国産品と呼ばず、国際品と呼んでください
リザーブ発売時広告
“国産品と呼ばず 国際品と呼んでください”のキャッチは、小学校高学年だったわたしには新鮮で、衝撃的だった。ウイスキーなんぞ未知なるドリンクで、飲酒年齢に達するには長い年月が必要なガキンチョでありながらも、なんだか、新しい時代の到来を告げているかのような、ココロ踊る感覚があった。
振り返ってみると、世の中はお祭り騒ぎだった。「リザーブ」発売が6月19日であったらしいのだが、その1ヵ月後の7月21日にアポロ11号の人類史上初の月面着陸に世界中が湧いた。
翌1970年には大阪での万国博覧会を控えていた。日本にしてみれば1964年東京オリンピック以来の国際的大イベントである。
しばらくして、大阪万博のアメリカ館で、アポロ宇宙船が持ち帰った『月の石』が展示されるとのニュースが流れると、開催前から異常なまでもの熱気に湧いた。実際、万博が開催されると、アメリカ館は4時間以上待ちの長蛇の列が連日のように生まれた。
日本のビジネスマンのことを欧米では“エコノミック・アニマル”と呼ぶようになっていた。ウイスキーに関していえば、1971年には輸入自由化となり、スコッチウイスキーと国産ウイスキーとの競争激化が避けられなくなっていた。高度経済成長によって敗戦からわずか25年ほどの間に、日本にも国際化の波が押し寄せたのである。
「リザーブ」のキャッチは、まさに時代を語っていた。そして「サントリーオールド」の上級品として、洗練されたしなやかな味わいで魅了したのである。
白州モルトファンならば、リザーブ・ハイボール
サントリーリザーブ
自信をもって言う。「リザーブ」のソーダ水割りは、とても美味しい。この美味しさが意外と知られていないことが最近になってわかり、実のところわたしは驚いたのだ。これは伝えなくては、と。
現行「リザーブ」は白州モルトがキーとなっている。円熟した香りと華やかでしなやかな味わいを特長としているのだが、なんといっても白州モルトの持つホワイトオーク由来のバニラ様の甘み、樽香がしっかりと感じられるのだ。
ソーダ水で割っても白州モルトのニュアンスがしっかりと感じられ、伸びのいい、爽やかな甘さのクールな味わいを堪能できる。
とくに若い人たちは、「リザーブ」のハイボールの美味しさにまだ気づいていないようだ。どうか、一度試してみていただきたい。きっと新鮮味を感じることだろう。また白州モルトファンは絶対に好きになる味わいである。
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