール缶はこれらのスタンダード製品とは異なり、まったく新たにハイボール用として香味設計されたものである。
パッケージには“山崎蒸溜所謹製原酒 ハイボール”とともに“ミズナラの深い余韻”と記されている。これはわたしの憶測であるが、山崎のお家芸とも言えるパンチョン樽(ホワイトオーク)を主体に、こちらも山崎を語る上で重要なミズナラ樽の特長を巧みに生かしているのではなかろうか。
おそらくバニラ、フルーティーといったホワイトオークの香味特性に、ミズナラ樽熟成原酒のココナッツや柑橘系の甘みが調和しているはずだ。そして平均酒齢は意外と高いと推測する。ミズナラ樽でのモルト熟成は年月を重ねるほどその魅力を発揮する。長期熟成モルトが使われていることだろう。
「プレミアムハイボール<白州>缶」同様、口当たりよく、爽やかで柔らかい味わいのハイボールに仕上げてあるのではなかろうか。若い飲み手へのシングルモルト入門的なハイボールともなることだろう。
グラスに氷をたっぷりと詰め、缶から注ぎ入れて飲むことをおすすめする。山崎モルトが清々しい香味となって立ちのぼってくるはずだ。
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