PR
ウイスキー&バー/初心者のためのウイスキー入門記事

ショット、ニートにネイキッド/ウイスキーストレート

『ティーチャーズのドラム・ショップ/ドラムとはなに?』という記事で、ドラムについて語った。今回はショット、ニートといった、ストレートで飲むスタイルのニュアンスの違いについて私感を述べたい。そしてもうひとつ、スコットランドではネイキッドという言葉も使われていることをお伝えしよう。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

PR

ウイスキーを裸で一杯

 
ショットかニートか

ショットかニートか

これまでにショットやストレートといったウイスキーの飲み方用語について記事にしてきた。そしてつい最近の6月の『ティーチャーズのドラム・ショップ/ドラムとはなに?』の記事では、ドラム(dram)とは“少量の酒”“少量のウイスキー”を意味しており、スコットランドでは現在でも使われていると述べた。
ドラムと同じように使われ、我々に馴染みのある言葉はショット(shot/詳細は『ウイスキー用語3/ショット[入門篇]』)。これはアメリカで“一杯の刺激の強い酒”といった意味合いで用いられるようになった。おそらく19世紀のどこかで使われはじめたと思われる。ショットの表現は1930年代にイギリスにも伝わったようだ。
イギリスには古くからニート(neat)という言葉がある。16世紀頃から酒をそのまま飲む場合に使われていた。ラテン語のニテーレ(輝く)が語源で、そこから“濁りのない”“サッパリとした”といった意味に捉えられた。まだ酒に洗練がなく、荒々しい酒質だった時代である。
最初はウイスキーではなかったようだ。とくに輸入されたワインにニートは使われたらしい。薬草や甘味といったさまざまなものをミックスして飲みやすくしていた。その頃に、何も加えないで飲むときに、ニートという言葉が使われた。
現在は、ウイスキーに氷や水などを足すことなく生(き)のまま飲むことをストレート(straight)と言うが、ニートも同じような意味である。ストレートも19世紀のアメリカで使われはじめたといわれている(詳細は『ウイスキー用語4/ストレート[入門篇]』)。現在ではショットもニートも、ストレートで括ってしまえるだろう。でも、なんだか気分的に違うような。
ショットは強いのをガツン、と。ニートは生の味わいをじっくり、といったニュアンスにわたしは捉えている。ライやバーボンのアメリカンウイスキーとスコッチウイスキーの違いともいえる。

さて、スコットランドにはニートと同じ意味合いで使われる別の表現があることをご存知だろうか。ネイキッド(naked)である。本来は“裸の”“ありのままの”“飾らない”といった意味の言葉だ。
スコットランド人は得意気に言う。「スコットランドの男たちが愛するものがふたつある。ウイスキーのネイキッド、そして女性の……….」と言って、ニヤリと笑う。
日本の酒場で「ウイスキー、ネイキッドで」といっても伝わらないだろうが、ストレートで味わいながらの話のネタにはなる。
 

関連記事

ティーチャーズのドラム・ショップ/ドラムとはなに?
ウイスキー用語4/ストレート[入門篇]
ウイスキー用語3/ショット[入門篇]
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

あわせて読みたい

All About注目リンク

PR

ウイスキー&バー 人気記事ランキング

2024/11/15 更新
ランキング一覧
  1. 13回 ライムやレモン、どうする?
  2. 2ウイスキー・ソーダとハイボールの違い
  3. 3ジムビームカクテル簡単ジュース割り家飲みレシピ
  4. 4山崎蒸溜所100周年17/次の100年に向けて朗報「山崎12年」ISC2024シュプリーム受賞  
  5. 5サントリーオールド、冬はホットウイスキーのススメ
協力:サントリー

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます