今回もウイスキーベースのスタンダード3品
新型コロナウイルスの感染者数は落ち着いてきているものの、変異株オミクロンによって先行きの不透明感が漂ったままだ。日常の活動に再び制限がかかる事態だけは避けたい、と誰もが願っている。酒場の営業にも影響が出ないようにと祈るしかない。
バーに行ける状況ではあるが、新型コロナ禍でのマナーは守りながらカクテルを味わっていただきたい。長居せず、キレイに立ち去る。ある意味、粋な飲み方を身につけるいい機会ともいえる。
さて、バーで飲むウイスキーベースのカクテル。今回も3品取り上げよう。
前回、『バーで飲もう、ウイスキーベースのカクテル1』で述べたように、ベースとなるウイスキーのブランドを指定してオーダーしてみていただきたい。こういった飲み方から、バーテンダーとの会話も弾み、バーテンダーおすすめのブランドを聞いたり、またそれと飲み比べながら、自分の好みの味わいを見つけることもできる。
たとえばカクテルの王「マティーニ」であっても、ベースのジンは何にするのか、ベルモットに何を使うのかで、味わいのタッチは違ってくる。
ニューヨーク
大型豪華客船が世界の港を結んだ最も華やかな時代、19世紀末から20世紀初頭に生まれたカクテルといわれている。港町のバーや豪華客船内のバーで生まれ、人気の高いレシピが港から港へと伝わりスタンダードとなった“港町カクテル”と呼ばれるものの象徴的なカクテルといえよう。ブランデーベースの「ボンベイ」、ダークラムベースの「シャンハイ」、ジンベースの「ホノルル」、ジンとウオツカを使う「ヨコハマ」なども“港町カクテル”である。
「ニューヨーク」は、ライウイスキーまたはバーボンウイスキーがベース。「カナディアンクラブ」が使われたりするが、今回は滑らかでふっくらとした甘みのあるバーボンウイスキー「メーカーズマーク」ベースをおすすめしたい。甘みと酸味のハーモニーを楽しんでいただきたい。他にはバーボンの「オールドグランダッド」ベースもおすすめ。
メーカーズマーク 3/4
ライムジュース1/4
グレナデンシロップ 1tsp.
シェークしてカクテルグラスに注ぎ、オレンジピールを絞る。
ラスティ・ネイル
カクテル名は“錆(さ)びた釘”という意味。ブレンデッドスコッチと多彩なハーブ、スパイスを使って生まれるリキュール「ドランブイ」(バランタイン・サイト『稲富博士のスコッチノート第63章ドランブイ・ストーリーその3』に詳細)の味わいが効いていて、独特のエキゾチックな風味のあるカクテル。海外ではとても人気が高い。
ベースのウイスキーもブレンデッドスコッチが使われる。今回は、滑らかさのある「バランタインファイネスト」でご紹介する。
余談だが、「バランタインファイネスト」はお湯割、ホットウイスキーにして飲んでもとても美味しいのだが、意外と知られていない。いまの寒い季節、自宅で「ホット・バランタインファイネスト」を味わっていただきたい。
バランタインファイネスト 30ml
ドランブイ 30ml
氷を入れたオールドファッションドグラス(ロックグラス)に材料を注ぎ、ステアする。ミキシンググラスにステアして、カクテルグラスに注ぐ処方もある。
ウイスキー・サワー
かなり古くから飲まれているカクテルで、ベースをブランデー、ジン、ラム、テキーラに替えたサワーもよく知られている。
ウイスキーベースとしてはさまざまなブランドが使われているが、わたしはバーボンのまろやかさのなかにコクがある「オールドグランダッド」の味わいを好む。しかしながら今回は味わいをあえて大きく振ってみた。
意外性を楽しんでいただくためにシングルグレーンウイスキー「知多」ベースをお試しいただきたい。グレーンウイスキーで「ウイスキー・サワー」をください、とオーダーすると驚かれるかもしれないが、すっきりとした軽快なタッチの香味となる。是非どうぞ。
サントリーウイスキー知多 45ml
レモンジュース 20ml
砂糖 1tsp.
シェークしてサワーグラスに注ぐ。スライスしたオレンジやマラスキーノチェリーを飾る。少量のソーダ水を加える処方もある。
さあ、ベースを指定してオーダーしてみていただきたい。そこからさらにベースを替えていろいろ楽しんでいただけたら嬉しい。
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